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posted:2023.5.8 from:長崎県長崎市 genre:食・グルメ
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
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writer profile
Ayumi Otaki
大瀧亜友美
おおたき・あゆみ●山形県出身。広告制作会社や出版会社での勤務経験を活かして、フリーライターへ転身。WEBや紙媒体で編集から取材、執筆まで幅広く行う。旅や料理、植物など心を豊かにしてくれるモノやコトが大好き。
近年のクラフト酒ブームから新たに注目を集めているお酒があります。
それは“どぶろく”!
どぶろくは日本酒と同じ原料でつくられ、もろみを濾す工程を経ないお酒のこと。
白く濁った見た目が特徴で、米の甘みが感じられる濃厚な味わいが魅力です。
どぶろくの起源は大変古く、一説によると
稲作とともに中国から日本に伝わったといわれています。
米からつくられる酒としてはもっとも歴史が長く、日本酒のルーツでもある存在です。
濾す工程のないどぶろくは、酒税法では「その他の醸造酒」に分類されることから、
清酒と比較して年間の最低醸造量の規定が少ないほか、
フルーツやスパイスなどの副原料が使えるなど特徴があります。
そのため、ここ数年で小規模の醸造所や、
老舗酒造が手がける新たなブランドなどが増えているんです。
そんなどぶろくを味わって楽しめるテーマパークのような醸造所が
長崎県の出島町に誕生しました。
日向勇人さんと咲保さんご夫妻が3月25日(土)に立ち上げた、
〈でじま芳扇堂(ほうせんどう)〉は九州初のどぶろく醸造所。
出島駅から徒歩1分の位置にある都市型の醸造所で、
アクセスしやすく、観光スポットとしてもおすすめです。
「世界に拓かれた扇のまち出島から、美しい日本文化を次世代へ」を理念とし、
酒蔵見学から、器の販売やお酒に合う食体験など、
日本の食文化にまつわるモノ・コトを提供しています。
オープン前には、パンやスパイス料理とどぶろくを楽しむ会や、
能楽など日本の伝統文化と掛け合わせたプレオープンイベントを開催。
今後も日本酒と絡めた各イベントを自主企画していくそうで、注目が集まっています。
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でじま芳扇堂は、「醸造」「飲食」「工藝」という
食にまつわる3つの分野を融合させた新しいスタイルの醸造所です。
〈さけBar〉では、どぶろくをはじめとしたお酒と
発酵おつまみとのペアリングが楽しめます。
女将の咲保さんが切り盛りする大人の社交場で、
心ゆくまでおいしいお酒を堪能しましょう。
〈うつわGallery〉では、晩酌や食事のシーンをより豊かにする陶磁器を展示・販売。
現代作家の作品を中心に、手仕事の美しさが光るこだわりの器を取り揃えています。
「酒づくりと器づくりは似ている」と話す代表の勇人さん。
どちらも自然の営みを相手にしているからこそ、
同じ風合いを目指したとしても絶妙に表情が異なり、
むしろそれが魅力につながるのだそうです。
素材や意匠、重さなどその個性はさまざま。
こちらでお気に入りの器を探してみてはいかがでしょうか。
5月20日(土)~5月29日(月)に開催される、
伊賀、信楽の穴窯の陶芸家・渡辺愛子さんの個展も注目です。
〈どぶろくBrewery〉はオープンファクトリーな建築にこだわりました。
酒造期間中は品質第一でどぶろくづくりに専念するため、
「蔵内への立ち入り見学は不可」となりますが、
ガラス張りのオープンな設計になっていることで外からの見学を楽しめます。
今後は地元の農家などとも連携し、
傷があって市場に流通できない野菜やフルーツなどを使った
どぶろくづくりを視野に入れているでじま芳扇堂。
チャレンジ精神豊富なでじま芳扇堂を訪れたら、
新しいどぶろくの可能性に出合えそうです。
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でじま芳扇堂
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