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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
2017年6月15日、福岡市中央区大手門に
「泊まれる立ち飲み屋」をコンセプトとするホステル
〈STAND BY ME(スタンドバイミー)〉がオープンしました。
こちらは1階が立ち飲み居酒屋、2階・3階が宿泊施設になっているホステル。
飲んだ後に帰らなくていいなんて、うれしいですね!
「フレンドリーな立ち飲みスペースを持ったおせっかいホステル」をうたっている
こちらには、ほかにもユニークな仕掛けがあります。
そのひとつがフードやドリンクと交換できる「木札」(4枚1,000円)。
STAND BY MEでは、この木札が余ったら隣の人や若い人へシェアすることをすすめています。
たしかにこんなシステムなら、気がねなくおごれそう。
気になるメニューは、ほとんどが地元にゆかりのある料理。
それも「福岡のいい場所、どこですか?」という質問に応えたいという
“おせっかい”から生まれたもの。
「お客さんがこの店を媒介に地元の食材や場所を知り、現地まで足を運んでくれたら」
というのがオーナーの願いなのだとか。
立ち飲みメニューは、薬院大通駅にある人気居酒屋
〈二〇加屋長介(にわかやちょうすけ)〉がプロデュース。
「博多水炊き とり田の柚子胡椒でポテサラ」「福岡移住計画の鯖缶」
「鳥飼八幡宮のチーズ盛り」など、約30種類のほとんどのメニューが、
木札1枚でいただけます。
朝ごはんやランチも、すべて木札でやりとり。
モーニングもランチも、木札3枚で食べられます。
モーニングは、和定食、ヘルシーなグラノーラ、
ブレッドブレックファーストの3種から選べるそう。
朝ごはんがこんなに充実しているとは、おどろき!
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貞末さんがSTAND BY MEを始めようと思ったのは、
たくさんの学生と接したことがきっかけ。
いまから10年ほど前、〈メーカーズシャツ鎌倉〉で採用人事を担当していた貞末さんは
学生のエントリー数を年間1万人にまで増やし、多くの学生と会って
「とにかく元気がない」ことに気づきました。
とはいえ採用人事のミッションは、優秀な人材を獲得すること。
そのなかから毎年10名前後の元気な学生を採用し
「偉そうにしていた」といいます。でも、漠然とした違和感は残りました。
「会社としての責務は果たしていたのだが、こんな違和感も感じ始めた。
“日本をつくっていくのは、選考から漏れた9990人じゃないか?”」(貞末さん)
そんな違和感を感じていた頃、貞末さんはメーカーズシャツ鎌倉が
ニューヨーク出店を決めた際に参加したボストンキャリアフォーラムで衝撃的な体験をします。
「そこで出会った学生に、僕は衝撃を受けた。
好奇心旺盛、積極性溢れる、バイタリティがすごい。そんな日本人学生だらけだった。
9990人の学生もこうなったらどれだけ良いだろう?
さまざまな理由で、行きたくても海外に飛び出して行けない学生もいる。
“家の近所で国際交流できる場所があれば”と
考えるようになったのは、これを解決するためだ。
STAND BY MEには多くの海外宿泊客が来る。
彼らも間違いなく、好奇心旺盛で積極性に溢れ、バイタリティがある。
近隣の若者は、何を飲んでも食べても250円であれば、ここに集うことができる。
人と人とが衝突し、摩擦が生まれると“新しいコト”が生まれる。
海外に友達ができると、海外に行く理由ができる。
すると、たくさんの摩擦がまた生まれる。
その人はその時、きっと元気になっているはずだ。
STAND BY MEは、そんな連鎖をつくるキッカケを、
地域で活動している仲間とみんなでつくっていくのだ」(貞末さん)
まだオープンしたばかりのSTAND BY MEですが、
すでに満室の日も出はじめ、立ち飲み屋も連日にぎわっているそう。
今後の展開も楽しみですね!
information
STAND BY ME
住所:福岡県福岡市中央区大手門1-3-22
アクセス:福岡市営地下鉄「大濠公園」駅より徒歩約6分、西鉄バス「平和台通り」(昭和通り)下車すぐ/「福岡城鴻臚館前」(明治通り)約2分
宿泊費:大人1名利用時、1室1名あたり3,780円〜(税込)
オープン:2017年6月15日
Web:STAND BY ME Facebook
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