連載
posted:2025.9.26 from:北海道白老郡 genre:旅行
PR 星野リゾート
〈 この連載・企画は… 〉
「王道なのに、あたらしい。」をコンセプトとした星野リゾートの温泉旅館〈界〉。
それぞれの旅館で楽しめる温泉やその地の贅沢食材をその地の調理法を使用した会席料理、
個性あふれるご当地部屋の魅力はもちろん、〈界〉施設周辺地域の風土や歴史を紹介していきます。
writer profile
Toshiya Muraoka
村岡俊也
むらおか・としや/ノンフィクション・ライター。1978年生まれ。鎌倉市出身、同市在住。著書に『穏やかなゴースト 画家・中園孔二を追って』(新潮社)、『新橋パラダイス 名物ビル残日録』(文藝春秋)、『熊を彫る人』(小学館 写真家との共著)など。
photographer
Taro Hirano
平野太呂
ひらの・たろ/写真家。1973年生まれ。東京都出身。主な著書に『POOL』(リトルモア)、『ばらばら』(星野源と共著/リトルモア)、『ボクと先輩』(晶文社)、『Los Angeles Car Club』(私家版)、『The Kings』(ELVIS PRESS)など。
アイヌの人々が暮らした土地は、美しく穏やかな環境であることがほとんどだが、北海道白老町にある〈界 ポロト〉の眼前にも素晴らしい風景が広がっている。ポロト湖畔に位置し、対岸には国有林であるポロトの森。その自然環境に馴染むようにデザインされた温泉宿は、白樺の林が建物の中まで続いていた。
アイヌの文化に着想を得たデザインが、さまざまな形で反映されている。客室の壁には、オールの形をした木彫りがあり、細やかなウロコ彫が施されている。クッションにはアイヌ文様を模した柄が用いられ、テーブルは炉をイメージしているという。
もっとも象徴的なのが、「△湯」という名の湯小屋だろう。アイヌの人々は、狩りなどに出かけた際に、丸太を三脚のように組み合わせて仮の小屋を建てるという。△湯では、その際に用いる「ケトゥンニ」と呼ばれる構造を基本とし、大きなトド松を組み合わせている。経年変化によって鈍く光るようになった銅張りの外観だけでなく、空間内にも随所に三角形がデザインされている。三角形の不思議な親密さを感じる空間に、堆積した植物の有機物が含まれるために茶褐色のモール温泉。洞窟の中にいるような不思議な落ち着きのある温泉だった。
ロビーには暖炉があり、△湯と呼応するような、上部の銅張りのフードは今も輝きを保っている。夕食を食べた後には、その火に誘われるようにして、自然と人が集まってくる。その土地の文化の担い手から、直接、話を聞くことのできる「手業のひととき」では、アイヌ文化の伝承者である髙橋志保子さんからアイヌの歌「ウポポ」を教わった。熊狩りの歌に始まり、途中からはアイヌ語で一緒に歌った。アイヌの家「チセ」では、子どもたちが炉の周りに座って、おばあさんたちが昔話を語るのを聞いていたという。口承文化は、そうやって紡がれていくのだろう。暖炉の火と、ウポポの抑揚のある響きは、その時代の豊かさを想像させた。
アイヌ文化の伝承者、髙橋志保子さん。美しい歌声と快活なキャラクターにファンも多い。
翌日、少し早く起きてポロト湖の周りを歩いてみる。すでに咲き終わった水芭蕉の葉が茂っていた。夏を過ぎれば、イタヤカエデが紅葉で黄色に染まり、あっという間に雪が降るらしい。その土地ならではの季節の巡りを感じることが旅に出かける理由かもしれない。部屋に戻って、モール温泉のしっとりとした湯で汗を流してから、自宅では絶対に作らない品目数の朝食を食べた。自家製豆腐にかけた昆布醤油に、北海道を感じる。これぞ、温泉宿に泊まる醍醐味ではないか。
炊き立ての米と、鮭節やいくらおろし、がごめ昆布入り山わさびなど、北海道らしいご飯の友。じゃがいものすり流し鍋がつく。
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・2名1室(1泊2食付き)
・部屋タイプ:星野リゾート指定
【宿泊期間】2025年11月1日~2026年4月30日 ※除外日あり
information
界 ポロト
住所:北海道白老郡白老町若草町1-1018-94
TEL:050-3134-8092(界予約センター)
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