news
posted:2020.6.16 from:全国 genre:アート・デザイン・建築
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
2020年5月、ネット上の新しいドキュメンテーション・サービス
〈ARCHI HATCH(アーキハッチ)〉が公開されました。
ユーザーは建物のなかを自由に移動し、
VRのように360°見渡すことができます。
建築家は前川國男さんや永山祐子さん、建築ユニット〈dot architects〉など、
新進気鋭の若手から日本を代表する建築家まで、注目度の高い建築家が揃っています。
こちらは、前川國男さん(1905〜86年)が手がけた「新・前川國男自邸」の3Dモデル。
サイト上ではこの3Dモデルの中を歩けるようになっています。
廊下を歩けたり階段を上がれたり、
建物の中を探検しているような気分になれるので、
ぜひサイトで試してみてください。
前川さんの自邸といえば、〈江戸東京たてもの園〉(東京都武蔵小金井市)に
移築復元された旧自邸が知られていますが、
こちらは後年、前川さんが70歳を目前に建てたもの。
年の離れた美代夫人に安心して暮らすことのできる住まいを残したいと、
耐震性を考慮した鉄筋コンクリートの家を建てたといいます。
新自邸の延床面積は、旧自邸の約4.5倍と広くなっていますが、
大まかな空間構成や特徴は、旧自邸を踏襲しているそう。
旧自邸を訪れたことがある方なら、
見比べてみるのも面白いかもしれません。
こちらは神奈川県・逗子にある、三井嶺さんによる個人住宅。
森の図書館と呼ばれる家には、数万冊におよぶ蔵書が納められています。
湾曲した屋根は、この家のそばにある山から覆いかぶさる
木々の枝をモチーフにしたのだそう。
こちらも、同じく神奈川県。葉山の海の近くにある個人住宅です。
建築家の尾形良樹さんがアートプロデューサー、金島隆弘さんの依頼を受け、
古いマンションの一室をリノベーションしました。
クライアントの希望は、膨大なアートのコレクションを内包できる家。
ダイニングの床を見ると、砂がひかれた土間になっています。
ビーチへ頻繁に出かけ、アートの搬入・搬出や来客も多いことから、
廊下からダイニング、ベランダまでを
土足で行き来できるようにしたのだとか。
ベッドルームやアート収納倉庫、リビングは
フローリング張りでプライベートの動線として設計されています。
Page 2
このプラットフォームを設立したのは、〈ARCHI HATCH〉代表であり、
東京都品川区にある〈建築倉庫ミュージアム〉の初代館長を担った徳永雄太さん。
徳永さんは館長の経験を通して、
建築が持つダイナミズムや建築家の思いに触れ、
図面や模型だけではわからない建築の魅力を、
より多くの人たちに伝えていきたいと考えるようになったといいます。
徳永さんはサイトの公開にあたり、次のような言葉を寄せています。
「訪れることのできない遠い土地の建築、失われていく貴重な建築。
それらが、自らの意思で空間を移動できるよう記録されます。
そして、建築はフィジカルな存在を超えたもうひとつの形をもって、
世界の人々がシェアできる存在として生まれ変わります。
将来的には、建築家の生の声や設計のプロセス、
写真や模型なども公開していく予定です」
日本の建築を世界中の人にシェアできる本サービス。
今後は海外の作品もアーカイブに加わっていく予定です。
これからの展開も楽しみですね!
information
ARCHI HATCH
Feature 特集記事&おすすめ記事