肥前のやきもの技術と可能性を一皿に
日本有数の陶磁器の産地として知られる長崎県の波佐見町。
江戸時代から庶民に向けた器を量産し、人々の暮らしや食文化を支えてきた地域です。
〈株式会社中善〉は1917年の創業以来、波佐見の地で窯業を生業とし、
波佐見焼の技術と精神を継承しながら器づくりに尽力してきた老舗メーカー。
その中善が今年、初となるオリジナルブランド〈zen to(ゼント)〉を立ち上げました。
2020年8月3日より、オンラインショップと
セレクトショップ〈ブリック&モルタル〉(東京・中目黒)にて発売を開始します。

400年以上の歴史がある波佐見焼。中善は波佐見町で100年を越えて伝統を受け継いできた。
波佐見や有田を含む地域は「肥前」と呼ばれています。
その肥前の窯元の歴史は16世紀末、戦国の世から始まったとされ、
豊臣秀吉による朝鮮出兵で朝鮮李朝の陶工を日本へ連れ帰ったことから
磁器生産の技術がこの地のさらなる発展につながったといわれます。
17世紀後半には、海外輸出の増大によって肥前窯業界は大いに活気づき、
全国的にもやきものの一大生産地となりました。
しかし明治時代には長年続いた大村藩の支援が途絶え、
登窯の生産停止によって窯業の存亡の危機に直面したといいます。
また昭和時代に入ると戦争に職人がとられていくなか、
厳しい統制や物資不足など、苦難を乗り越えながら
今日まで生産を続けてきました。

中善の職人さんが急須のふたに施釉(せゆう)をする作業風景。施釉とは、やきものに釉薬をかけることをいう。

シャトル窯(台車窯)で1300度で焼成後、冷却中の風景。火を止めても炉内が高温のため赤いまま。
波佐見町は周囲を森林に囲まれた、長崎では数少ない海に面していないまち。
山の産物に恵まれているため、燃料となる木、水、土のやきものの生産に
欠かせない条件がそろった環境なのだとか。
分業制で大量生産を得意とした波佐見の窯元は、
長年にわたって有田焼と協業しながら
肥前窯業界の発展に貢献してきました。
中善もまた、国内ブランドの製造に従事するなど
裏方に徹してきましたが、2017年に創業100周年を迎えたことを機に、
肥前地区のやきもの技術とその可能性を次世代に伝えるべく
表舞台に立つことを決意。
オリジナルブランドは中善の「善」と肥前地区の「前」の
ポジティブな2文字と「ぜんと」という言葉の響きに着目し
〈zen to〉と名付けられました。
ブランドディレクターには数々のブランドで指揮を執り、
日本を代表する陶磁器デザイナーの阿部薫太郎さんが着任。
“多様な嗜好に応える、多彩な個性”をコンセプトに掲げ、
モノを見る目がシビアでありニーズも細分化されている現代に向けて、
バラエティに富んだ選択肢を陶磁器で提案していくといいます。




















































































