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posted:2022.6.14 from:石川県小松市 genre:旅行
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writer profile
Saori Nozaki
野崎 さおり
のざき・さおり●富山県生まれ、転勤族育ち。非正規雇用の会社員などを経てライターになり、人見知りを克服。とにかくよく食べる。趣味の現代アート鑑賞のため各地を旅するうちに、郷土料理好きに。
石川県小松市観音下町(かながそまち)。
小松空港から車で30分というアクセスのいい場所に
オーベルジュ〈Auberge “eaufeu”(オーベルジュ オーフ)〉が
2022年7月14日に誕生します。
かつて小学校だった建物をコンバージョンした施設です。
石川県の南部に位置する小松市は
日本三霊山のひとつ、白山と、日本海に囲まれています。
水と緑が豊かで、その約7割が里山です。
その名の通り観音像のお堂が現存し、伝説も残る観音下町は、
農作物、希少生物、木材、石材など里山資源が豊富な場所です。
さらに観音下は、日本遺産に認定されるほど石の文化がある場所。
観音下石切り場は、白山の噴火により形成された凝灰岩の切り出し場です。
大正時代以降、さかんに切り出しが行われ、
美しい色と耐火性から「日華石」の名で
国会議事堂など全国の有名建築に利用されてきました。
今も、高さ50メートル以上という圧巻の石壁が見られます。
豊かな自然と環境に恵まれた観音下は名水にも恵まれています。
きれいな水は地域の農作物や動物を潤わせ、
さらに日本海に注ぎ海と混じりあって、魚介類の命を育みます。
まさに水があらゆるおいしさを招く、知られざる食の秘宝のような土地です。
〈オーベルジュ オーフ〉では農産物、ジビエ、魚介類、山菜など、
おいしい水と豊穣な大地が育んだ四季折々の素材がレストランのテーブルを飾ります。
観音下にある貴重な地域資源を活用し、
地域の活性化を図ることが〈オーベルジュ オーフ〉の目的です。
“eaufeu”は、すべての素材における原点ともいえる水(eau)と、
エネルギーを生み出す火(feu)をつなぎ合わせて名付けられました。
地域のシンボルでもある美しい水に、
外からの火を灯すことで、新たな価値とイノベーションを巻き起こしていく。
そんな物語と想いが込められています。
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〈オーベルジュ オーフ〉で腕を振るうのは
1992年生まれの糸井章太シェフ。
フランス・アルザスや日本国内の名店で技術と感性を磨き
26歳のとき、日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35」で
史上最年少でグランプリを受賞。
その糸井シェフが新天地に選んだのが、観音下の地。
「今ここ」にある素材を当たり前に生かしながら、
自由な思考と感性で、皿に落とし込む料理をつくろうと
観音下の地に移り住みました。
〈オーベルジュ オーフ〉として生まれ変わる旧西尾小学校の建物は
平成30年3月に廃校となるまでの46年間もの間、利用されていました。
惜しまれつつ閉校した後も、懐かしい姿を地域にとどめていましたが、
廃校から約4年を経て、建物のシルエットやディテールはそのままに、
オーベルジュとして利用されます。
3階建の旧校舎は、客室のほか、カフェとレストラン、
ふたつのレンタルスペースを備えます。
12室ある客室は、教室はもちろん図書館、
音楽室として使われていた場所をコンバージョン。
客室やバスルームの窓からは、校庭や観音下石切り場や
田園風景などが望めるように設計されています。
宿泊者以外も気軽に立ち寄ることができるカフェでは
糸井シェフ監修の軽食がイートイン・テイクアウト可能。
ドリンクには、隣接する酒蔵、農口尚彦研究所が仕込み水に使う
霊峰白山の伏流水が使われます。
屋上はルーフトップテラスとして活用。
テイクアウトしたカフェのメニューを楽しみながら
美しい里山の景色を眺めることもできます。
過疎化によって惜しまれつつ閉校したかつての小学校を
利用した〈オーベルジュ オーフ〉。
地元の人々にとって大切なかつての学び舎で
豊かなで貴重な地域資源の活用によって
地域に新しい火を灯す場所になりそうです。
information
Auberge “eaufeu”(オーベルジュ オーフ)
住所:石川県小松市観音下町口48
客室数:12室
宿泊料金:2名1室利用1名26400円(税込・サ別)から
レストラン:土・日・祝 12:00~15:00(13:00LO) 木〜月及び祝日の火・水 17:30~22:00(20:00 L.O.)
カフェ:11:00~17:00
定休日:火・水(祝日の場合は営業)
*価格はすべて税込です。
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