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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
「松本の奥座敷」と呼ばれ、日本書紀にも登場する
開湯1300年以上の歴史ある長野県の浅間温泉。
古くは一般市民をはじめ、殿様から文化人まで
さまざまな人々の心身を癒してきました。
小柳の敷地から見える5世紀の古墳では、
王冠や勾玉が出土し、信濃の大小名が集まる国府的なものがあったりと、
神秘的な地力を宿す温泉地でもあります。
そんな浅間温泉を代表する老舗旅館〈小柳〉は、
人々の寄り合いの場として機能した過去があり、まちの核となる旅館。
しかし近年は後継者不在、2棟のホテルも過大債務で廃業が危ぶまれていました。
それを新潟県南魚沼市で〈里山十帖〉を営む〈自遊人〉が継承。
ただ再生するのではなく、「地域の核として蘇らせる」ことを目的に、
地域全体の経済を盛り上げる「エリアリノベーション」を実践。
観光と経済、双方から注目を集める施設を目指し、
2022年7月23日に〈松本十帖〉として新たなスタートを切りました。
新たな価値と命を吹き込み、
地域の未来を担うプロジェクトにするため、
中央棟を解体撤去し、ふたつの客室棟と浴室棟を
スケルトン状態に戻して一からフルリノベーション。
過去の配置にならい、ホテルは中央棟を解体し跡地に「小柳之湯」を復活させ、
東西に棟があるかたちでリノベーションされました。
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そのほか、エリアにはふたつのレストランや3つのカフェ、
本屋、ショップ&ベーカリー、醸造所をオープン。
日帰りも可能な外部に開かれた施設です。
この計画には、自遊人はもちろん、
〈SUPPOSE DESIGN OFFICE〉や〈スキーマ建築計画〉、
〈ノングリッド/デザインムジカ〉などのクリエイターも参画。
持続可能な温泉街、持続可能な地方都市をテーマに、
彼らが加わることでより多様に、豊かなプロジェクトとなりました。
自遊人とクリエイターたちの力が集結し、
クールなオープンを飾った松本十帖。
ここを拠点に、まちはどのような発展を遂げていくのでしょう。
information
松本十帖
(松本本箱、小柳、ダイニング、カフェ、ショップ等の総称)
所在地:長野県松本市浅間温泉3-13-1 ほか
ホテル客室数:松本本箱24室、小柳14室
料金:松本本箱26752円~、小柳23888円~(2名利用時の1名あたり1泊2食料金)
tel:0570-001-810(12:00~17:00)
Web:松本十帖 公式サイト
*価格はすべて税込です。
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