連載
posted:2012.7.10 from:福岡県福岡市 genre:エンタメ・お楽しみ
〈 この連載・企画は… 〉
若手アニメーション作家・水尻自子のショートアニメを、各地域の方言でお届け。
声の出演者による方言エピソードなどもご紹介します。
なめこ:なんかさー、いっつもごめんね。
豆腐:なんがー?
なめこ:いっつもぬるぬるしとってさー。ばり気持ちわるいっておもっとらん?
豆腐:そんなことないよー。それがあんたのいいところやん。
なめこ:そうかいなー。でもほんとはさーちょっと気持ちわるかろう?
豆腐:ぜんぜんそんなことないよ。ヌルヌルしとらんなめこげな、ネバネバしとらん納豆とおなじたい。
なめこ:ありがとう。ちょっと元気でた。
●声の出演者より
「ヌルヌルしとらんなめこげな」の「げな」は、
「〜なんて」という今回のような使い方のほかに、
「〜らしいよ」という使い方もあります。
例:「隣の部署の青木さん、ハワイ旅行に行っとったげな」
「〜たい」というのは博多弁でよく文章の終わりに使われる言葉で、
接尾語のようにも使いますし、断定の意味でも使います。
例:「昨日、天神に買い物に行っとったったーい、そしたらばったり美和ちゃんに会ったとよ」
例:「そんなに急ぐけん、転けるったい!」
そのほか博多弁をいくつかご紹介します。
「とっとーと」→取ってあるよ
例:「この席、とっとーと? うん、とっとーと」
「しゃーしかー」→うっとうしい
例:「あの人、口うるさくてしゃーしかー」
「いぼる」→ぬかるみにはまる
例:「雨が降ったけん、あの道でいぼって靴がぐしょぐしょやん」
「いいくさ!」→もちろんいいよ!
例:「明日会社休んでもいいと思う?」「いいくさ!」
●編集部より
「〜たい」とか「〜とよ」は博多弁! って感じがしますね。
「しゃーしかー」とか「いいくさ」なども、勢いがある感じで
パワフルな博多っ子のイメージにぴったりです。
profile
Yoriko Mizushiri
水尻自子
みずしり・よりこ●1984年青森生まれ。手描きやコマ撮りアニメーションを中心に制作。新作「布団」が第14回広島国際アニメーションフェスティバルで木下蓮三賞を受賞するなど、気鋭のアニメーション作家として注目を集めている。
credit
声の出演:もーやんさん
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