カフェ&クリエイティブスペース 「PUNTO PRECOG」

さまざまな人が集まる拠点として。

カフェ、クリエイターの制作や滞在場所、オフィスなど、
さまざまな人の交流拠点として、2012年にオープンした「PUNTO PRECOG」。
建築家の仲野安紗さんと「precog」代表の
中村茜さんのプロデュースにより誕生したスペースだ。
中村さんは、横浜出身。
震災以降、地方に仕事の拠点を構えたいという想いから活動場所を探し、
独特の建物が連なる雰囲気に惹かれて現在の店舗に決めた。
「別府で興味深いのは、温泉で繋がるコミュニティ。まるで井戸端会議みたい」
と中村さん。人との距離が近いからこそ起こる出来事は、ワクワクするという。
「『PUNTO』もそういう場所であってほしい。
さまざまな交流が生まれる、まちの温泉のように」

食と風景の設計室HOO.の、 食べられるインスタレーション「発酵する部屋/fermentation room」展示風景(2012年10月)。

現在はショップや展覧会など、さまざまな企画が不定期で開催されている。
この場所で何かをやってみたい人、場所を使ってみたい人を随時募集中だそう。

現在は、大分は耶馬渓焙煎工房の珈琲を別府で唯一飲める珈琲喫茶「コーヒーは椋木」を開催中(2013年8月11日まで)。

冷麺の名店「六盛」

別府冷麺の味をいまに伝える王道店。

昼どきになると行列ができる冷麺専門店。
順番待ちの紙に名前を書いた人たちが公園でくつろいでいる。
ようやく店内に入ると、親子連れや仕事の合間の食事など、
幅広い世代のお客さんが席を埋めていた。
かつて松原公園の近くにあった「大陸」という冷麺店。
当時、全国的には知られていなかった冷麺だが、
「大陸」の冷麺を食べた別府っ子はみんな大好きになったそう。
転勤などで別府の地を離れて行った人も、忘れられずにその店を訪れていたとか。

「六盛」の冷麺は、およそ40年前、
「大陸」で食べた味を再現しようと試行錯誤して作ったのだそうだ。
「どうしたら美味しくなるか常に考えるんですよ。
この冷麺を作るときも、醤油の配合だとか塩の塩梅、
いろいろ試してみたけど、やっぱりシンプルな味がいいね。
キャベツのキムチも酸味が効いてて、歯ごたえがいいでしょ? 
ほかんとこは豚のチャーシューやけど、ウチは牛の油っけがない所を使ってるんよ」
六盛の冷麺は、さっぱりとしているけれど奥深く、食べ進めるほどに後を引く。
昼の営業時間が終わる前にスープが切れてしまい、
閉店してしまうこともたびたびあるという。
息子さんが切り盛りしている北浜のお店は夜7時からの営業で、小盛りの冷麺が人気。

創業60年の洋食屋「グリルみつば」

祖父の代から続く、懐かしい味。

別府でいちばんと言われていたレストランや
米軍キャンプのキッチンで腕を磨いたおじいちゃんが、
気軽に多くの人が訪れる洋食のお店を作りたいと開いた
オープンキッチンスタイルの「グリルみつば」。
カウンター席だけのこぢんまりしたお店は、奥のお客さんが席を立つたびに、
ほかのお客さんが立って道を空ける。
ようやく入れた人気のお店は、隅々までピカピカに磨き上げられ、
温かで、いい匂いに満ちている。

昭和28年の開店当時、洋食を食べに出かけるのは晴れの日にというお客さんが多く、
目の前でできあがる料理にみんな目を輝かせていたという。
吟味を重ねた食材を、手間を惜しまずに調理した料理を味わってほしいという
おじいちゃんのお店には、その味に惚れ込んだお客さんが長く通ってくれるという。
山本さんは、おじいちゃん、お父さんの後を追うように料理の道に入った。
創業以来、地元のお店とつき合いを続けていたり、
冷凍庫が普及していない時代と同じように、
地元の新鮮な野菜や肉を仕入れて、すべてを料理に使いきる。
「頑固なところも継いじゃいました」と山本さん。
おじいちゃんの味を変えることなく守り続けるお店には
「昔の洋食が食べたい」というお客さんが多く訪れる。

