連載
posted:2016.4.29 from:北海道帯広市 genre:食・グルメ
sponsored by KIRIN
〈 この連載・企画は… 〉
その土地ならではの風土や気質、食文化など、地域の魅力を生かし
地元の人たちと一緒につくった特別なビール〈47都道府県の一番搾り〉。
コロカルでは、そのビールをおいしく飲める47都道府県のスポットをリサーチしました。
ビールを片手に、しあわせな時間! さあ、ビールのある旅はいかがですか?
Team Yum Yum
チームヤムヤム
(山本学・山本えり奈)
旅をしながら十勝に暮らす編集デザインチーム。あいうえお表やカレンダー、すごろくやイラストマップなど、日々の楽しみをデザインする作品をつくっています。『ヤムヤム旅新聞』にて、旅やローカルな魅力を発信中。
http://www.tyy.co.jp
photographer profile
Naoki Wagatsuma
我妻直樹
フォトグラファー。 北海道根室市生まれ。札幌の広告写真を6年経験したのち、十勝へ移住しフリーランスへ。 広告写真の他にも映像制作やイメージコンサルティングなども行う。
credit
Supported by KIRIN
47都道府県、各地のビールスポットを訪ねます。
北海道でコロカルが出会ったのは、配達ジンギスカン。
道民にとって夏の定番と言えば〈配達ジンギスカン〉。
なんと、お肉屋さんが、住宅街の小さな公園から自宅の庭先まで、
指定された場所ならどこへでもジンギスカンを届けてくれるのです。
焼き台や炭などの道具一式を無料で貸し出してくれて、
さらには火起こしから終わった後の回収まで、すべて行ってくれるというから驚きです。
グループでの焼肉はもちろん、町内会のお祭りや、高校の学園祭まで、
地域のさまざまなイベントでも利用されています。
配達ジンギスカンは、昭和30年代に滝川市にある
〈松尾ジンギスカン〉が最初に始めたと言われています。
公園でお花見をしていた人たちに七輪を貸し、ジンギスカンを売り歩いたら、
それが評判を呼ぶようになったとか。
いまでは北海道全域で定番となっていて、
道民ならではのカルチャーとして根づいています。
地元の人たちはそれぞれお気に入りのお店があったりするのですが、
子どもの頃からその味で育った、近所の肉屋さんの味が一番という声も多いようです。
今回、注文したのは、北海道でも特に外焼肉が盛んな十勝地方・帯広市にある
まちの肉屋さん〈かんの精肉店〉。
昭和40年の創業以来、〈かんの精肉店〉は、帯広市民に愛されるまちの精肉店。
現在の店主、2代目の菅野広見さんは料理人の経験を持ち、
寿司屋や和食店で培った感覚を大事にしながら、
食材の下処理や切り方、下ごしらえなど、丁寧な作業を心がけています。
かんの精肉店が〈配達ジンギスカン〉をするようになったのは、40年ほど前のこと。
「帯広では個人向けにうちの店が一番最初にやったんだって、
おやじがよく話していました」と菅野さん。
十勝のジンギスカンは、タレを絡めて味つきで袋に入っているものが主流。
同店のジンギスカンも、ファンが多い看板商品です。
その人気の秘密は、創業当時から変わらない秘伝のタレにあります。
青森県産ふじりんごや、高知県産のショウガなどの厳選した素材を使用。
ショウガの皮をたわしでひとつずつ丁寧に洗うなど、
タレをつくる専門の職人さんがひとつひとつ手作業で行うため、
一度に大量にはつくれません。
夏のオンシーズンには1日で使いきってしまうので、毎日タレを仕込むそうです。
ほかにも、十勝産のお肉の販売に力を入れているという菅野さん。
お店では〈十勝和牛〉〈ナイタイ和牛〉〈豊西牛〉〈十勝野ポーク〉といった、
ブランド肉のさまざまな部位を購入することができます。
「十勝でもおいしいお肉をつくっているのに、
そうしたお肉は十勝の外に流通することがほとんどで、
地元の人たちが実はあまり食べていないんです。
