news
posted:2023.6.15 from:沖縄県石垣市 genre:買い物・お取り寄せ
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
writer profile
Yu Ebihara
海老原 悠
えびはら・ゆう●コロカルエディター/ライター。生まれも育ちも埼玉県。地域でユニークな活動をしている人や、暮らしを楽しんでいる人に会いに行ってきます。人との出会いと美味しいものにいざなわれ、西へ東へ全国行脚。
1955年創業の石垣島の泡盛酒造所〈八重泉酒造〉が、
泡盛・古酒(クース)ブランド〈ZAKIMI〉をリリース。
昨年8月から限定販売しています。
開発パートナーとして、デザイナーの原研哉氏を迎え、
石垣島の風土の賜物としての泡盛を表現しています。
八重泉酒造は蒸留したての泡盛を新酒として出すのではなく、
長い年月をかけ、石垣島という南国の環境で貯蔵し、
熟成させる泡盛づくりに取り組んできた酒蔵です。
長期熟成させることで蒸留時の荒々しさが取れ、
甘みと香味が備わったまろやかな酒へと変わっていきます。
つまり古酒は土地の自然と、経過した時間の産物とのこと。
八重泉酒造がつくり続けてきた古酒は、石垣島の風土の賜物でもあるのです。
発売されているのは〈ゆく〉〈顔〉〈台風〉の3種。
新たな泡盛の 世界を切り拓いていく気概を込めて「ゆく」と命名された
8年ものの古酒は、
年月を経て角が取れ、風格を増しています。
3種の中では一番ドライな味わいであり、食中酒としても良さそうです。
口に含んだ瞬間、これまでの泡盛との違いに驚きますが、
味わうごとに新たな風景を見せてくれる、そんな酒です。
Page 2
〈顔〉は、10年熟成の古酒とオーク樽に10年貯蔵した古酒のブレンド。
オークの色と香りが移った琥珀色の古酒が、円熟の古酒と融合することで、
ほんのりと淡い琥珀色の酒になります。
どっしりとした瓶とラベルに配された書によって、
斬新な泡盛の顔を生み出しています。
甘みがあり香りが芳醇でまるでブランデーのよう。
塩チョコレートやナッツ類とも相性が良さそうです。
そして〈台風〉は30年熟成の古酒。30年の歳月の中で、
100を超える台風が八重山諸島を通過していったとされています。
台風は、水と空気を攪拌して通り過ぎる自然の摂理です。
こうした南国の自然に抱かれて眠り続けることで、
はじめて到達できる枯淡の味わいとまろやかさ。
優雅な香気が身体の奥に沁み渡る至高の泡盛です。
仕上げの割り水として、
その年に石垣島に到来した「台風の雨水」を浄化して用いており、
まさに台風に眠り、台風で目覚めた古酒中の古酒といえるでしょう。
アジア最大級の蒸留酒のコンペティション
「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)」2023年焼酎部門で
最高金賞を受賞したという実力派の1本でもあります。
時が経つにつれて甘く芳醇になっていく理由は、黒麹のおかげといわれています。
泡盛は沖縄地方特有の黒麹菌の作用によって、
長く寝かせることで刺激香が消え、ほんのりとした甘みに。
黒麹菌は、酸度の高いクエン酸を生成するために
雑菌に強いという性質を持っているのです。
さらに米のでんぷん質を糖化する能力にもすぐれているために
アルコールの収得率も高いという利点も。
ウイスキーやブランデーとは異なり、蒸留後も時とともに甘みが備わっていくのは、
この特殊な黒麹の性質を生かしているためなのです。
8年、10 年、30 年の古酒は希少であるため、限定数での発売とのこと。
未知なるクース体験をぜひ。
information
八重泉酒造
Web:八重泉酒造ホームページ
*価格はすべて税込です。
Feature 特集記事&おすすめ記事