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posted:2014.3.18 from:宮城県大崎市 genre:ものづくり / アート・デザイン・建築
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writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
世界中に愛好家がいる日本刀は、刀身のみならず刀装具も
伝統工芸の極みといえるもの。
日本が誇る伝統工芸の技術と、グローバルなデザインが真の意味で
コラボレーションするという、難しい課題を見事に成し遂げた
プロダクト「aikuchi」がこのたび発表されました。
これは宮城県大崎市の刀工・法華三郎信房(法華家)の刀を、
ロンドン在住のプロダクトデザイナー、
マーク・ニューソンがデザインしたもの。
日本に一時期在住していたマークは、日本の文化と
職人達の技に、もの作りの観点から大いなる尊敬心を持っていました。
刃物に深い造詣を持つ彼にとって、
「日本刀」は憧れの存在でもあったのだといいます。
そして作り上げられたのは、
刀身を法華家が作り上げ、それを収める
さやのグラフィックパターン、つばの加工法、
紐、収納ケース、ディスプレイに至るまで、
すべてマーク・ニューソンがデザインした刀。
東北を訪れたマークが東北の職人達のもとを訪れ、
技と意見を取り入れながらデザインしました。
収納ケースは東北伝統の「岩谷堂箪笥」、刀装具のデザインは
東北伝統の漆塗り「秀衡塗(ひでひらぬり)」の職人たちによるものです。
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本プロダクトのプロデュースは、仙台発の
ビジュアルデザインスタジオ「WOW inc.(WOW)」。
WOWはこれまでCM映像やインスタレーション、ユーザーインターフェースのデザインなど
先鋭的なビジュアル表現で知られていたのですが、
今回初めてプロダクトのプロデュースを行いました。
珍しいコラボレーションが実現したのは、
WOWの代表である高橋裕士さんの生家が
法華三郎信房だったのがきっかけ。
法華三郎信房は、江戸時代の後期に刀工として働き始めた
初代から、現在の九代目まで長い歴史を持つ工房です。
宮城県指定無形文化財でもあり、伊達政宗が復興した刀の
伝法「大和伝」を作り出していることでも知られています。
同町の酒蔵「一ノ蔵」でも「大和伝」というお酒が作られているほど。
この、「aikuchi」を実際に見ることができるイベント
「WOW × Marc Newson “aikuchi exhibition”」が、
2014年3月20日(木)の10時~17時、東京都港区の東京美術倶楽部にて開催されます。
どなたでも入場可、入場は無料です。会場ではWOWによる新作インスタレーションと
コンセプトムービーも見ることができるそうです。
詳細は下記Webサイトにて。
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