連載
posted:2012.6.26 from:宮崎県宮崎市 genre:エンタメ・お楽しみ
〈 この連載・企画は… 〉
若手アニメーション作家・水尻自子のショートアニメを、各地域の方言でお届け。
声の出演者による方言エピソードなどもご紹介します。
なめこ:なんかよ。いっつもわりぃね。
豆腐:なんがや。
なめこ:なんかいつでんぬるぬるしとってかい、てげきめぇっておもっちょらん?
豆腐:そんなことねぇって。それがあんたんいいとこやわぁー。
なめこ:そーやろか。でんほんとはよ、ちっときもちわりぃこっせん?
豆腐:ぜんぜんそんなことねぇよ。ぬるぬるしちょらんなめこなんて、ねばねばしちょらん納豆とおんなじやが。
なめこ:ありがとう。ちったぁ元気でたわ。
●声の出演者より
「すごい気持ち悪い」の「すごい」は「てげ」といいます。
「超きもい!」は、宮崎弁でいうと、「てげきめえ!」です。
また「気持ち悪い?」と聞く場合は「気持ち悪いこっせん?」になりますが、
「こっせん」は語尾を上げて使い、「aren’t you?」のような、
~じゃないの?と同意や確認を求めるときなどに使う独特の言葉です。
「片づける」という意味の「なおす」は、方言じゃないと思っていました。
自然に使ってしまうので、「ここなおそう」というと、
東京では「どこを修理するの?」という顔をされてしまいます。
そのほか宮崎では「適当」を「てげてげ」といいます。
「てげてげでいっちゃが」というと「適当でいいわよ」という意味になります。
のんびりした県民性を表している言葉だなあと思います。
●編集部より
たしかに、「なおす」と言われたら、
壊れたものを直すのかと思ってしまいます……。
そして、「てげ」は「すごい」という意味で、
ふたつ続けて「てげてげ」だと「適当」になるのも面白いですね!
profile
Yoriko Mizushiri
水尻自子
みずしり・よりこ●1984年青森生まれ。手描きやコマ撮りアニメーションを中心に制作。新作「布団」が第14回広島国際アニメーションフェスティバルで木下蓮三賞を受賞するなど、気鋭のアニメーション作家として注目を集めている。
credit
声の出演:大坪千夏さん、大坪秀嗣さん
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