「肩書きが“デザイナー”ではない人 にこそ読んでほしい」 〈澁谷デザイン事務所〉の 10年をふり返る 『秋田デ、~秋田で、 デザインするということ~』

澁谷さんが教えてくれた「秋田で、デザインするということ」

こちらまで顔がくしゃくしゃになってしまうほどの笑顔で迎えてくれたのは、
書籍『秋田デ、~秋田で、デザインをするということ~』を出版した、
澁谷和之さん。

お父様を亡くした2009年から、「東京で、デザインすること」を辞め、
生まれ故郷の秋田県美郷町で〈澁谷デザイン事務所〉を営んでいます。

書籍が先行販売された連動企画展の会場で、手がけたデザインへの思いを、ひとつひとつ丁寧に教えてくれた澁谷さん。

書籍が先行販売された連動企画展の会場で、手がけたデザインへの思いを、ひとつひとつ丁寧に教えてくれた澁谷さん。

独立してから10年、パッケージやロゴマークをデザインする
「いわゆるデザイン」だけではないデザインに、
秋田という地で向き合い、走り続けてきました。

「デザイナーってなんだろうって考えるんです。
絵がうまいとか、パソコンが得意とかそういうことではなくて。
デザインは特定の人ではなく、みんなが持つべき思考だと思っているので」

「この本は、肩書きが“デザイナー”ではない人にこそ読んでほしい1冊」
と話す澁谷さんに、その思いをうかがいました。

かっこつけない、本当のデザイン

ページをめくって目に飛び込んでくるのは、
いわゆるデザインされた商品ばかりではなく、人、人、人。
それも皆、「いい顔」をしています。

秋田市のコーヒー店〈08COFFEE〉との物語

秋田市のコーヒー店〈08COFFEE〉との物語

書籍には、依頼されたロゴマークを「つくらない」ところから始まる、
コーヒー屋さんと、毎月“ラブレター”をやりとりするかのように
気にかけ合う関係のなかで築き上げてきたブランドデザインや、
屋号やロゴマークのデザインをお手伝いしていた農家さんの、
仲人までしてしまった「結婚というデザイン」など、
「いわゆるデザイン」の枠を超えて、秋田で暮らす人が抱える本当の問題を掘り起こし、
一緒に考え、寄り添ってきた物語がちりばめられています。

〈結婚というデザイン〉の物語

〈結婚というデザイン〉の物語

読み終えて感じたことは、澁谷さんの前ではみんなかっこつけずに、
素直になっているということ。

そこで思い浮かぶのは、ものづくりのみならず、
家族や農業など、澁谷さんの日常が綴られるブログ『泣いた“なまはげ”の天気読み』。

「デザイン会社は実績をかっこよく並べたホームページを持っているのが
一般的だと思うんですけど、あまり人が見えないなと思っていて。
僕はこういう人間なので(笑)、その部分だけは素直でいたい。
ブログを読んで僕のことを感じてもらって、デザインを相談してくれるのが健全で、
このかたちが密に人とつながれると思うんです」

たくさんの「いい顔」は、さらけ出して一緒に悩んで、
モヤモヤとした問題を解決した晴れやかな笑顔なのかもしれません。

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