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デコトラ、ブチ上げ改造単車、相田みつを。広島・鞆の津ミュージアムで「ヤンキー人類学」

コロカルニュース

posted:2014.5.26   from:広島県福山市  genre:暮らしと移住 / アート・デザイン・建築

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Akiko Saito

齋藤あきこ

さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。

広島県福山市の鞆の浦にある、
「アール・ブリュット鞆の津ミュージアム」。
2012年にオープンした、築150年の蔵をリノベーションした美術館です。
ここで展示されるのは、普通のお行儀の良い美術作品ではありません。
「アール・ブリュット」または「アウトサイダー・アート」と呼ばれる、
芸術の伝統的な訓練を受けていないアーティストたちによる
自由で型破りな表現の作品たちが中心なんです。

こちらで現在開催中の展覧会の名は「ヤンキー人類学」。
そう、70~80年代にかけて全盛だった
リーゼント・変形学生服・特攻服・改造車などに代表される
文化を好んだ若者たち、「ヤンキー」がテーマ。
いまではその姿をほとんど見られなくなった、時代の徒花的
存在に大きくスポットを当てた展覧会です。
一般的には否定的な目で見られてしまう「ヤンキー」文化を
肯定的にとらえ直す、大変意義深い試みなのです。

丸尾龍一さん:12歳の頃、デコチャリ(デコレーション・チャリンコ)の存在を知り、独学で制作を開始。沢山の電球を使用した電飾や、カーステレオ、カーナビ、ワンセグ、バックモニター、無線機などを全て搭載した豪華なデコチャリを作り続けている。

展示されるラインナップはこちら!

・伊藤輝政さんによる超精巧なデコトラのミニチュア
・自作のデコチャリ
・ブチ上げ改造単車
・ド派手な成人式の衣装
・相田みつをの書
・メンズナックル
・新潟県南魚沼市にある日本最大級のアウトローショップ「BIRTH JAPAN」
・平成8年、北海道枝幸郡枝幸町で結成されたYOSAKOIソーラン団体

「ヤンキー」、それは、自らを表現せずにはいられない強烈な主張。
いずれも権威や常識、既成概念に反発し、自由な編集性を持つ、
生命力に満ちた表現たちです。
展覧会を企画した「鞆の津ミュージアム」キュレーターの
櫛野展正さんにコメントを頂きました。

「本展覧会展示作品は、どれも実現に向けて自分の足で探したり、
人づてに頼んだりして、リサーチや作品収集を行ったものです。
そもそも展覧会というものに初出展の方がほとんどのため
苦労した点は作品の選定でした。
実現には1年かかっています。

見どころは、市井の人たちが作ったデコチャリ、改造単車、
アートトラックという3つの乗り物系が揃っていること。
そして、相田みつをさんも展覧会の出展者と
なっていることでしょうか」(櫛野さん)

地下格闘技団体「漢塾(おとこじゅく)」塾長の前田島純さん

会場においては、展示だけでなく
茂木健一郎(脳科学者)や斎藤環(精神科医)によるトークイベント、
光輝くデコトラを撮影する「アートトラックチャリティー撮影会」
など、催しも盛りだくさん!
ぜひ日本文化のひとつ「ヤンキー」が放つ
仏恥義理(ぶっちぎり)のパワーを感じてください。
開催は7月21日〈月・祝〉まで。

鞆の津ミュージアム「ヤンキー人類学」

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