news
posted:2017.7.13 from:東京都 genre:食・グルメ
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。
writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
「パンに合う和菓子をつくってほしい」
そんな依頼から生まれた羊羹があります。
その名も「ドライフルーツの羊羹」。
ドライフルーツがゴロゴロ入った、上品な味わいの羊羹です。
ラム酒を効かせた羊羹は、お茶はもちろん、ワインとも相性抜群。
パリやニューヨークでもおいしい!と絶賛されたのだとか。
羊羹を手がけたのは、東京大田区にある小さな和菓子屋さん
〈wagashi asobi(わがしあそび)〉さん。
「一瞬一粒(ひとつひとつ)に想いを込めてつくる。」を
モットーに活動する、和菓子職人ユニットです。
お店においているのは、ドライフルーツの羊羹と
ハーブの香りとおいしさを封じ込めた「ハーブのらくがん」のふたつのみ。
wagashi asobiの中心メンバーである稲葉基大さんと浅野理生さんの自信作です。
商品をふたつに絞ることでクオリティを高め、
心を込めてつくることに努めているのだとか。
ドライフルーツの羊羹は、北海道産小豆の餡と
沖縄県西表産の黒糖とラム酒で炊き上げた、あっさりした甘さの羊羹。
香り高い羊羹のなかに、苺と無花果のドライフルーツと胡桃が入っています。
なんと遊び心あふれるお菓子なのでしょうか。
wagashi asobiさんによると、和菓子は仏教やキリスト教といった宗教や
インド、中国、スペイン、ポルトガルなどの影響を受けて発展してきたもの。
それを「和菓子」「洋菓子」と分けて考えるようになったのは明治維新以降のこと。
wagashi asobiの活動は、そんな進化をとげてきた和菓子文化が
和菓子という枠に縛られていてはもったいない。
世界中のものや情報が手に入る今の時代だからこそ、
もっと和菓子のおもしろさや新しい可能性を探って、
和菓子で何ができるかを考えていきたい…そんな思いから始まったのだそう。
Page 2
wagashi asobiさんは、幅広いジャンルのクリエーターと
和菓子を通じたコラボレーションも行っています。
こちらはパリを拠点に活動するフードデザイナー/写真家のMIHOさんとの
コラボレーションから生まれた『saji_wagashi_asobi』。
MIHOさんがつくっているフードマガジン『saji』に
wagashi asobiさんがレシピと和菓子を提供しました。
『saji』は「いま食べているものが、10年後のあなたのカラダをつくる。」をテーマとする本。
シンプルなレシピをアーティスティックな写真やイラストとともに紹介し、
日本やパリ、ニューヨークなどで読まれています。
この号では、「おもてなしの気持ちを大切にしたら、作ることも、
食べることも、もっと楽しくなるはず!」という発想から、
ドラキュラ伯爵やパンダ、クレオパトラなど、ユニークなお客様を想定した、
あっと驚く和菓子のおもてなしを紹介。
日本語・フランス語・英語の和菓子レシピを掲載しているので、
海外へのおみやげにも喜ばれそうです。
『saji_wagashi_asobi』はwagashi asobiにて購入可能です。
発送も可能とのこと。くわしくはこちらから。
こちらは、〈コトノハ〉さんとつくったwagashi asobi初の単行本『わがしごと』。
コトノハさんは地元で生まれるつながりを大切に、
東急池上線のローカル文化誌『街の手帖 池上線』を発行する出版社です。
wagashi asobiさんとコトノハさんは、歩いて3分の距離にあるのだそう。
この本は極力メールを使わず、何かあればすぐに顔を合わせて話し合うという、
昔ながらの方法でつくったといいます。
本の装幀は「ハヤカワ・ポケット・ミステリ」をはじめ、
文字組でインパクトのある装幀を行う水戸部功さん、
写真は『saji_wagashi_asobi』と同じく、MIHOさんが手がけています。
内容はお菓子の紹介にとどまらず、
「職業とはなにか?仕事をするとはどういうことか?」を問い、
お菓子好きな方はもちろん、独立を考える菓子職人や
仕事に悩む方にも興味深いものとなっています。
wagashi asobiさんが大量生産や販路拡大を行わず、地元に留まるのはなぜなのか?
彼らが考えていることに興味がある方はぜひチェックを!
本の購入はこちらから。
information
wagashi asobi
住所:東京都大田区上池台1-31-1-101
アクセス:東急池上線「長原」駅 徒歩1分。改札を出て左・つきあたりを右・80m進んだ左側の駐輪場手前。小さなハーブガーデンが目印。
電話:03-3748-3539
時間:10:00〜17:00
定休日:月曜不定休 ※ご来店の際は事前にお問い合わせください。
Web:wagashi asobi
Feature 特集記事&おすすめ記事