ソーシャル空き家こと〈デンクマル〉
日本一熱いまち熊谷で
空き家を“開き屋”へ
断熱のショールームへ
さてさて、行き当たりばったりなもんで、
物件購入が決まってから事業計画が始まります。
元住宅ということで、1階にリビング、和室、キッチン。
2階には、2部屋の寝室という構成。
離れとして、隣には2階建てのログハウスがあり、
1、2階とも大広間となっています。

建材のショールームとしての機能も。よく利用する建材を見てもらうため、リビングは自然素材多めに仕上げた。

新しいキッチン。〈IKEA〉のシステムキッチンを入れてみた。
空き家活用のほか、僕には建築士として、もうひとつの事業テーマがあります。
それは、断熱リフォームです。新築の高気密高断熱化は進んでいますが、
中古住宅においては未だ手つかずのことが多い現状。
40年前の住宅はほぼ無断熱であり、冬はヒートショック、
夏は熱中症のリスクといった、死と隣り合わせの家と言っても過言ではありません。
なので、この空き家を断熱リフォームのショールームとして、
断熱の快適性を体感してもらい、さまざまな実験とともに、
断熱化のデータ収集をしていくぞ! と決めました。
断熱リフォームは、屋根、天井、窓、壁に行いました。
特に中古住宅は窓が弱点になります。使い勝手や種類の違いがわかるように、
窓でも4種類の断熱リフォームをしています。
屋根にはDIYでグラスウールを300ミリ並べて、
メリット・デメリットを検証したりもしました。

DIYにて、天井に断熱材を入れた。

内窓と、空気層で断熱性を高めるハニカムスクリーンを設置。

サーモによる温度変化の調査。
「意図せずとも、自然と人が集まってほしい」という思いから、
1階のリビングを1時間500円~というめちゃ安のレンタルスペースに、
キッチンは1時間700円~とめちゃ安の菓子製造許可つきのシェアキッチンに、
2階の個室はシェアオフィスにしました。
パッと見た目ではわかりづらいのですが、
空間を体験することで断熱リフォームの良さに気づいてもらい、
建築の顧客へと循環していく流れ。実はこれが裏のテーマだったのです。ニヤリ。

1階のプランニング。

2階のプランニング。
この場所を〈デンクマル〉と名づけました。
ドイツ語でdenkmal。文化財や記念碑といった意味で
古いものに敬意を表し、また、denkとmalは英語でいうとthink it。
「もう一度考えよう」という感じです。
建築士として、空き家についてもう一度考えようという意味を込めました。
profile
https://www.denkmal.work/hakuworks