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posted:2018.7.24 from:岡山県岡山市 genre:食・グルメ
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writer profile
Saki Ikuta
生田早紀
いくた・さき●インディペンデントな広告会社『ココホレジャパン』の新米アシスタント。生まれも育ちもド田舎の27歳。やばい芋ねえちゃんとして青春時代を過ごす。その野暮さは現在も健在! さりげなく韻を踏むことが生業です。
惜しまれつつも2016年に閉店した、大正時代創業・岡山のかき氷屋
〈カニドン〉が、今年の6月に復活しました!
岡山ではなじみ深い、ミルク金時の略称である「ミル金」の発祥となったのがこちらのお店。
ミルク金時は、ガムシロップのかけられたあんこ入りのかき氷に、
かつて岡山にあった第六高等学校の学生さんたちがコーヒーフレッシュを
かけたことが始まりなんだそう。
大正・昭和・平成にかけて岡山で愛された〈カニドン〉は、
とある事情で2016年の夏を目前に閉店。
復活が望まれるなか、今回5代目としてお店を引き継いだのは
女性店主の水島さん。
創業者は水島さんのお祖父さま、2代目店主はお父さまが務めたそうです。
再オープンする1番の理由は「自分がやりたかった」からと水島さん。
だいすきな父がお店で働く姿、〈カニドン〉の娘だということへの誇り。
「いつかは私が」と思ううち、巡り合わせが重なってお店を継ぐことに。
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〈カニドン〉のミル金は黄色味がかったミルクシロップが特徴的。
どこか懐かしい秘伝の味が、ふわふわの氷とよく合います。
いちおしは、底に隠れているあんこ。
お祖父さまの代からずっと受け継がれているもので、
現在は地元のあんこ職人さんにその味を再現してもらっています。
60代以上の女性が多く訪れ、「またお店を開けてくれてありがとう」と
感謝されることが多いそう。
感極まって涙を流すお客さまもいるのだとか。
「昔、お母さんと一緒に来たの」「学生時代に友だちとよく来ててね」
「最期に母が食べたいと言った味で……」それぞれのお客さまが、
カニドンにまつわるすてきな思い出を持っています。
ここにくると、そのあたたかい記憶が一気に蘇るようです。
「昔はワニがいたよね」「2階にはこんなふうに……」
水島さんの知らない姿を教えてもらうこともあるそう。
「小さい子がお母さんに連れてきてもらって、その子が大人になったときに
『子どもの頃母と一緒に来ました』ってまた懐かしんで来てくれたら
うれしい」と水島さん。
入れ替わりが多い飲食店。そのなかで90年超「親から子へ、子から孫へ」
思い出とともに何代も岡山の家族に寄り添ってきたお店へ、
ぜひ訪れてみてはいかがでしょう。
information
カニドン
住所:岡山県岡山市北区表町2-2-40-2
営業時間:9:00〜17:00
定休日:火曜
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