故郷の西伊豆で、 かき氷屋さんを開店。 よしもとばなな原作、 菊池亜希子主演映画「海のふた」

都会の暮らしを離れて、故郷に帰る。
それは苦い挫折や忘れたい失敗ではなく、次への一歩を踏みだすこと。
よしもとばななさんの原作を豊島圭介さんが監督した映画『海のふた』は、
故郷の町で新しい生活を歩み始めたふたりの女性を描いています。

舞台は西伊豆の小さな町、土肥。
高速船に乗って、ひとりの女性がこの町に帰ってくるところから、映画は幕を開けます。
主人公・まりの帰郷の目的は、生まれ育った海のそばでかき氷のお店を始めること。
お店づくりをしていたある日、心に傷を抱えたはじめと出会い、
ともに暮らすことに。
夏が盛る頃にまりの店はようやく開店し、
それにつれてふたりの距離は少しずつ近づいていきます。

(c)2015 よしもとばなな/『海のふた』製作委員会

かき氷屋のメニューは、サトウキビからつくった糖みつと、みかん水の2つだけ。
夢に見た自分の店だから「自分がいいと思ったものしか出さない」とこだわるまりですが、
寂れてしまった町の現実はそんなに甘くはなく、苦労する日も少なくありません。
一方のはじめは少しずつ心の傷を癒し、笑顔さえ見せるようになっていきます。

そんな二人を静かに見守るように、
海は静かに水をたたえ、風は山の木々の間を吹きぬけていきます。
波、雨、朝の田んぼ、虫の鳴き声……自然が生む音の風景と、淡い光の世界。
ささやかな町に訪れる大きな出会いと再会、そして別れを描きながら、
映画はふたりの成長をたどっていきます。

(c)2015 よしもとばなな/『海のふた』製作委員会

まりを演じるのは菊池亜希子さん。
うれしいときのこぼれるような笑顔と、決意したときの怒ったように真剣な顔のギャップには、思わず見入ってしまいます。
物語の後半、「この町にいるから」と宣言する彼女には、
簡単ではない現実をちゃんと受け止め、それでも歩んでいくことを決めた強さが現れているようです。

(c)2015 よしもとばなな/『海のふた』製作委員会

決して華やかではないけれど、
丁寧で、嘘のない一歩を踏みだした彼女たちを、そっと応援したくなる。
映画『海のふた』は、そんなひと夏の、静かな物語です。

映画『海のふた』

監督:豊島圭介

原作:よしもとばなな

出演:菊池亜希子、三根梓、小林ユウキチ、天衣織女、鈴木慶一

2015年7月18日よりロードショー

写真:(c)2015 よしもとばなな/『海のふた』製作委員会

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