連載
posted:2013.4.15 from:青森県青森市 genre:食・グルメ
〈 この連載・企画は… 〉
雑誌オリーブなどで活躍していたスタイリスト・櫻田理香子が、地元である青森を中心に、
各地のおいしいものをいろいろスクラップ。「あそこのあれが食べたい!」と自慢の嗅覚!? を発揮してくれます。
東京ではすっかり桜が散っているその頃、、青森ではやっと雪解けの時期となり、遅い春の予感に包まれます。11月22日から3月31日まで冬季閉鎖していた八甲田ゴールドライン(青森市と十和田湖を結ぶ山岳道/国道103号線)が毎年4月1日に開通するのですが、この時こそ、青森県民が「春がきた!」と実感する瞬間なのです。今回は、そんな遅めの春がようやく訪れた青森市へと向かいました。
CLIP.05
待ちわびた春の到来で
いざ八甲田ウォーク。
山のお供も準備万端。
八甲田ゴールドラインの開通前日に「八甲田ウォーク」という、ゴールドラインを歩けるツアーがある。
今年の雪は記録更新で凄そう、、とさっそく申し込み!
全長8キロの山道コースなのだが、もう予約いっぱいで、、残りわずかとなっていた往復16キロコースを選択してしまった、、。
山ガールでもないので不安いっぱいながらも楽しみ。
そこで今回、山のお供は絶対に工藤パンの「イギリストースト」と決めていた。といっても、青森ではド定番のパンなので、普段から食べているパンなのですが。。私の地元十和田市のスーパーとコンビニでイギリストーストを買い込み、いざ青森市に出発!
十和田市から青森市までは、車でも行けるのだが、、、みちのく有料道路で1時間半か、国道45号線で2時間強、、となかなか時間がかかる。というわけで今回は新幹線を選択。八甲田ウォークが開催される前日に前のり。十和田七戸駅から新幹線で15分、あっ! と言う間に新青森駅に到着。
八甲田ウォーク集合場所アスパム(青森市のシンボルタワー)。夜にはライトアップされている。
そのアスパムの見えるお部屋にチェックイン!
そしてそそくさと近所にある工藤パン直営店へ。明日の八甲田ウォーク用に、またまたイギリストーストを買い込むのと、
お茶を飲みに出かけのだが、、、そこで事件が。
青森駅から5分ほど、まちの中心に工藤パン新町店があるのだが、、お店がやってない。。
無休のお店のはずなんだが、、今日は臨時休業? とガックリしていると、、
もっとガックリしてしまった!
なんと2013年3月15日に閉店してしまったのです!!
1952年開店と長い歴史のあるこのお店、、とても残念。
東京はパン屋さんの激戦区だが、青森には「これぞ!」というパン屋さんは数少ない。
そんな中で、この「工藤パン」は昔ながらの美味しいパン屋さん、県民にとって欠かせないパン屋さんなのです。
(※閉店のためお店の写真は掲載できませんでした)
がっくりきつつ、でも大丈夫!
工藤パンは県内ではスーパー、コンビニで必ずと言っていいほど購入できる。
さらに、工藤パンの中でも「イギリストースト」は別格。
最近ではテレビなどでもときどき紹介されているようだが、
青森県人にとっては、幼少の頃からある、珍しくないド定番パンなのである。
ちなみに、なぜ「イギリストースト」というネーミングなのかは、未だ県民には謎のまま、、
というよりも、不思議に思ったことはほとんどないと思う。
県民はイギリストーストと言えば、このパンのことを言うから。。
イギリストースト=山型パンにマーガリン&グラニュー糖がサンドされているパン。
一般的に山型のパンをイギリスパンと言うし、トーストと言えば焼いたパンだし。
フレッシュランチ(耳なし)には「イギリストースト風」と書いてある。風って何、、。
「イギリスブレッド」として、4枚切り(厚切り)・6枚切りの食パンも、
ほんとに好きで、よくスーパーなどで買うパンなのだけど。。ともかくイギリストーストはまた別格のパンなのです。
好みでトーストして食べる人もたまにいるのだが、
私は手を加えずそのまま食べる派。
グラニュー糖のジャリジャリと口に残る感じがこのイギリストーストの良さだと思う。
さて、、無事イギリストーストをコンビニで再度購入して、
リュックに保存食として詰め込み、八甲田ウォークに挑んできました!
雪の壁に圧倒されながら、雪の回廊をひたすら歩くツアー。
車では何度も通ったことがあるのだけれど、歩くのは初めて。巨大迷路のよう。
4月に入るというのに、、この後吹雪に! みなさん一心不乱に歩いてました。
酸ヶ湯から谷地までの往復16キロのアップダウンを繰り返し、、やっとゴール〜
もう脚は棒のよう!
そしてまた帰りにイギリストーストをどっさり買い込んで、賞味期限まで必死に食べまくるのでした。
writer profile
Rikako Sakurada
櫻田理香子
さくらだ りかこ●元スタイリスト。青森県十和田市生まれ。O型。
17歳の頃、進路を悩んでいる時にオリーブ編集部スタッフに出会い、スタイリストアシスタントやってみない? とお誘いを受ける。撮影でお邪魔した翌日からアシスタントとして編集部でお世話になり試練の日々。独り立ち後、編集部を離れ、多方面で活動。食にも興味が出てきて、期間限定レストランやケータリングなどもこなす。10代20代の頃の大忙しさから解放された現在、実家の青森と東京を行ったり来たりと生活中。
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