新鮮な海の幸がたっぷり 「海鮮いづつ」

鮮魚店ならではの贅沢な海鮮丼。

お客さんが絶えない活気ある店内の生簀には
ふぐに車えび、たくさんの魚がゆうゆうと泳いでいる。
いづつは、もともと魚屋さんだったお父さんと
板前の息子さんのふたりが板場に立っている。
「やっぱり別府の魚は親父の方が詳しいです」
セリでお父さんのお眼鏡にかなった魚を
息子さんがどう調理するか考えるのだという話を照れくさそうにしてくれた。
お互いかけがえのない存在なんだろう。

出来上がった海鮮丼はすし飯が見えないくらいに海鮮がのった贅沢な丼。
「仕入れによって中身は変わるけど、たいてい12~13種類、
すじのいいのが多いときには20種類くらいのるときもあるよ」
醤油をかけるのではなくつけながら食べるのが、
ひとつひとつの魚の味を楽しめる食べ方なのだという。
お吸い物と小鉢がふたつもついて980円。
別府グルメを味わうには欠かせない逸品だ。

日本人に合った韓国料理 「高麗房」

元気なご夫婦が作る、元気が出る料理。

「ウチはにんにく料理の店だから。スタミナ料理ね。健康重視なの」とマスター。
医食同源の考え方で、ビタミンやたんぱく質、にんにく、ねぎ類を
バランス良く提供し、お客さんの体調や年代にあわせて、
その人の体に必要なものが食べられるよう料理を考えるのだそうだ。
若い子は豆腐サラダとか喜ぶかなと思って出したりね、
と隣で片づけをしていたママも会話に加わる。
ふたりは自宅でも野菜を中心に、にんにくや唐辛子を毎日食べているそう。
疲れがひどいときには、朝鮮人参や豚肉、蜂蜜を食事に加えると元気が出るという。

胃がもたれることが多いと話すと、出てきたのは水キムチ。
「大根と一緒に汁まで食べたら元気になるよ」という言葉を受け、
残さず食べると、数分後には胃が温まってくるのを感じた。
冷たいものばかり口にしていると、体が冷えて胃の動きも悪くなるからと、
体の調子を整える料理を出してくれるのがありがたい。
「本場の味を再現しても、その国、その国に食べ慣れた味があるからね、
100%再現しても、食が進まないの。だから日本人の舌に合わせなきゃ駄目だね」
と、にんにくを使用した本格的な韓国料理は辛さはそのままに、
しかし、日本人が美味しく食べられるように工夫しているそうだ。
「蒸し豚」は一度食べたらやみつきになる絶品。キムチや野菜と一緒にどうぞ。

紅茶と焼き菓子の店 「Tea Room Cozy Corner」

手作りの焼き菓子はやさしい味。

木のドアを開けると、ふわりと焼き菓子のいい香りが漂ってきた。
そしてカウンターの向こうにいらっしゃったのは、
意外にも男性のご主人、村谷さん。
「紅茶の好き嫌いはある?」と、
生まれて初めて受ける質問にちょっとびっくりしていると
「香りがついた紅茶が苦手という方はいるね。
例えばアールグレイはベルガモットの香りがついているんだよ」と、
出てくる出てくる、紅茶のあれこれ! 
聞けば、仕事の関係で扱うようになった紅茶を、
本を見ながらちゃんと淹れてみて、その美味しさにびっくりしたのだとか。
「家で奥さんに淹れたら、おいしい! と褒められてね。うれしくなっちゃった」

紅茶といえば、ということで作りはじめた焼き菓子は、
ビンに詰めて置いておくと子どもたちがあっという間に食べてしまったそう。
「こんなに美味しいのだから」と、周りに後押しされるようにしてオープンしたカフェ。家族に喜ばれた紅茶と焼き菓子は、とてもやさしい味がした。

