[ff_textlink_by_slug slug="tpc-foo-tasty-016"]前回[/ff_textlink_by_slug]に引き続き、大分県竹田市の農家民宿「雲中坂」よりお伝えします。
農家民宿とは、地元のご家庭が営む宿で、
農作業やこんにゃく作りなど、その土地ならではの体験ができるのが魅力。
私も山へ連れていってもらい、ぷりぷりの椎茸や、
ふっくらと柔らかいふきのとうをたくさん収穫させてもらいました。


今回の後編では、その食材を宿のお母さん羽田野あき子さんに料理していただきます。
では、お台所へとおじゃまします。

羽田野忠夫さん、あき子さんご夫婦。
母「さあて、何から作ろうかな~」
使い慣れた台所に立つお母さん、その後ろ姿はどこか頼もしい。
母「ふき味噌から作っちゃおうか」
はい。
トントントントン。
さすが民宿の台所を預かるお母さん、包丁の音がリズミカルで手早い。
あっという間にふきのとうがみじん切りになり、苦みをまとった青い香りが漂ってきた。

熱したフライパンに油を少し垂らし、ふきのとうを炒め始める。
少ししんなりしてきたところで、味噌を混ぜ合わせる。

母「ここにね、これを入れるんよ、卵」
卵?
母「これ入れると、冷めてもかたくならなくて、しっとりするんよ」
ほー、初めて知りましたそのコツ。
さっそく我が家でも試してみよう。

母「そうそう、これも作ろうか」
お母さんが取り出して見せてくれたのは、自家製の干し大根。
普段スーパーで見かける千切りではなく、輪切りにして干されたもの。
母「これ、じっくり煮たほうが美味しいから、先に作っちゃお」

油をひいた鍋で、まずは鶏肉を炒める。

大根はよく洗い、水気を絞って鍋に入れる。
軽く炒めたら、醤油、酒、みりん、水をひたひたの量まで入れ、しばらくコトコト煮る。
母「ストーブの上とかで放っておくと、ちょうどいいんよ」
と、お父さんお手製のストーブの上に鍋が置かれた。
煮汁が少なくなり、こっくりと馴染んできたら完成。

母「椎茸はどうする?」
テツ「お母さんは、どうやって食べるのが一番好きですか?」
母「うーんとー、やっぱし炭火で焼くんが美味しいよね~」
炭火と聞くだけで気持ちが上がる。
母「外で七輪出して焼こうか、ね」
さらに七輪とは、嬉々。
炭火と聞いて、気持ちが上がっている人がもうひとりいた。
お孫さんの勘太君、弱冠5歳。
バーナーを持ち出し、炭に向かって真剣に取り組み始めた。
その後、慣れた手つきでうちわを使いこなし、
あっという間に火を起こしてしまうのだからすごい。

テツ「勘太君、すごいね~、怖くないの?」
勘太「ぜんぜんこわないわ」
俺に任せとけ、といった感じでクールに決めている様子が可愛い。
父「小さい頃から何でもやらせとるからなぁ」
東京で暮らしている私からすると、こんな小さい子どもに
火の扱いをさせるなんて危ないと、つい任せることを避けてしまう。
父「火傷したってたいしたことにはならんから、これくらいのことでは」
はい、確かにそうですよね。

赤く火がともった七輪に網をかけ、その上に椎茸を並べていく。
しばらくすると、椎茸の表面がじわっと湿り、白く細い湯気が立ち始めた。
たまらん。
テツ「勘太君、もういい頃かなぁ」
こくりと男らしく頷く勘太君。
勘太「ばあちゃーん、焼けたー」
台所にいたお母さんが、焼け具合を見にきてくれた。
母「うん、いいやろ」
じゅわっとしたシズル感をまとっている椎茸、早く食べたい。

母「椎茸とふきのとう、天ぷらもしといたから」
こちらを誘うかのように、たくさんの天ぷらが大皿に盛られている。
母「熱いうちに食べようか」
はい!
