水戸の名物と野菜がたっぷり。 水戸の朝ごはん

水戸の名物と野菜がたっぷりの、元気が出る朝ごはん。

水戸芸術館現代美術ギャラリーでボランティアをしている方に、
朝の食卓をのぞかせてもらった。
「基本はお味噌汁とご飯、それに納豆は欠かせません。
お味噌汁の代わりに、こんなふうに晩の残りの
けんちんをいただくこともありますけどね」
茨城名物でもあるけんちんは、味噌は入っていない根菜たっぷりの汁。
大根、ごぼう、にんじん、蓮根、小松菜、それに豆腐、こんにゃく、油揚げ。
野菜は、鮮度のいい有機野菜を友人に送ってもらっているのだという。
また「いもがら」と呼ばれる里芋の茎の部分も入っている。
乾燥した状態で安く売られているのだが、これが歯ごたえがあっておいしい。
柚子の香りもおいしさを引き立てるが、さらに柚子胡椒を入れて食べる。
野菜の滋味たっぷりの、元気が出る一品だ。

魚は、めざしと、いわしのみりん干し。
みりん干しは、千葉の知り合いの方からのいただき物だそう。
水戸といえばやはり納豆だが、このお宅では秘伝のタレがポイント。
梅干しとニンニクを細かく刻んでかつお節を入れ、
みりんを少したらして練ったものを長時間おいておく。
そうするとニンニクもそれほど臭みはなくなる。
これを常備してあって、納豆に混ぜるのだそう。
大根の葉とじゃこも一緒に混ぜる。
いただいてみると、ニンニクは強く主張せず、梅干しとのコンビネーションが絶妙。

偕楽園で知られる水戸は、梅の名所でもある。
このお宅も庭に梅の木があり、梅干しはその梅の木からとれた梅でつくった自家製。
梅を冷凍させておき、解凍するときに氷砂糖につけて
1か月ほどでできるという自家製梅ジュースも、とてもおいしかった。
実はこのお宅は、水戸芸術館で展覧会をしているアーティスト、
ゲルダ・シュタイナーとヨルク・レンツリンガーが
制作中に滞在していたホストファミリーなのだが、
ふたりはこの梅ジュースがとてもお気に入りだったようだ。

またこのお宅の方の亡くなったお父様がアートコレクターで、
リビングにはさまざまな骨董品や美術品が。
お庭にもそれほど大きくはないが枯山水があるという、美意識の高いお宅。
器も陶芸作家の手によるものも多く、どれもとても品があり、味わいがある。
「器は使ったほうがいいというので、
しまわないですぐ使えるようにしていたんですけど、
震災でだいぶ割れてしまったんですよ」
と笑って話してくれたが、たしかに、調度品にはひびが入ったものもあり、
その被害が少しだけ生々しく感じられた。
そんなことも吹き飛ばすような、元気の出る朝ごはん。
つくる人の元気がこちらにも伝わってきた。

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石川県は、日本海に面し、加賀百万石の歴史と文化、そして豊かな里山里海の風景が息づく土地です。海と山に育まれた自然の中に、城下町や温泉地、伝統工芸の産地など、多彩な景色が広がっています。古くから北前船の寄港地として人や文化が行き交い、多様な交流の中で独自の文化を育んできました。加賀と能登、それぞれ異なる風土と歴史が重なり合い、土地ごとに個性豊かな魅力が息づいています。

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