温泉地ならではの食が楽しめる 「地獄蒸し工房鉄輪」

地の食材を温泉の蒸気で蒸す「地獄蒸し」。

温泉の高温の蒸気で食材を蒸す、鉄輪(かんなわ)ならではの調理法
「地獄蒸し」を気軽に楽しめる施設。
塩気のある温泉の蒸気で蒸された食材は、ほんのり塩味が染み、
素材の味が凝縮されている。食材は持ち込みも可能。
工房内でも購入できるけれど、地元の八百屋さんや魚屋さんをめぐり、
食材を探すのもおすすめ。蒸し時間は食材によって異なる。
待っているあいだに、併設の足湯を楽しんではいかが。

大分の名物料理が味わえる 「味のあなば」

二人三脚でつくりあげた人気店。

駅前通りを挟んで、商店街とは反対にある通り沿いに、
手書きのメニューが貼られた賑やかな外観のお店がある。
「あなば」は明るいママと、料理一筋のマスターがふたりで営むお店。
もともとは旅館の女将をしていたママが、旅館を畳む際に、
それまで使っていた器や調理器具を引き続き使えるようにと2006年に始めた。
もともと料理好きだったマスターが、本格的に料理の道へ進んだのは
大学時代に友人に誘われたのがきっかけ。
親の反対を押し切り、通っていた大学も辞めて進んだ道は険しかったという。
料理人として独り立ちしてからは、京都や小倉でさらに腕に磨きをかけた。
別府に戻ってきてからも、さまざまな厨房を助っ人として渡り歩き、
ひとりでは大変で困っていたママを助けることに。

「仕事は手を抜かずにきっちりとやりたい」というマスター。
口調が厳しくなることもあるけれど、ママは明るく笑い飛ばす。
常連さんはそんなふたりのやりとりを、また始まったか、と笑うのだそう。
メニューは大分名物「とり天」などの一品料理から定食までさまざま。
旬の魚介や野菜をふんだんに使った料理がおよそ10品と、
ドリンクが2杯ついた「晩酌セット」(2000円)はおすすめ。

まちのコミュニティカフェ 「platform03 ぷらさん」

月曜日は地元の野菜を使ったランチも。

中心市街地の活性化を目的とする、別府市中心市街地活性化協議会が、
家主の協力のもとにリノベーションを行い、活用しているスペース「platform」。
platform03は4月にリニューアルし、
アンテナスペース、カフェ&フリースペース「ぷらさん」に。
毎週月曜日は「鮎返りの後藤さん」が棚田で育てた野菜を中心に
「畑かふぇ」(ランチの日)を開催。
カフェのほかにもレンタルスペースやプリントサービス(登録会員制)、
デザイン相談所など、地域に身近で優しいフリースペースになっている。

別府伝統工芸の技 「platform07 別府竹細工職人工房」

別府に息づく、ものづくりの現場を見学。

中心市街地の活性化を目的とする、別府市中心市街地活性化協議会が、
家主の協力のもとにリノベーションを行い、活用しているスペース「platform」。
platform07は、竹細工職人の制作風景を見学できる「別府竹細工職人工房」。
竹でできたベンチに腰掛けてじっと見学していると、
作業場の下に竹がたくさん置かれているのが目に入った。
流し場には、細くなった竹が水に浸されている。
「まず、竹をカットするところからはじめるんですよ」
小林さんが竹割り包丁を押しつけると、想像していたよりも簡単に、
竹がすーっと裂かれていくことに驚いた。
「見た目よりも、簡単に裂けるんですよ。
力が要らないから、竹職人は女性に向いているのかも!」

でも、ケガをしてしまうこともあるからと、
小林さんの指には緑のテープが巻かれていた。
ところどころ赤くなっているその手は、たくさんの作品を生み出してきた、
まさに「職人の手」。小林さんは、
「竹が大好きですね。もっと色んな人に良さを知ってほしい」と笑う。
職人によるさまざまな作品も購入できる。