もっと地元のお肉を食べてもらいたいと思っています」
配達ジンギスカンを注文すると、さまざまなお肉をセットにできます。
今回お願いしたのは、おすすめの15000円(おおよそ10人前)おまかせコース。
ジンギスカンに加え、牛サガリ、こにく、ホルモンがセットになっています。
牛や豚も楽しめるのは、専門店ならではの豊富な品揃えがあってこそ。
配達は、基本は帯広市内。あとは注文金額との相談となります。
夏のシーズンには、配達の予約が次々と入ります。
多い日には、1日10件以上の配達に市内を走り回ることも。
焼き台をセットして火起こしをして、
終わり次第すぐに次の配達場所へ向かうという忙しさ。
グループでの注文が多いので、30人前のお肉を届けるなんていうことも
ざらにあるとか。それでもこの配達ジンギスカンを続けるのは、
お客さんにお肉をもっと食べてもらい、外焼肉を楽しんでもらいたいという、
お肉屋さんの心意気あってのサービスなのです。
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配達ジンギスカンの届け先に指定したのは、
ジンギスカンスポットとしてポピュラーな帯広市街地にある〈緑ヶ丘公園〉。
動物園や美術館、児童遊園などがあり、冬には〈おびひろ氷まつり〉の会場ともなる、
帯広市を代表する大きな公園です。お花見スポットとしても人気があり、
桜が見頃の5月上旬頃には、桜の下はジンギスカンBBQでにぎわいます。
お願いした時間に公園で待っていると、時間通り持ってきてくれました!
さっそく、手際よくセッティングしてくれ、
火起こしは、バーナーを使って一気に炭に点火。
かんの精肉店で使っている焼き台は、
お店の近所にある鉄工所で特別につくってもらっている特注品。
使っている炭も、品質のよい十勝産にこだわっています。
お肉にはすべて味がついているので、鉄板が温まったら、
袋を開けてそのまま網や鉄板の上で焼くだけ。すぐに食べ始めることができます。
かんの精肉店のジンギスカンは、脂身やスジも丁寧に取り除いてあるので食べやすく、
いくらでも箸が進んでしまうほど。厚切りでやわらかいお肉の味わいを引き立てる、
秘伝のタレの香ばしさがますます食欲をそそります。
ジンギスカンに合わせたいのは、北海道の山菜として知られる〈行者にんにく〉。
別名「アイヌネギ」とも呼ばれる、北海道の春ならではの山菜です。
ニラとにんにくを合わせたようなクセのある味と香りが、ジンギスカンによく合います。
「川の堤防で行者にんにくを見つけたよ!」
「家の裏山にも生えてたから摘んできたよ。焼こう焼こう!」
そんな季節感あふれる会話をしながら、時間が過ぎていきます。
夏の短い北海道だからこそ、「晴れたら焼肉!」を合言葉に外焼肉が始まるのです。
北国の長い冬が終わり、木々の緑も深まるグリーンシーズンの始まり。
そんな季節を過ごせる喜びを、みんなで乾杯するのにぴったりのジンギスカン。
ジュウジュウとお肉を焼きながら、おいしいビールを飲めば、
自然と会話も弾みます。晴れた日にはジンギスカンを焼くいい香りと、
ビール片手に楽しく過ごす道民の姿があちこちで見られます。
問合せ/キリンビール お客様相談室 TEL 0120-111-560(9:00~17:00土日祝除く)
ストップ!未成年者飲酒・飲酒運転。
information
かんの精肉店
住所:北海道帯広市大通南28丁目17番地
TEL:0155-24-1327
営業時間:9:00~19:00(日曜・祝日は~18:00)
定休日:無休(年末年始は休み)
駐車場:あり
*配達ジンギスカンは、15000円以上から受け付けています。人数によってお肉の種類なども相談できるので、気軽に問い合わせてみてください。
information
緑ヶ丘公園
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