兵庫が育む “日本最古”に出合い、体験する旅 〈ひょうごフィールドパビリオン〉 Vol.2
“はじまりの場所”を船でめぐる、「沼島おのころクルーズ」
日本最古の歴史書『古事記』と『日本書紀』。
冒頭には、伊弉諾尊(いざなぎ)と伊弉冉尊(いざなみ)が日本列島を生み出した
「国生み神話」が記されている。二神が鉾で海をかき混ぜて、
鉾をあげたときに垂れたしずくが「おのころ島」という最初の島になった――
その島こそが淡路島の南端に浮かぶ沼島だという伝説が残されている。
そんな“はじまりの場所”にまつわる奇岩を漁船でめぐる約1時間の旅が
「沼島おのころクルーズ」。海底から隆起した巨大な岩には神話との深いつながりもある。

島のほとんどが山の沼島。海岸線の岩は崩れやすいため遊歩道を設けられず、海から沼島をめぐるクルーズが誕生した。
南あわじ市灘の土生港から沼島汽船に乗り10分ほどで沼島港へ。
伊勢海老やシラス漁なども盛んな漁港町に到着する。
「ぐるりと1周しても10キロほどの島に神社や小さな祠が密集しています。
島全体がパワースポットだと喜ぶ人も多いんですよ」
そう話すのは、ガイドの小野山さん。
小野山さんは約10年前に大阪から移住。以来、精力的にこのクルーズを盛り上げている。

「真夏と真冬以外はベストシーズン。普段の服装で参加していただけますよ」

コンパクトな島に5つのまちが密集している沼島の風景。
おのころクルーズの大きな特徴は、
現役の漁師さんが漁船を運転してガイドしてくれること。
「漁師は普段魚を相手にしているからか、
いざお客さんを相手にすると緊張してしまうことも(笑)。
でも、漁師だからこそ大きな岩の間近まで船を寄せることができるんです。
実は、一定の場所に留まるだけでもテクニックが必要。
ただ地形を知っているだけではない、経験と知識のあるプロが絶景へ案内します」

沼島を象徴する高さ30メートルもの上立神岩。伊弉諾尊と伊弉冉尊がこの島に降り立ち、巨大な柱の周囲をまわって婚姻を行った「天の御柱」だといわれているそう。
奥へ進んでいくと黄泉の国へつながっているといわれている
約50メートルもの洞窟「穴口」や、
国生み神話の最初の一滴が落ちた場所だという説もある、
上立神岩と下立神岩の間にある「平バエ」という岩礁など、
神話にまつわる壮大な景色があちこちに。
客船よりも波を近くに感じられる漁船は、自然との一体感もひとしお。
私たちもこの地球の一部なのだと“はじまりの場所”で実感できる神秘的な体験だ。
information

沼島おのころクルーズ
住所:南あわじ市沼島
連絡先:050-3187-5040
実施日:通年
所要時間:45分~50分
料金:3000円/1人(ただし、最低運賃7000円)
※1~2名の場合は7000円
決済手段:現金のみ
受入可能人数:1名~12名(13名以上は複数隻の利用が必要)
予約:前日までに要予約
予約方法:電話のみ
受付時間:9:00~17:00(火・金曜休み)(水・木曜は12:30まで)
Web:沼島おのころクルーズ