news
posted:2014.2.28 from:大阪府大阪市 genre:ものづくり
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
おじさんのイラストがゆるーく描かれた、
洗練されたパッケージに一目惚れ!
神戸発のスイーツブランド、シーキューブが販売している、
ホワイトデーに向けたお菓子「グラッツィエ!」です。
缶の中には、焼きティラミスやチョコサンドクッキー
などの焼き菓子が詰まっている、ホワイトデーに大人気のアイテムです。
男性にとって、スイーツ専門店のお菓子はちょっと近づきづらいもの。
そこでターゲットとなる男性のイラストをパッケージに施したのだそう。
2013年に発売され、品切れが出るほどの大好評に。
お店で接客するスタッフさんからの
リクエストで今年も販売されることになりました。
「グラッツィエ!」のパッケージを手がけたのは、大阪で活動する
女性アートディレクターのマスナガデザイン部:増永明子さん。
「グラッツィエ!」のほかにも手掛けられている
プロダクトについて、お話を聞いてみました。
Page 2
ーー岡山県鏡野町の「山田養蜂場」のはちみつレアチーズケーキ
パッケージ、とってもかわいいです。
増永「お話を頂いたのが2013年4月頃で、発売が6月末と急
ピッチな展開でした。それまでのパッケージだと
山田養蜂場の持つ潜在力が発揮されていないと感じたので、
トーン&マナーの設計から行ったんです。
企業としての真摯な姿勢をオリジナルのタイポグラフィで、
あたたかさをイラストで表現して適度な緊張感を持たせた構成にしています。
イラストは牧野伊三夫さんです。コンセプトとデザイン、
イラストがぴたりと合った感じは、
アートディレクターとして手応えを感じました。
発売当初から好調に売り上げを伸ばしています」
ーーこちらは京都・宇治のお茶屋さんのリブランドですね。
増永「100年続く宇治茶屋が世代交代を行い、30代の店主から
他店との差別化としてブランディングの依頼を受けました。
2012年7月からのスタートして、半年はクライアントの
意向をヒアリングに時間を費やしました。
まず取り組んだのは顔づくりからで、シンボルマークを作成しました。
創業時の大正時代の佇まいを持たせつつ、シンプルな線や形状、
英字などに新しい息吹を感じさせています。
過去、現在、未来へ引き継がれる歴史と伝統をパッケージに託しました」
ーー大阪でデザインをされていて、どんなことを感じられますか?
増永「わたしは京都生まれなので(もう人生の半分以上は大阪在住に
なりつつありますが)、過ごしやすく自然体でいられるところです。
デザインという仕事は、生活の一部、もしくはすべてだったりするので、
自然体でいられるのはすごく大事な事だと思っています。
また新しいことを行ううえで、
東京はいろんな意味で大き過ぎて進まないことも、
大阪ではチャレンジしがいのある環境・規模かもしれません。
これからの楽しみとして、大阪市のデザインミュージアム
設立が予定されています。微力ながらデザイナーとして、
何かお手伝いができればと思っています」
プロダクトの魅力を最大限に引き出すアートディレクション。
マスナガデザイン部の活動、これからも楽しみにしています。
グラッツィエ!イラスト:山内庸資
写真:藤本直也
Feature 特集記事&おすすめ記事