高架下のカフェ&ギャラリー 「CUE CAFE+」

若手アーティストの作品を展示するカフェ。

別府駅から徒歩3分程のところにある北高架商店街。
入口角にある「cafe & gallery CUE CAFE+」は2011年4月にオープンした。
駅から少し歩くこのガード下は、店長の木部さんのご主人が、
小さい頃におばあちゃんが連れて歩いてくれた思い出の場所だったのだとか。

それまで木部さんが就いていた仕事は介護職。
「もっと人と深くつき合ってみたかったんです。
カフェでは空間と時間を一緒に過ごすことで、それができるかなって」
地元の若手作家を応援したいという木部さんのもとには、
さまざまなアーティストたちが集まってくるので、情報発信の場ともなっている。
そのときどきによっていろいろな展示が行われているので、
お茶を飲みながら気軽にアートを楽しんではいかが。

新たな劇場に生まれ変わった 「永久別府劇場」

元ストリップ劇場を、芸術文化を発信する劇場に。

2009年に閉館した元ストリップ劇場「A級別府劇場」を、
ダンスや音楽イベントなどが開催できる劇場としてリニューアル。
建築家グループ「みかんぐみ」が、市民の意見を採り入れながらリノベーションし、
2012年に再生。同年の「別府現代芸術フェスティバル2012 混浴温泉世界」では、
パフォーマンスプロジェクト「混浴ゴールデンナイト!」の会場となった。
ステージや客席の一部はストリップ劇場だった頃のまま。
一般的な劇場とはステージとの距離感や視点が異なり、独特の感覚が味わえる。

「混浴温泉世界」で永久別府劇場のプロジェクトを手がけたキュレーター佐東範一さん。

古くからの別府の入口 「別府国際観光港」

アーティストによる巨大壁画が旅人をお出迎え。

「別府国際観光港」の2階に上がると、
目の前に広がる壁画があまりに鮮やかではっとする。
この壁画は「別府現代芸術フェスティバル2009『混浴温泉世界』」で
マイケル・リンというアーティストが制作した作品で、
平成24年度版中学校美術科教科書(日本文教出版株式会社)にも掲載されている。

外に停泊していた船は、横腹に大きな太陽が描かれていた。
港に入港するフェリー「さんふらわあ」は、
大阪から太陽と共に別府へやってきて、夕方沈む太陽を連れて去っていく。
マイケル・リンもその姿を美しいと思ったのだそう。
広場のように開かれた場所だから、旅人も地元の人も訪れることができる。
訪れた人たちが共有できる波と花の記憶。
壁画は今日も多くの人を迎え入れ、見送っている。
対となる作品が、「platform04 SELECT BEPPU」に展示されているので、
そちらもどうぞ。

女性向けのくつろぎ宿「花べっぷ」

洗練された和モダンの宿でリラックス。

2012年にリニューアルオープンした花べっぷ。
女性をターゲットに、別府の特産である竹工芸のあしらいを随所に配し、
現代的だけれど、どこか懐かしい雰囲気のお宿。
フロントで「おかえりなさいませ」と出迎えられるのもうれしい心遣い。
お料理には大分を中心とした九州の食材をふんだんに使用。
温泉は露天風呂からミストサウナがある大浴場まで、どれもゆったり楽しめる。
竹細工の体験ができる宿泊プランも。

昭和の面影を残す宿「山田別荘」

懐かしさとあたたかみのある温泉宿。

昭和初期に建てられた別荘を宿に。
女将の曾おじいさんは北海道で働いていて、
温暖な気候と温泉が気に入ってよく別府を訪れていた。
寒い地での生活で体調を壊した曾おばあさんのためにこの別荘を建てたのだという。
その後「くつろぎの温泉宿 山田別荘」を営むようになったそうだ。
「古い建物がいいって皆さん言ってくれますが、古いだけあって冬場寒かったり、
段差が多かったり、大変なこともあるんですよ」

