温泉マークで キープ・ディスタンシング!? 別府発の〈&FLOW〉プロジェクト 寄付にもつながるマスク自販機が登場!

別府ならではのソーシャル・ディスタンシングマークが誕生

2020年、新型コロナウイルスの感染症が広がり、
日本有数の温泉地である大分県別府市も深刻な状況が続いています。

そんななか、日本人の大好きなあるものをモチーフにした
ソーシャル・ディスタンシングマークが誕生しました。それがこちら。

温泉マークの湯気を「人」に見立てて、感染防止のための適切な距離を伝える。

温泉マークの湯気を「人」に見立てて、感染防止のための適切な距離を伝える。

一般社団法人別府市産業連携・協働プラットフォーム〈B-biz LINK〉が
制作したこのマーク。

4月の緊急事態宣言以降、
「県を越えて手を取り合えるシンボルをつくりたい」という思いから、
〈B-biz LINK〉は別府のアイデンティティである
「温泉」をもとにロゴマークを考案。

さらにプロジェクトに賛同したクリエイターとチームの連携により、
5月1日に特設ウェブサイト〈&FLOW〉をリリースしました。

〈&FLOW〉の開設以降、別府市内の公立小・中学校の
教育現場や大分空港など、地域の人々の協力で
ソーシャル・ディスタンシングの啓発活動の場は広がります。

さらには別府市内のTシャツ業者さんがロゴマーク入りの
マスクやTシャツ、トートバックを制作。
それらの啓発グッズは現在、別府駅にある観光案内所
〈WANDER COMPASS〉で販売されています。

〈WANDER COMPASS〉で販売中の啓発グッズ。売上の一部は寄付される。

〈WANDER COMPASS〉で販売中の啓発グッズ。売上の一部は寄付される。

ちなみにこのロゴマーク、当初のキャッチコピーは
「KEEP DISTANCE」だったそう。
なぜ「KEEP DISTANCING」になったのでしょう?

〈B-biz LINK〉でコーディネーターを務める後藤寛和さんは、
プロジェクトのプレスリリース文の翻訳を別府市に住む方に
お願いしたときに、そのきっかけがあったと言います。

〈B-biz LINK〉の後藤さん(左)、翻訳を担当した別府市在住でイギリス出身のフランセスさん(右)。

〈B-biz LINK〉の後藤さん(左)、翻訳を担当した別府市在住でイギリス出身のフランセスさん(右)。

日英で記されたプレスリリース。右が「KEEP DISTANCE」を使用した当初のロゴマーク。

日英で記されたプレスリリース。右が「KEEP DISTANCE」を使用した当初のロゴマーク。

今回、翻訳を行ったフランセスさんはこう話します。
「“KEEP DISTANCE”は、近づかないで! という命令形です。
“KEEP DISTANCING”にすることによって、一緒にやろう、
がんばろうというニュアンスで勇気づける、みんなで一緒に
やろうという前向きなメッセージに変わります。
プロジェクトの本来の意味を考えたとき、
ポジティブなメッセージを届けたいと思いました」

海外からのツーリストも多く訪れ、100か国もの外国籍の人が暮らす別府市。

後藤さんは、「国際色豊かな別府市だからこそ、
ここから世界へ発信することに意味があります。
身近な人たちがアドバイスをくれ、プロジェクトの思いに
共感してくれてうれしい」と話します。

別府から宮崎、そして九州へ。自販機でつながる思いやり。

各飲料メーカーの自販機が並ぶ〈高原ミネラル〉の本社。

各飲料メーカーの自販機が並ぶ〈高原ミネラル〉の本社。

別府市で始まったこの啓発活動が県外に広がっていると聞き、
宮崎市を訪ねました。

宮崎市に本社を置く〈高原ミネラル株式会社〉は、
自動販売機総合オペレーターという自販機の設置から補充、
メンテナンスなどをトータルに行う会社です。

宮崎市の西橘通にあるマスク自販機前で、マスクを手にする〈高原ミネラル〉専務の成松さん(左)

宮崎市の西橘通にあるマスク自販機前で、マスクを手にする〈高原ミネラル〉専務の成松さん(左)

