みなさまこんにちは。ASTERの中川です。
今回はvol.1でご紹介しました僕らの店“9GS”がある
熊本市九品寺エリアに新しく誕生したコンバージョン複合施設の紹介をしたいと思います。
僕自身、この場所ができたことでまちへの想いと期待が高ぶりました。そんな場所です。
九品寺というまちは僕の地元。
小さい頃から学校の帰り道に毎日“ケイドロ”という遊びをしていた場所。
どうでもいいですが、ケイドロというのは警察と泥棒に分かれてやる鬼ごっこのことです(笑)。
最初に教室、次に校庭、そしてまちへと範囲がどんどん広がり、
僕らにとって、小さい頃から家と学校の間にあった
この九品寺のまち全体がケイドロの遊び場でした。
中心市街地にも歩いて行ける立地で熊本でも人気のあるまち。
でもラブホテル街もあるし教会もあるし公園もたくさんある。
カオスなエリア。
そんなエリアに昔から誰もが知る大きな邸宅がありました。
川沿いで角地という立地抜群で存在感のあるその邸宅は
最近ではずっと空き家になっていました。

この邸宅が現在では熊本でも話題の複合商業施設に生まれ変わり、
連日大勢の人が訪れるようになりました。
どういった経緯でそうなったのか。
まずはこの複合施設の紹介をしたいと思います。
名称は〈RIVER PORT9(リバーポートナイン、以下リバーポート9)〉
九品寺にある川沿いの船着き場という意味です。
築50年のRC造3階建ての邸宅をコンバージョンし、
レストラン、カフェ、アパレルショップ、ブライダルショップ、アンティーク家具店、
バーなどさまざまなショップが入る複合商業施設として、
2014年にオープンしました。
僕もオープンまでにアドバイザーのひとりとして参加させてもらったり、
リバーポートナイン9に入っているお店のひとつをASTERが手がけています。
この複合施設を企画からリーシングまで
トータルでプロデュースしたひとりの不動産屋さんがいます。
(株)トラスト・アンド・フィーリングス代表の久保貴資さん。
久保さんは熊本で不動産の売買や賃貸管理事業を行いながら、
複合ビルブランディングなどの商業施設の企画と運営をされています。
また、古い建物のコンバージョンやリノベーションの企画もされている、
感度の高い不動産屋です。

トラスト・アンド・フィーリングスの久保さん。
はじめ、この邸宅のオーナーさんは長く空き家になっている状態をどうにかしたいと、
いろいろな不動産屋へ相談されたそうです。
でも軒並み来る提案はどれも建物を壊して新築賃貸マンションか駐車場への提案ばかり。
そんななか、久保さんが出した提案は建物の歴史と素材価値をなるべく残し、
このロケーションをみんなで共有できる複合施設へのコンバージョン案。
もともとが母屋であり、
なるべくなら建物を残したいというオーナーさんの強い想いと一致し、
この建物の再生を請負うことになったそうです。

建物から見た風景。熊本市の中心を流れる白川が目の前に。橋の向こうは中心市街地。
しかしプロジェクトを進めていくにあたり、いろいろな問題がでてきます。
そもそもこの九品寺エリア、商業エリアとしては微妙な場所でした。
住宅のほかに、近くにラブホテル街もあり、近隣に駐車場も少ない。
そして熊本市中心市街地から川を渡り
10分か15分ほど歩かないといけない微妙な距離。
なかなか歩く習慣が少ない熊本の人にとって
中心市街地からわざわざ川を渡って
九品寺エリアに買い物に来るなどあまり考えられませんでした。
でも建物の重厚なつくりや
窓から見える川の景色などこの建物のポテンシャルに魅力を感じた久保さんは
この場所でしかできないことを考えていきました。
まず、複合型の商業施設という形態をとること。
大きな1店舗にするのではなく、複数の個性あるお店が混在することで
集客の相乗効果を生み出そうと考えたそうです。
そして時間軸も考え、せっかく来てもらうのであれば
施設に3〜4時間は楽しんで滞在してもらえるような動線イメージで
テナント構成を企画しました。
そこで知り合いの飲食店や物販店などに声をかけ候補のお店を集めることに。
当初順調にテナント候補は集まっていきましたが、
ひとつのテナントがNGになると、
決まっていたほかのテナントもすべてNGになってしまったそうです。
話は振り出しに戻ってしまいました。