news
posted:2017.6.5 from:全国 genre:エンタメ・お楽しみ
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
地方出身者なら誰もがある、
「まさか方言だとは思わなかった……!?」という体験。
当然のように発した表現に、「えっ!?」と言われてしまう!
共通語と同じ語形だけど、共通語では使われている
意味とはちょっと違う。そんな言葉を集めた
書籍『東京のきつねが大阪でたぬきにばける 誤解されやすい方言小辞典』が、
辞書でおなじみの三省堂から出版されました。
その代表が、「たぬき」。
東京では、うどんでもそばでも、揚げ玉(天かす)が乗っているものは「たぬき」です。
ところが、大阪で “たぬきそば” をたのむと、甘辛く煮た油揚げをのせたものがでてきます!
東京では「きつね」と呼ばれるものが、大阪では「たぬき」と呼ばれているんです。
その理由は、もともと大阪では甘辛く煮た油揚げをのせたうどんを「きつね」
と呼んでいたのですが、大阪の食文化ではうどんが標準。
そこに標準から外れたそばを使ったことで、「たぬきに化けた」ととらえられたのでした。
東京では具の違いですが、大阪ではうどんとそばの違いになるんですね。
さらにおとなり京都では、「たぬき」はさらに違って、
あんかけうどんの上に刻んだ油揚げが乗ったものなのでした..
いっぽうこちらは、“かじる”という言葉。共通語の「かじる」は
「かたいものの一部を、少しずつ歯でかんでけずりとる」ということですが、
山梨や長野・静岡の一部では
「背中をかじる」「頭をかじる」などのように「かゆいところをかく」の意味で使われます。
“背中かじって”と言われたらちょっとびっくりしちゃいますね。
Page 2
ほかにも、青森・秋田・岩手などで「ながめる」は
「伸ばす」という意味もあり、
「足、ながめれ」というのは、「足をくずしてくつろいでください」との
意味を込めた心遣いの言葉です。
また、「今夜はだいてやる(奢ってやる)から、好きなだけ飲め!」(富山)や、
「この服、少しきもい(小さい)ので、別の持ってきてもらえますか」(愛知・岐阜など)
など、共通語と同じ語形なのにまったく意味が異なる、
ものすごく誤解されやすい言葉たちも!
本書に収録されているのは、「誤解されやすい方言」181語。
イラストをまじえ、古典や文豪の用例なども引用し、
詳しく解説しています。詳細はWebサイトにて。
information
『東京のきつねが大阪でたぬきにばける 誤解されやすい方言小辞典』
Feature 特集記事&おすすめ記事