〈B-biz LINK〉の行う啓発活動に賛同した
〈高原ミネラル〉専務の成松敬子さんは、
「自販機を通してなにか社会の役に立てないか」と、
社長や社員のみなさんと共に新しい試みにチャレンジ。
〈アサヒ飲料株式会社〉と〈大塚ウエルネスベンディング株式会社〉の
協力を得て、ロゴマークがデザインされた
「ソーシャル・ディスタンシング自販機」を別府市・宮崎市・福岡市に設置。

さらに九州各地にある2社の自販機10,000台に、
啓発ステッカーを貼る許可が下り〈高原ミネラル〉の
従業員の方たちによって日々ステッカーを貼っていったのだそう。

8月から2ヶ月ほどをかけてステッカーを自販機に貼る作業が進められた。

8月から2か月ほどをかけてステッカーを自販機に貼る作業が進められた。

そして、自販機でマスクを販売することも決定!
「マスクは缶に入れて販売できる?」
「マスクの品質やオペレーションに問題なく販売するには?」など、
管理の仕方や箱の形状・重さなど、これまでにない課題が飛び出し、
その都度手探りで進めていったといいます。

試行錯誤の結果、「マスク自販機」がついに誕生!
現在、以下4か所で稼働中です。

【マスク自販機設置場所】
・別府温泉 テラス御堂原(別府市堀田5組)1階フロント前
・高原ミネラル(株)西橘通販売店(宮崎県宮崎市橘通西3丁目5-5)
・福岡県福岡市博多区祇園町8-12「ウェルビー博多」下(キャナルシティ博多側)
・福岡県福岡市博多区寿町2-1-5「石村ビル」前 自動販売機

マスク(M/L)1,000円(税込)に入浴剤も付いている。

マスク(M/L)1,000円(税込)に入浴剤も付いている。

人と対面することなく自販機でマスクが買えるとあって、
マスクの売れ行きは好調とのこと。マスクの売上の一部は
「別府市新型コロナウイルス感染症おもいやり基金」に寄付されます。

〈高原ミネラル〉では以前から「おぎゃー献金基金」
「ピンクリボン」などさまざまな寄付金つき自販機を取り扱っており、
今回「ソーシャル・ディスタンシング自販機」も新しく仲間入り。
社会貢献のできる自販機に興味のある事業者の方はぜひ問い合わせを。

「今回の取り組みは飲料メーカーさまのご協力なしには
実現できなかったことです。また社内の理解もあり、
社員のみなさんの日々の努力で進められたこと。
お客さまに喜んでもらえればうれしいです」と語る成松専務。

普段の生活で誰もが気軽に利用できる自販機だからこそ、
支援や寄付がぐっと身近に感じられますね。

別府から始まった〈&FLOW〉プロジェクト。
立ち上った熱い“思い”は、あたたかい“思いやり”となって伝わり、
さまざまなかたちで広がっています。

〈B-biz LINK〉の後藤さんは、
「九州のみならずコロナ禍で影響を受けて困窮している
全国の温泉地へ、そして世界へ活動を伝えていけたら」と話します。

「離れていてもあったかい。」

今後どのような広がりをみせるのか、まだまだこの活動から目が離せません。

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&FLOW 

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一般社団法人別府市産業連携・協働プラットフォーム B-biz LINK

住所:大分県別府市末広町1−3 南部児童館 西棟2F

TEL:0977-76-5205

WEB:https://www.b-bizlink.or.jp/

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高原ミネラル株式会社

住所:宮崎県宮崎市花ケ島町北沖630番地2

TEL:0985-36-3280

WEB:https://kougen-m.com/

writer profile

林 真世 Mayo Hayashi
はやし・まよ●福岡県出身。木工デザインや保育職、飲食関係などさまざまな職種を経験し、現在はフリーランスのライターとして活動中。東京から福岡へ帰郷し九州の魅力を発信したいとおもしろい人やモノを探しては、気づくとコーヒーブレイクばかりしている好奇心旺盛な1984年生まれ。実家で暮らす祖母との会話がなによりの栄養源。

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