連載
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
https://homemakers.jp/
私たちが小豆島に移住してきたのは2012年。
それから8年の間に、新しいカフェやパン屋、ジェラート屋、
自家焙煎のコーヒー豆屋、美容院など新しいお店がだいぶ増えました。
小豆島に移住してきた人が経営する小さなお店が多く、
個性豊かですてきなお店がたくさんあります。
そんなお店の中でも、とびきりセンスがいいピザ屋があります!
オーナーは山本友則さん。
もともと高松のイタリア料理のお店でピザ職人として働かれて、
2019年5月に小豆島に〈Pizza Kamos〉をオープンされました。
お店の名前は、Kamosと書いて「カモス」と読みます。
そう! 「醸す」からきているんです。
古い木の家具やアンティーク食器が並ぶ店内は、やさしくて穏やかな雰囲気。
統一された世界観、カモスワールド。
おしゃれなんだけど、疲れないおしゃれ、心地いいおしゃれ。
いいよねぇ、こういう雰囲気って感じると思います。
お店の雰囲気がいいだけじゃなくて、もちろんピザもおいしい。
特にピザ生地がおいしい。
Kamosのピザ生地は天然酵母で発酵させたもので、
香りと食感が最高でずっと食べ続けていたくなります。
ちなみに、いろは(娘)はシラスが苦手でいつも家では食べないのですが、
先日Kamosに食べに行ったときに
「瀬戸内しらすと小豆島レモンの“瀬戸内ピザ”」をもりもり食べていて、
「しらす苦手じゃなかった?」と聞いたら
「生地がおいしいから食べたい」と言って、何切れも食べてました(笑)。
苦手なものでも食べれるようになるピザ生地マジック!
Page 2
そのKamosがオープンから1年経とうとしていた頃、
新型コロナウイルス感染拡大の影響が小豆島にも現れ始めていました。
小学校が臨時休校となり、観光で島を訪れる人も激減し、どこもかしこも営業自粛。
そんななか、Kamosには新たなメンバー、福村真司くんと鈴木佑くんが加わり、
ピザ生地を使った新しいサンドを生み出したり、
そのサンドやパンのテイクアウト販売をしたり、
インスタグラムでの発信を強化したり、すごく動いている感が伝わってきていました。
そんないい流れのなかで、この7月23日には、Kamosの店舗の裏庭に、
その名も〈cafe u ra ni wa〉を新しくオープン。
島の大工さんにつくってもらった広々としたウッドデッキがとても気持ちいい。
Kamosの店内ともつながっていて、ピザはもちろん
サンドや新メニューのスムージーなどを楽しめます。
デッキの目の前には大きな木と小さな公園があって、
小さな子どもたちがデッキや公園で遊び、
お母さんたちは子どもたちを眺めながらゆっくりお茶
なんていうのもいいなぁと思いました。
新たな仲間が加わり、なんだかとても楽しそうで、
こっちまでその楽しさだったりパワーが伝わってくる
〈Pizza Kamos〉と〈cafe u ra ni wa〉。
ひとりひとりの活動がお店を醸して、時間をかけていい場所ができあがっていく。
まさにそこはカモス。
土庄港(とのしょうこう)という港から歩いて5分のところにあります。
この夏(7、8月)は無休で営業予定!
出かけることをちょっとためらうここ最近の状況ですが、
小豆島に来る機会があれば、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
information
Pizza Kamos
cafe u ra ni wa
住所:香川県小豆郡土庄町甲吉ヶ浦6190-80
TEL:0879-62-8731
営業時間:Kamos 11:00~15:00、18:00~22:00
cafe u ra ni wa 11:00〜18:00
定休日:月・火曜
Feature 特集記事&おすすめ記事