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posted:2014.4.16 from:福島県相馬郡新地町 genre:暮らしと移住
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writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
全国津々浦々、いろいろなお祭がありますが、
福島県の北部にある新地町の「あんこ地蔵」は、
ちょっと変わったお祭りです。
季節は毎年8月お盆後の日曜日。
二羽渡神社にあるお地蔵さんの口元に、
あんこをたっぷり塗りつけるんです!
これは、新地にいたお坊さん「家山(かざん)和尚」を祀るお祭り。
家山和尚は元禄年間のころ、新地の空き家に住み着いたお坊さん。
いじめられている子供や病気の女性など、
地元の困っている人を積極的に助けてくれました。その御礼に、地元の人は
和尚の大好物であるあんこ餅を差し上げるように。
そうして皆を助け、慕われた和尚も寄る年波には勝てず、
床に伏せるように。和尚が「自分が死んだ後もみんなを守ってくれる
お地蔵さんを建てて欲しい」と願ったところ、地元の庄屋さん
の呼びかけによって立派なお地蔵さんがたてられたのです。
そのお地蔵さんを見て安心した和尚は、8月24日に亡くなりました。
ところが和尚の死後、となり町の住むおばあさんが
神経痛の足を治してもらおうとあんこ餅を抱えて和尚を訪ねてきます。
和尚の死を知って悲しんだおばあさんは、せめてもということで
お地蔵さんの口元に持ってきたあんこ餅を塗りました。
すると、たちまちおばあさんの神経痛が治ってしまったのです!
以来、お地蔵さんにあんこを塗ってお願いごとをするようになったのだとか。
そんな言い伝えがあって、
家山和尚の命日には、和尚が大好きだったあんこを
地蔵の口もとにぬって供養しているというわけです。
ユニークなお祭り、地元の人に慕われた
和尚さんの人柄と温かさが伝わってくるようです。
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