news
posted:2020.9.28 from:大阪府 genre:アート・デザイン・建築
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
アートとサイエンスとテクノロジーを柔軟に連携させ、
これまでになかった研究と教育を行う大阪芸術大学アートサイエンス学科。
2018年11月に誕生したこの学科の新校舎は、
建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を日本人女性で初めて受賞した、
日本が誇る世界的建築家の妹島和世さんが手掛けました。
妹島和世(せじまかずよ) 建築家。1956年茨城県生まれ。1981年日本女子大学大学院家政学研究科を修了。1987年妹島和世建築設計事務所設立。1995年西沢立衛とともにSANAAを設立。2010年第12回ベネチアビエンナーレ国際建築展の総合ディレクターを務める。日本建築学会賞*、ベネチアビエンナ ーレ国際建築展金獅子賞*、プリツカー賞*、芸術文化勲章オフィシエ、紫綬褒章などを受賞。現在、ミラノ工科大学教授、横浜国立大学大学院建築都市 スクール(Y-GSA)教授、日本女子大学客員教授、大阪芸術大学客員教授。*はSANAAとして。
10月3日(土)より渋谷のユーロスペースより順次全国で公開される
映画『建築と時間と妹島和世』は、
そんな新校舎が完成するまでを記録したドキュメンタリー。
監督・撮影はホンマタカシさんが担当しています。
「国立競技場の時も、競技するけど、それで閉じるんじゃなく、もうちょっとまちに繋がっていく競技場がないかっていうのをやっていました。ここも高橋先生の立派なキャンパスがあって、でもそのキャンパスを見るとすごく、コンクリートの建物と、その間の庭や何かが色んな断面計画をされているので、その延長に、だんだん少しづつつながっていけるようになったらいいな、と思っていたんですけどね。形はぜんぜん違うけど。だからランドスケープ的なモノができたら良いなと思って」(妹島さん)
Page 2
この校舎に妹島さんが込めた思いは、
誰もが立ち寄れる、見晴らしのよい丘の上の「公園のような建物」。
校舎を設計・建築するにあたり、以下の3つがキーとなっているといいます。
ひとつは、建物が立つ「丘」に合せた外観であること。
周辺の環境と美しく調和する、有機的なフォルムを導き出しました。
ふたつめは、建物が「開かれている」こと。
さまざまな方向から出入りでき、 さまざまな方向への視界が確保できるような、
内と外との自然なつながりを実現しました。
最後は、そこが人々の「交流の場」となること。
誰もが立ち寄れる、見晴らしのいい丘の上の「公園」としました。
新校舎の構想から完成までに掛かった年月は3年6か月。
映画では、その期間にひとりの建築家がひとつの建築に向き合う姿を鮮明に描き出していきます。
また、音楽はジャズ・ドラマーの石若駿によるもの。
King Gnuの前身となったSrv.Vinciの元メンバーで、
くるりのサポートメンバーとしても活躍している彼が手掛けた心地よい音楽が、
全編を通して流れます。
いつもおしゃれな妹島さんのファッションも、見所のひとつ。
さまざまな角度から楽しめる本編を、ぜひ劇場でご覧になってみてください。
ポスターデザインはグラフィックデザイナーの長嶋りかこさんが担当。
information
映画『建築と時間と妹島和世』
Architecture, Time and Kazuyo Sejima
監督・撮影:ホンマタカシ
出演:妹島和世
製作:大阪芸術大学
配給:ユーロスペース
公式ウェブサイト:https://kazuyosejima-movie.com/
Instagram:@kazuyosejima_movie
Twitter:@SejimaK_movie
Copyright 2020 Osaka University of Arts. All Rights Reserved.
2020年/日本/カラー/16:9/60分/英語字幕付き
Feature 特集記事&おすすめ記事
Tags この記事のタグ