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Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
今日のおやつは、岡山市の銘菓、伊部屋さんの「大手まんぢゅう」。
この大手まんぢゅう、ほんとにおいしいんですよ。
甘酒の香りの薄い皮に包まれた
舌触りのよいこし餡が、
お口に入れるとホロリとほどけます。
岡山の名物といえば、県外のひとはまず「きびだんご」
を思い浮かべますが、実は岡山市においては、
この大手まんぢゅうのほうが手土産に使われることが
多いのだとか。
大手まんぢゅうのルーツは江戸時代にさかのぼります。
伊部屋が創業されたのは1837年。
初代、伊部屋永吉さんが作った饅頭が、
岡山藩第7代藩主の池田斉敏に気に入られました。
当時の伊部屋さんが岡山城大手門のそばにあったことから、
「大手まんぢゅう」と名付けられ、以後
お茶会の席には必ず伊部焼の茶器とともに使われる
寵愛ぶりだったそう。
大手まんぢゅうの作り方は..
まず、米どころである岡山の備前米で作った糀で甘酒を仕込みます。
その甘酒と小麦粉をまぜて、薄皮の生地ができあがり。
中にいれるこし餡は、北海道産の小豆を
特製の白双糖と銘水百選に選ばれた「雄町の冷泉」の
水脈から汲み上げた水、で練り上げたもの。
これを薄皮の生地で包んで完成です。
百七十余年にわたって、岡山市民に親しまれる味を召し上がれ。
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