連載
posted:2012.6.22 from:福島県会津若松市 genre:活性化と創生
〈 この連載・企画は… 〉
日本の地域を拠点にしてさまざまなプロジェクトを仕掛ける地域プロデューサー、
本田勝之助さんから地域活性のヒントを学びます。いま、ローカルビジネスが注目されるその理由とは?
editor's profile
Masayuki Sawada
澤田真幸
さわだ・まさゆき●東京生まれ。幼少期より国内外を転々とし、現在は東京在住。ジャンルはとくに問わず、面白ければオールOKのスタンスでライター稼業を邁進中。旅好き。仕事でもプライベートでも、ここではないどこかに行けるならどこへでも。
「古来、日本では客人のことを“まれびと”と呼び、尊ぶ存在でした。
人をもてなす文化と、自然にもてなされているという感謝が日本の食の基盤です。
美味しくて、楽しくて、未来のためになることの真ん中に農業があったら、
それはきっと農家の希望になると私たちは考えています。
日本から世界に、東北から世界に。
ここ日本から、生産者とともにつくる新しい提案が始まります。
エンゲージ(結び)を楽しみながらクリエイトすること。
生む人(生産者)と、活かす人(生活者)を結ぶ。
そんな想いのかけ橋となる日本の食のブランド、それが《MARE》です」
こうした本田さんの想いから生まれた《MARE》は、
本田さんのジャパン・メイドのこだわりがぎっしりと詰まった商品群だ。
「各地域の生産者とともに食に関するさまざまな提案を行い、
それを《MARE》というブランドに集約して展開していきたいと考えています。
つまりは、地方産品のブランディングであり、商品群としての提案です。
1種類の売れる商品をつくるのではなく、
《MARE》ブランドの商品群をつくって売れるコーナーをつくるという発想ですね」
《MARE》ブランドは、次の5つの柱で構成される。
そして《MARE》ブランドの第一弾がこのたび誕生した。
福島県の生産者と、ドミニク・コルビ氏(『ル・シズィエム・サンス・ドゥ・オエノン』
エグゼクティブ・ディレクター)や、
萩原雅彦氏(カフェ・カンパニー総料理長)、
柿沢安耶氏(『パティスリーポタジエ』オーナーシェフ)などの有名シェフ7名がコラボして、
福島の豊かな食を伝える商品を新たに考案。その数なんと27品目。
「食をファッション化したかったんですよね。
ファッションって今日は何を着ていこうって、ワクワクして選ぶじゃないですか。
それと同じで今日は何を食べようというところから選ぶ。
“カレーにチャツネってどんな感じ?”とか、“シチューにジャムありかも”とか、
一緒に食べる人をイメージしながら、選んでほしいと思います」
この日、中国料理「美虎」のオーナーシェフ、五十嵐美幸氏がプロデュースした
レトルトの「野菜カレー」を試食させてもらった。
5つの柱のうちの「纏」に属するこの「野菜カレー」は、
福島県会津産のトマトとなすがふんだんに使われており、酸味と辛みが絶妙。
このようなかたちで都道府県ごとにどんどん《MARE》ブランドを立ち上げていきたいと
本田さんは語る。
「増えれば増えるほど、消費者にとっても面白くなってきますよね。
“私はコレとコレの組み合わせが好き”とか、
個々人の好みに合わせてセレクトできるわけですから。
楽しみながら、食を豊かにしていく。それが《MARE》で仕掛けたいことなんです」
profile
KATSUNOSUKE HONDA
本田勝之助
ほんだ・かつのすけ●福島県会津若松市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。会津食のルネッサンス代表取締役。ヒルサイドコネクション代表取締役。地域を経営するという視点で、会津地方や福島県内を中心に食やモノづくりのプロデュース、ならびに伝統産業のコンサルティングやリノベーション事業を展開している。福島復興のキーパーソン。
会津食のルネッサンス
株式会社ヒルサイドコネクション
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