連載
posted:2017.10.23 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
雨続きの小豆島です。
ほんとにこれでもかっていうくらい雨が続いていて、おまけに台風まで。
毎年10月中旬に数日かけて各地区で開催される小豆島太鼓祭りも今年は連日雨。
こんなに雨が続くことはなかなかないみたいです。
それにしてもこの雨ですっかり寒くなりました。
秋が一気に深まった感じ。
畑の秋冬野菜、ナバナやカブ、白菜、大根、にんじん、じゃがいもたちも
どんどん大きくなっています。
気づくともう食べられる大きさになっていたりして、
「あー、カブの季節だな」と野菜で季節を感じたりします。
私たち夫婦ふたりで始めたこの畑も、もうすぐ丸5年になります。
去年くらいから島の友人たちに畑を手伝いに来てもらうようになり、
いまは週に数日定期的に来てもらって一緒に畑作業をしています。
みんなで一緒に畑作業をする日は、お昼ごはんも一緒に食べます。
料理があんまり得意じゃない(むしろ苦手な)私は、毎回何つくろうかなぁと迷い、
とりあえずご飯(炊くだけ!)とお味噌汁はいつもつくるようにしてます。
土井善晴さんの『一汁一菜でよいという提案』という本は、
こんな私にとってすごく心強い(笑)。
というのはさておき、実はご飯とお味噌汁でも
結構なごちそうなんじゃないかなと思います。
お米は、ここ小豆島・肥土山(ひとやま)で育てられたもの。
そしてお味噌汁の中には、畑で収穫した旬のお野菜が数種類入っていて、
さらにお味噌は自家製だったりします。
うん、ごちそうだ!(笑)
それからおかずをどうしようか(やっぱり何かおかずがあったほうが楽しい)。
なるべくなら、その日採れた野菜を使った料理をつくりたいなと。
自分たちが育てたお野菜が食卓に登場すれば、それだけでテンションあがりますよね。
そんなに凝った料理をつくる腕もなければ、時間もないので、
いたってシンプルな調理方法で。焼く、蒸す、切るだけとか。
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それでもやっぱり採れたての旬野菜って“うまいパワー”がすごくて、
シンプルな調理で十分おいしい。
焼きなすの生姜醤油とか、蒸したさつまいもとか、
冷やして切っただけのマクワウリとか。
みんなで食べることで、こうやったらおいしそうだよねとか話しながら、
新しい食べ方を発見できるのもおもしろい。
この前おいしかったのは、パクチーこびきうどん。
近所のおそうめん屋さんからいただいた「こびきうどん」をゆがく。
こびきうどんとは、そうめんと同じ方法でつくるうどん。
そうめんほど細く伸ばさず太めの麺で、つるつるの食感がおいしい。
おつゆは、島のお醤油屋〈正金醤油〉さんの八方だし。
そこにパクチー、ネギ、ゴマ、のりを好きなだけのせる。
はー、うまい!
それから、育てている私たち自身、どうやったらおいしく食べられるのかなと
悩んでいた「金時草(きんじそう)」という野菜。
友人におひたしがいいよと教えてもらい、お昼につくってもらった。
お湯に30秒くらいざっとくぐらせて、水で冷やして、あとはだし醤油であえるだけ。
独特の食感、味がなんともやみつきになる。
みんなで一緒に食べる「まかない」は、
自分たちが育てている野菜のおいしい食べ方研究会。
それってすごくいいなぁ。
私たち〈HOMEMAKERS〉では年間80種類くらいの野菜を育てているので、
旬の野菜は次から次へと変わっていきます。
1年は約50週だから、1週間に1〜2種類新しい野菜が登場する。
そう考えるとワクワクします。
来週のまかないの主役はどの野菜かな。
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