〈魚彩和みの宿 三水〉の 若女将、吉田さとみさんの 朝ごはん。

新米女将の朝は、地元の野菜たっぷりの朝食からスタート。

房総半島の海沿いに静かに佇む温泉旅館、
「魚彩和みの宿 三水」の若女将が、吉田さとみさんだ。
東京生まれ、東京育ちの彼女は、鴨川の地に嫁いでちょうど1年が経つ。
地の利を考えれば、魚がおいしいのは当然のことだが、
実はさとみさんは魚介類が大の苦手。野菜中心の食生活になるのは必然的だった。
「はじめは見知らぬ土地に来て、不安だらけ。おまけに朝・昼・晩、魚中心の食事……」
と、不慣れな環境に戸惑うこともあったが、
次第に鴨川は美味しい野菜の産地であることを知る。
市内には直売所がたくさんあり、さとみさんは食材のほとんどをそこで手に入れる。
「値段シールの横には、必ず生産者の名前が書かれていて、
一度も会ったことのない人だけど、妙な親近感。
ついつい買い物かごに入れてしまうんです」

そんな彼女の朝ごはんは、
豆腐一丁が主菜で、さまざまな薬味で愉しむという献立。
豆腐は近所の豆腐店で買ってくる。
ここのまろやかな大豆の味わいがお気に入りなんだそう。
それをざるにそのままあしらい、
薬味を少しずつのせては、千葉県産のお醤油をつけていただく。
今朝の薬味は9種類。日によって変わるが、
全て鴨川産ということはこだわりを持っている。
小ネギ、ショウガ、オクラ、ミョウガ、大葉、トマトなどの
野菜はもちろん、豆腐、納豆、梅干しも地元の人の手づくり。
ひじきも近海でとれたものだ。
この他にも高菜や岩のり、お味噌などもメニューの定番。
この豆腐献立は多い時には週に3回ほど、朝の食卓に並ぶことがあるという。
その理由を、
「決して手を抜いているワケでも(笑)、豆腐が好物というワケでもなくて、
新鮮な野菜や食材本来の味を楽しむには豆腐と一緒に食べるのが一番!
と勝手に思っているだけのことなんです」
と、笑いながらさとみさんが教えてくれた。

今、宿では自家菜園を始めた。
鴨川は新鮮な魚だけではなく、美味しい野菜の宝庫でもあるということを、
旅館を通じて、お客様に知ってもらいたいという気持ちからだ。
鴨川に来て、もうすぐ1年。
旅館の若女将にとって、鴨川の地は毎日新しい発見でいっぱいだ。

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石川県は、日本海に面し、加賀百万石の歴史と文化、そして豊かな里山里海の風景が息づく土地です。海と山に育まれた自然の中に、城下町や温泉地、伝統工芸の産地など、多彩な景色が広がっています。古くから北前船の寄港地として人や文化が行き交い、多様な交流の中で独自の文化を育んできました。加賀と能登、それぞれ異なる風土と歴史が重なり合い、土地ごとに個性豊かな魅力が息づいています。

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