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posted:2022.3.17 from:岐阜県高山市 genre:ものづくり
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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
1920年、飛騨で使い道のなかったブナの木を有効活用し、
曲木家具の製造を創めた〈飛騨産業〉。
それ以降、人々の生活を豊かにする家具を数多く生み出してきました。
今春、そんな飛騨産業と原研哉氏がタッグを組み、
新作家具シリーズ〈SUWARI(座り)〉が登場します。
名前の通り、あらゆる「座り」の営みを心地のいい風景に変える、
というコンセプトのもと、さまざまなかたちの椅子やテーブルが開発された本シリーズ。
SUWARIは日本の建築空間に通底する垂直水平のリズムに合わせ
垂直水平を意識した造りで、和の空間にも自然になじみ、ほどよく引きしめます。
脚下が畳ずり構造で床面への負担も小さく、重さもそこまでないので、
畳をはじめカーペットやフローリングの上でも使いやすいところも特徴。
総じて、シンプルですが、抜群の機能性を持ち、
日本の住空間にフィットするプロダクトに仕上がっています。
シリーズの目玉である椅子は、細身かつ強靱な国産の小径木を使い、最低限の素材で構成。
座面と背面を絶妙な反りと角度にし、小ぶりながら安定感のある座り心地です。
後方にわずかに反り返った座面と、第三腰椎にフィットする背板が、
背骨を自然なS字カーブに保ち、長時間座っても疲れにくいのもポイント。
また、奥行きが浅めで重心の移動をスムーズにでき、
体軸の近くに足を置けるので、上体を支えやすく腰への負担を軽減できます。
座り心地のよさはもちろん、起立や着座にも細やかに配慮された設計がすばらしいですね。
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SUWARIには正座椅子もラインナップしています。
正座が苦手な人も悠々と楽しめる設計で、底の程よい曲面のおかげで体重移動も楽々。
プロダクト自体も美しく、床に置かれた佇まいは独特の雰囲気を放っています。
原氏は今回のシリーズに関し、
「新しい日本のツーリズムを構想するうちに、こんな家具が絶対に必要になると気づき、
つくらせてもらえませんかと飛騨産業にお願いをしました。
靴を脱いで上がる空間の、清浄さ、繊細さ、緻密さに、
来訪者にはっと目覚めてもらう、そんな椅子とテーブルです。
垂直・水平の細やかなリズムに調和します。
計画中のホテル、改装中の旅館に吸い付くように収まり、
いい景色をつくるはずです」とコメント。
価格については、今春正式発表されるそうなので、
気になる方はぜひチェックしておきましょう。
information
飛騨産業株式会社
Web:公式サイト
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