日南市〈ADDress Kado〉
商店街の空き店舗を、
定額制・住み放題サービスの拠点へ
油津商店街で現地調査
物件は、すでに油津商店街の空き店舗に目星がつけられていました。
元果物屋で角地にある魅力的な物件でしたが、
閉店してから15年ほどずっとシャッターが閉まった状態。
市の商店街活性化事業でも何度か賃貸で交渉を試みたのですが、
条件が合わず頓挫していたところ、オーナーさんの代替わりのタイミングと一致し、
アドレスさんが土地を含め物件を購入してくれたことで、
シャッターを開くことができました。

ビフォーの外観。アドレス取締役の桜井里子さんと現地にて調査と打ち合わせ。用途変更の申請は不要だが、防火対象物となり消防設備を設置したり、申請と検査が必要となった。
1階にはいまの商店街に足りていない機能を入れて、地域に開かれた場所に。
2階はアドレスの会員が使用する居住スペースになります。
2階のシェアハウスについては、
既存の水回りや間仕切り壁の位置など、ほとんど変更することがなく、
アドレスの事業収支にも合う部屋数とベッド数がすんなり確保できました。

既存内部の様子。2階部分はリフォームが行われており、間仕切りをし直すだけでアドレス会員の居住スペースとなった。

間仕切り壁を配置し、特注の飫肥杉製の2段ベッドを新しく設置。
問題は、ふんわりとしか内容が決まっていない1階部分。
アドレスからのリクエストは、この場所を商店街や市民に開放すること。
オペレーション費用をかけず無人で運営すること。
商店街に足りない機能を備えて、人が集まれるスペースにすること。
それらを受けてふたつの案を提出することに。
どちらにも共通するテーマは、商店街になかった機能として、
「文化的な機能を持つこと」としました。
ひとつは「フォト&クラフトスペース」として、
フォトスタジオと写真をテーマとした工作室にする案。
もうひとつの案は、「レコードコミュニティスペース」。
その頃、全国的に話題となった油津商店街の開発。
若年層は商店街へ訪れるスポットや機会ができたものの、
年配層が気軽に来られる場所がないという課題がありました。
そこでレコードが自由に聴けて、音楽という商店街にない機能を入れてはどうか。
かつてレコードを楽しんだ世代と、レコードになじみのない若い世代との
交流が生まれることを狙った案です。

レコードコミュニティスペースの提案内容。

レコードコミュニティスペースの提案プラン。プレゼンにあたって事前に建物を調査し、2案それぞれに企画案と平面図を作成した。
プレゼンの結果、レコードコミュニティスペースに決定し、
ハード(設計)とソフト(企画)ともに発注してもらうことに。
それはパークデザインの初めての挑戦となりました。
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