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posted:2019.10.23 from:北海道札幌市 genre:アート・デザイン・建築
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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
credit
撮影:カワジリ・リョウイチ ※ベンチの画像のみ職員が撮影
札幌の多様な文化芸術活動の中心的な拠点として、
そして市民の仕事やくらしに関する課題の解決を支援し、
多くの人が交流する場として機能することを目的に誕生した、
劇場、文化芸術交流センター、図書・情報館の
3つの施設からなる〈札幌市民交流プラザ〉。
今年、同施設が開館1周年を迎えるまでの、
10月4日(金)~6日(日)の3日間、
〈PLAZA FESTIVAL 2019〉というイベントが開催されました。
このイベントではRhizomatiks Researchと
演出振付家MIKIKO率いるダンスカンパニー・ELEVENPLAY、
アーティストのKyle McDonaldによるテクノロジーとアートを融合した
先進的パフォーマンス作品〈discrete figures Special Edition〉の上演や、
音楽ライブ用の音響セッティングをフルに使い、
かつてない大音量の中で、『バーフバリ 王の凱旋 <完全版>』、
『グレイテスト・ショーマン』、『パプリカ』、
『デス・プルーフ in グラインドハウス』を観る〈札幌爆音映画祭〉など、
五感を刺激する現代的なアートコンテンツがギュギュっと集結。
札幌にアートな風を吹かせた3日間となりました。
そのなかでも、ひときわ目を引いたのが、
〈札幌文化芸術交流センター SCARTS〉で開催された、
札幌のまち・ひと・公共施設をつなぐ参加・体験型のアートプロジェクト
〈Collective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-〉です。
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この〈搬入プロジェクト〉とは、劇団〈悪魔のしるし〉が、
ある空間に入らなさそうでギリギリ入る巨大な物体を設計・製作し、
それを文字通り“搬入”するパフォーマンス作品。
2018年に著作権を放棄して、
作品を完全にパブリック・ドメインにしたというプロジェクトです。
今回の〈Collective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-〉は、
このコンセプトを地元メンバーがアレンジし、
「まちの公共空間における管理ルールのギリギリを搬入する」
というテーマで実施されました。
10月3日(木)には、地下鉄・市電(路面電車)・地下街を使って、
真っ白で巨大な作品ピースをプラザまで搬入し、
それを高さ7メートルまで積み上げ、人々が憩う居場所が制作されました。
その後10月14日(月・祝)に解体し、10月27日(日)までベンチとして
プラザ内に点在されています。
少し前まで巨大なインスタレーション作品として展示されていたものが、
形を変え、今は施設のベンチとして機能しているとは、なかなかおもしろい試み。
札幌らしく、真っ白なピースは、雪のようにも見えますね。
そして、人の移動手段である
地下鉄・市電(路面電車)・地下街などを用いて巨大なピースを運んだというのも、
その土地に根ざしたアートプロジェクトの意味をひしひしと感じます。
こちらのサイトにて、プロジェクトの過程がまとめられているので、
気になる方はぜひチェックしてみてください。
information
Collective P -まちとプラザをつなぐ搬入プロジェクト-
会期:2019年10月3日(木)~10月27日(日)
会場:札幌文化芸術交流センター SCARTS
住所:札幌市中央区北1条西1丁目 札幌市民交流プラザ
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