家具の“循環”を体感する場所 〈トトン〉が見据える、 これからの暮らし

まだ使えるいいモノをリペアし、再び流通させる

トトンの中を増山さんに案内してもらった。
1階のエントランスを開けるとまず目にするのは、
器やアクセサリー、食器などさまざまな雑貨が並ぶエリア。

「サステナブルなものづくりをしているブランドのアイテムや、
少し傷があったり、形が整ってなかったり、
そうした事情で販売にまでは回らなかったB級品などを販売しています。
また、トトンオリジナルのアイテムとして、
B級品のTシャツを群馬の染工房〈桐染〉に染色してもらったTシャツも販売しています」

ロングライフやサステナビリティをテーマにした商品が並ぶ雑貨コーナー。

ロングライフやサステナビリティをテーマにした商品が並ぶ雑貨コーナー。

富山県砺波市の伝統工芸品「三助焼」のB級品を引き取り、焼き直して再販売している。

富山県砺波市の伝統工芸品「三助焼」のB級品を引き取り、焼き直して再販売している。

それらの雑貨エリアに続くスペースには椅子やソファ、机など大量の家具が置かれている。
これらは米三の事業のなかで引き取った家具を修繕・加工して再販売しているもの。
当初の構想にあった2次流通が実現したマーケットだ。
驚くのは、それらの家具の価格。信じられないほど安い。
普通のインテリアショップで買えば、おそらく数万円〜十数万円もするものが、
数千円〜1万円ほどの価格で売られていたりするのだ。
なぜこのような価格設定にしたのだろうか。

「まずは、廃棄予定の家具をもう一度流通させ、
その数を増やすことが大事だと考えています。
そうして家具の循環量を上げていくためには、
多くの人に手が届きやすい価格にしなければなりません。
〈カリモク〉や〈マルニ木工〉の昔の家具が数万円で売られていたりするので、
若い人たちが本物に触れるいい機会を提供できているとも考えています」

1階奥のスペースには、リペア・DIYゾーンが設けられていた。
ここは、持ち込んだテーブルの修理や椅子の張り替えなどをスタッフが対応したり、
トトンが回収した家具からバラしたパーツや端材を活用し、
利用者が自由にDIYなどができるスペースとなっている。

「リペアはお客さま自身で行うこともできます。
以前も、母親と娘さんがふたりで椅子の張り替えをしたいと訪れてきてくれて、
スタッフに教わりながら作業していました」(増山さん)

「自分で家具をリメイクしたりリペアできたりする文化が、
トトンから広がればいいなと思います。
そういう暮らしってとても豊かだと思うんですよね」(伊藤さん)

トトンの端材を活用した、初心者でも簡単にDIYが楽しめるBOXキット。

トトンの端材を活用した、初心者でも簡単にDIYが楽しめるBOXキット。

writer profile

平木理平 Rihei Hiraki
ひらき・りへい●静岡県出身。カルチャー誌の編集部で編集・広告営業として働いた後、2023年よりフリーランスの編集・ライターとして独立。1994年度生まれの同い年にインタビューするプロジェクト「1994-1995」を個人で行っている。@rihei_hiraki

photographer profile

朝岡英輔 Eisuke Asaoka
あさおか・えいすけ●写真家。埼玉県出身。歴史や文化の薄い郊外のベッドタウンで育ち、茫漠とした青春を送る。その反動か、旅雑誌やメディアの仕事を通じて、国内外の暮らしや企業を取材するようになる。リサーチプロジェクト「住むの風景(東京編)」では、作家の温又柔氏を中心に『四十年目の都市』をテーマに建物の建て替えとともに変わっていく東京をリサーチしている。2022年末に写真集『over』を上梓。 @eisuke_asaoka_photography

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