築80年以上の建物を維持し続けるのは、苦労もあり悩んだ時期もあったそうだ。
「曾おじいさんが、この別荘を建てたときも
当時の最先端のものを集めて作ったんだから、いまの時代の便利なものを取り入れて、
残すべきところは残すっていう選別が少しずつできるようになってきたかな。
普段と違う時間の流れ方を感じられる空間にできたらいいな」と女将。
お料理は旬の食材を使った滋味豊かな地料理。温泉はもちろん天然温泉。
宿泊客以外でも入浴できる(入浴できない日もあるので要確認)。

歴史ある湯治宿「大黒屋」

地獄蒸しも味わえる情緒あふれる自炊宿。

100年以上の歴史がある貸間「大黒屋」。
女将の安波(やすなみ)照美さんは大分県由布市の出身で、
いまから35年前に結婚と同時にご主人の実家「大黒屋」がある
鉄輪(かんなわ)に身を置くようになった。当時は農業に従事しながら
「貸間」と呼ばれる自炊宿を営む家庭が多かったそう。
「観光客の下駄の音が凄くてね。
ここは表通りから少し入ったところだけど、よく響いていていたわ」
好きな人と一緒だったから楽しくて、環境のギャップは感じなかったと笑う安波さん。

「大黒屋」の庭には、「地獄釜」と呼ばれる釜がいくつも並べられていた。
これは温泉の泉源から噴出する高温の蒸気を利用したかまどであり、
鉄輪の人の生活の一部になっている。
「ポテトサラダとかおでんとか、いろんな料理に釜を使うのよ。
まだ道がコンクリートや石じゃなかったころは、
子どもたちが地面を棒で掘って蒸気を出して、サツマイモを埋めていたんですって」
敷地内は、場所によっては下に温泉管が通っているそうで、
立っていると足裏がじんわりと温かくなっていくのを感じる。
「冬になると、猫がずらっとここで寝転ぶのよ」
宿泊者は自由に地獄釜を使用することができる。
昔ながらの貸間スタイルで泊まってみるのもいい。

アート作品に泊まる「浜脇の長屋」

アーティストの作品が宿泊施設に。

別府現代芸術フェスティバル2012「混浴温泉世界」の
廣瀬智央さんのプロジェクト「天空の庭」と「カボスの家」が、
宿泊施設としてオープン。
この作品は、別府温泉発祥の地といわれる浜脇地区の、
築100年以上経つ長屋を、廣瀬さんが作品化したもので、
場所に蓄積された記憶をめぐるインスタレーション。
お風呂はないが、すぐ近くに市営の温泉も。
宿というよりは宿泊ができるアート体験、
と言ったほうがいいかもしれないが、特別な体験ができそう。

別府のいいものを 集めたセレクトショップ 「platform04 SELECT BEPPU」

別府のロングセラーからオリジナル商品まで。

中心市街地の活性化を目的とする、別府市中心市街地活性化協議会が、
家主の協力のもとにリノベーションを行い、活用しているスペース「platform」。
platform04は、西法寺通りにある
築100年の長屋を改装して作られたセレクトショップ。
別府にゆかりのある作家・職人の作品や、
SELECT BEPPUと作り手がアイデアを出し合ってひとつひとつ作り上げた、
長い間大事にしたくなるようなモノを取り扱う。
別府のまち・お店・作り手・手に取る人、さまざまなご縁でつながれていくモノと人。
たくさんの人たちの手を経て、長い間愛される商品が、別府の地に根づいていく。
旅の記念に、またおみやげに、きっと気に入ったものが見つかるはず。

2階ではマイケル・リンの襖絵が鑑賞できる(鑑賞料200円)。

創業90年を超える老舗 「別府つげ工芸」

代々受け継がれてきた匠の技と心。

別府つげ工芸が安藤一平さんにより創業されたのは大正8年。
この頃はとにかく物が良く売れた時代で、
一平さんの作品はひとつもお店に残っていなかったのだとか。
先代から学んできたこと。それは、
「いつも心は穏やかにものづくりに向き合うこと。
心が乱れていると、必ず跳ね返ってくる。大切なことは、つげから学んだ。
きっとみんなそうだったんじゃないかな」
4代目の寿章さんの言葉に、3代目の父・康男さんも深く頷く。

