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posted:2016.3.25 from:兵庫県神戸市 genre:ものづくり
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〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
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Supported by 神戸市
兵庫県神戸市にある小さな海辺のまち、垂水。
このまちの大通りにたたずむ〈トランクデザイン〉は、
兵庫の職人さんと一緒につくった雑貨や洋服、
有機野菜などが並ぶ、手づくり感いっぱいのお店。
でも、それだけではありません。
活版印刷機があったり、コーヒースタンドがあったり……
ふつうの雑貨屋さんとは、少々おもむきが異なります。
じつはこちら、ストアを併設したデザイン事務所なんです。
代表は、兵庫県出身のアートディレクター/デザイナーの堀内康広さん。
以前は印刷会社のデザイン部門に所属しながら
オリジナルTシャツブランドを運営していましたが、2008年に独立。
その翌年、ホームタウン神戸に根を下ろし、誰でも立ち寄りやすい
地域に開かれたデザイン事務所をつくりたいと、トランクデザインを立ち上げました。
神戸市西区神出にある〈たんぽぽ珈琲舎〉のコーヒーや
神戸市西区の有機農家〈Naturalism Farm〉の野菜、
明石・魚の棚にある〈No123〉のマフィン、
住吉のチーズケーキ専門店〈CASSALADE〉のチーズケーキなどなど、
お店に並ぶのは、“兵庫で生まれたいいものを、地元の人々に紹介したい”
という思いからセレクトされたものばかり。
「僕たちの身近にひそんでいる、すばらしい製品や技術、サービス。
それらのものごとに、新たな視点から光をあて、魅力を再編集し、
それらを必要としている人たちの手元に、
幸せなかたちで届けるしくみをつくることが僕たちのデザイン。
それはまるで、新しい未来の地図をつくるような仕事」と、堀内さんは語ります。
兵庫などの間伐材・地域材を使った
テーブルウェア〈森の器〉は、オリジナルプロダクトのひとつ。
各地域に根ざした製材所で、職人さんの手によってつくられています。
器を裏返すと、伐採された年月と伐採場所を示す緯度経度が彫刻されています。
森の器は、兵庫県丹波篠山で製材所を営む
有限会社〈ウッズ〉から「間伐材を有効活用しつつ、
森をめぐるものごとの循環をサポートできるような
モノづくりができないだろうか」そんな相談を受けて生まれたプロジェクト。
依頼を受けた時に堀内さんがイメージしたのは
“材料の木が育った場所を、見に行きたくなるような器”。
それから約1年半の開発期間を経て、器が完成。
ふちがスッと薄く美しいフォルムは、歪みが生じないギリギリのバランスを追求して生まれた、努力のたまもの。
堀内さんは、この器をきっかけに森を訪れる人が増え、
グリーンツーリズムのムーブメントが生まれてほしいと考えているそうです。
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お香・お線香の産地、兵庫県。その中でも、とりわけ多くの
お香を生産しているのは淡路島なのだそうです。
生産量は日本のお香・お線香の7割以上を占めているのだとか。
トランクデザインではそんな淡路島のお香の技術を生かし、
焚かなくても香る和紙のお香〈Ku(クウ)〉をつくりました。
香りの種類はセージ、イランイラン、ティーツリー、ラベンダー、ゼラニウムの5種類。アロマテラピーのような香りが新鮮です。
火をつけなくても香るので、サシェのようにタンスに入れておいたり、
ディフューザーとして使用したり、ゆるく香りを楽しめます。
日本には昔からどこからともなく漂ってくる香りを楽しむ、
空薫(そらだき)という文化があったのだそうです。
そのほかトランクデザインでは、
播州織から生まれたアパレルブランド〈iRoDoRi〉と〈megulu〉などなど、
さまざまなものを手がけています。
〈megulu〉
さらに2016年1月7日には、海と山が近いまち、塩屋に
〈トランクデザイン 塩屋店〉がオープンしました。
塩屋は芸術家が多く住む、文化的なまち。
古い洋館もたくさん残っています。
お店のコンセプトは“集う、つながる店”。
〈トランクデザイン 塩屋店〉日本全国のつくり手の作品を展示するギャラリー、兵庫のものを集めたショップ、まちの方が集うカフェ、クリエーターが在籍するクリエイティブオフィスが同居しています。
「僕たちがめざしている “LOCAL TO GLOBAL” のかたちが塩屋店だと思っています。
ローカルないいものを海外の展示会などを通してグローバルに伝えていく、
その集積場所がトランクデザインのお店。
ものづくりの背景やことのはじまりを共有しながら、みんなで未来をつくっていく。
体験と体感を大切に地域の情報と産地の空気をお届けできればと思います」と、堀内さん。
4月からはモーニング、ランチ、兵庫の日本酒が楽しめる酒場もはじまるのだそうです。
これは行ってみたいですね!
また、トランクデザインではワークショップやマルシェなど、
まちの人たちが参加できるイベントも開催しています。
〈たるみマルシェ〉は、本当にいいものやストーリーのあるものを
手がけるつくり手とお客さんが交流できるマルシェ。
次回は3月26日(土)、舞子公園芝生広場にて開催されます。
出店者は〈パン工房 に・しおや〉、
明石の魚の棚のマフィン専門店〈No123〉、
ヨガ&セラピーサロン〈SANTE〉などなど。
もちろん、トランクデザインも出店します。
次回は播州織でつくったやわらかいストールや、マッチ、お香、靴下、
おいしいチャイ、ジンジャエールなどを用意する予定だそう。
垂水のいいものやおいしいもの、楽しい人たちに出会えそうですね!
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トランクデザイン 塩屋 オフィス&ストア
住所:兵庫県神戸市垂水区塩屋町3-14-25 2F
TEL:078-797-4940
営業時間:10:00〜19:00
定休日:水曜日
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