団地リノベーションで
新しいライフスタイルを生み出す。
北九州市〈本城中央団地〉
設計に顧客のニーズを取り入れる仕組みづくり
チームの役割は以下の通りです。
タムタムデザイン:設計
不動産プラザ:施工
トーマスリビング(現在はリノリビングに分社化):施工とリーシング(賃貸を支援する業務)
不動産中央情報センター:リーシング
一般的な賃貸住宅の改修では、事業者が設計事務所に意向を伝えて企画設計、
その後施工会社に発注、そして仲介企業に依頼しリーシングを進める、
「設計→施工→斡旋」という各フェーズが分断されて発注が行われています。
入居希望者の内覧を案内して顧客とコミュニケーションをとり
ニーズを把握しているのは仲介の案内担当者なのに、
その現場を知らない設計事務所が設計を行う。
つまり企画段階で意思疎通ができず、ニーズが設計にも反映されず、
結果的に入居の決定率が落ちてしまいます。
今回はステップごとの業者をひとつのチームにしたことで
「斡旋×設計→施工→斡旋」となりました。
仲介の案内現場から肌感覚で蓄積されているニーズを設計段階で反映することで
デザイン力は上がり、かつ入居決定率も上がるというわけです。

当時の提案書の一部抜粋。
こうして提案を進めていき、全6団体から応募があったなかから、
チームでのプレゼンを経て、見事、採択を得ることができました!
チームで実現した間取りの変更
採択後、リノ協のメンバーで提案書をつくる作業はとても楽しく、
今までは聞くことがなかった仲介の内覧案内の現場の話が
とてもプラン(間取り)作成の参考になりました。
特にリーシングで優先順位が高いといわれたニーズが以下の5つです。
①独立したトイレ
②収納の多さ
③対面キッチン
④ユニットバス
⑤広さと明るさ
そして今回の設計にて、上記にかけ合わせた案が下記の3つ。
①広い土間空間
②コンクリートと無垢板の自然素材の仕様
③オリジナルのキッチン
この本城中央団地に限らず、団地や集合住宅では排水管の構造の問題から、
間取りの変更が困難なことが多いんです。
一方でリーシング担当からは圧倒的なニーズがある
“トイレへの独立動線”を希望されているという状況。
ところが今回は現地調査をする施工会社がチーム内にいるので、
設計上では判断できなかった排水管の位置変更が容易に盛り込めて
企画力もアップしました。協働ならではの賜物です。
そして今回は鉄筋コンクリート造の5階建てで、同じ区画の1〜5階までの縦の住戸を
すべて改修することになったので、立管(上階から下階への垂直に渡る排水管)の
移設が可能となりました。このことも間取り変更のあと押しとなりました。
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