おすすめは、独自の彫刻技術を駆使して作られた「つげブラシ」。
つげの櫛はよくあるが、ブラシは全国でも珍しい。
静電気を抑えて髪にツヤと潤いを与えるすぐれもの。

天然の入浴剤「湯の花」 製造直売所「明礬 湯の里」

温泉も買い物も楽しめるスポット。

明礬大橋をくぐり、さらに坂をのぼると次第に硫黄の香りが漂ってくる。
大きなカーブを曲がった先には、愛らしい茅葺き屋根が立ち並んでいる。
これは温泉の成分から作られる天然の入浴剤「湯の花」を製造する
「明礬 湯の里」の「湯の花小屋」。
江戸時代から引き継がれる湯の花作りの技術は貴重なもので、
重要無形民俗文化財にも指定されており、湯の花小屋の見学も無料でできる。

ここの魅力は、昔ながらの技法で作られた湯の花をはじめとするおみやげが豊富なこと、
名物が食べられること、そしてなんといっても温泉だ。
高台にある見晴らし抜群の露天風呂は、湯に浸かるとじんわりと身体が温まり、
その湯の色がより贅沢な気分にさせる。
湯あがり肌はもちろんつるつるすべすべ。
話が尽きない女友だち同士の旅行には、こんな温泉がぴったり。
また湯の花が配合されたコスメシリーズは、肌に悩みを持つ人にとって心強い味方。
旅のおみやげに喜ばれそう。

別府の代表的なお菓子 ざぼん漬専門店「三味ざぼん店」

宝石のような輝き。

寒い時期になると、「三味ざぼん店」の厨房には
朝早くから夜遅くまで明かりが灯り、甘酸っぱい爽やかな香りが満ちる。
秋から冬にかけて収穫されるざぼんの実を、砂糖と水飴と水で炊き上げる
ざぼん漬ができるときに漂う香りだ。
ざぼん漬は古くから、別府の代表的なおみやげとして数多く販売されていた。
「昔はたくさん店があったんやけど、いま、専門店はうちくらいやな」
やよい天狗通りにある「三味ざぼん店」のご主人
三見 守(さんみ まもる)さんは2代目。
もともとサラリーマンだったが、定年を前に第二の人生を考えたとき、
両親が残したお店を継ぎたいと思うようになったそうだ。

現在はご夫婦ふたりを中心に娘さんやお孫さんの手を借りて
お店を切り盛りしている。店に立つ奥さんの悦子さんが
「特別なざぼん漬があるけん、味見してみよ」と食べさせてくれた、
宝石のような艶やかなざぼん漬は、その名も「琥珀」。
お父さんの代から継ぎ足してきた、ざぼんのエキスをたっぷり含んだ
濃厚な蜜でできた、ほかのどこにもないざぼん漬なのだという。
ほかにも「べっこう」、「白雪」など、
その名の通りの繊細な色合いのざぼん漬を作り続けている。

ニット&テキスタイルブランド 「Yoko Takeshita」

アーティストの作品のような服。

ニット&テキスタイル作家、竹下洋子さんのショップ。
もともと画家だった竹下さんは、東京で自身のブランドを立ち上げ、
2001年に大分県の国東半島に移住。
アトリエのある別府に、2012年ショップを開いた。
すてきなデザインのニットや、絵画のようなテキスタイルでつくられた服や雑貨は、
ひとつひとつが作品のようで、身につけたくなる。

撮影:嶋本麻利沙

店主のセンスが光る レコードショップ「ReNTReC.」

カルチャー好きにはたまらない空間。

別府駅からほど近い北高架商店街にある
レコードショップ「ReNTReC.(レントレック)」。
レコードだけでなく、店主の日名子英明さんのセレクトによる
本や雑貨、Tシャツなども並ぶ。
音楽イベントなどを企画することもある日名子さんは、
商店街の仲間たちと一緒に、毎週土曜日に商店街でフリーマーケットを開催。
ものを売るだけでなく、人が出会う場所をつくっている。