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posted:2019.11.26 from:東京都港区 genre:アート・デザイン・建築 / 買い物・お取り寄せ
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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
〈KIGI〉のアートディレクターであり、
名作絵本『ブローチ』の作者でもある渡邉良重さんが
小説家の福永信さんとともに新作絵本『しんじゅのこ』を手がけました。
「真珠は、生きている」
そんなメッセージをたずさえたこの一冊は、
渡邉さんと「びわ湖真珠」の出会いから生まれました。
シンプルで優しい絵、くりかえされる「問い」と
「答え」の心地よいリズムにのせて、時間の尊さを伝えます。
また絵本には解説冊子「びわ湖真珠ができるまで」もセットに。
さらに今回は、絵本と、本物の真珠ひとつぶを
パッケージした限定版も発売されます。
箔押しのオリジナルケースは、断面まで白さにこだわった上品な輝き。
2019年11月28日(木)より、この絵本の発売を記念し、
東京・白金のOFS galleryにて、刊行記念展を開催。
「しんじゅのこ」の紹介に加え、
これまでに渡邉さんが手がけた絵本の原画が展示されます。
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渡邉さんとびわ湖真珠の出会いは、今から2年半ほど前。
KIGIと一緒にプロダクトブランド〈KIKOF (キコフ)〉を立ち上げた
滋賀の職人たちによる組織〈Mother Lake Products Project〉の一員である
〈丸滋製陶〉の今井智一さんに、
〈神保真珠商店〉を紹介してもらったことがきっかけでした。
真珠の美しさもさることながら、渡邉さんが何より驚いたのは、
真珠が生まれるまでの過程でした。
びわ湖真珠と呼ばれるのは、琵琶湖の固有種「池蝶貝」から生まれる淡水真珠。
それは、養殖家が貝を育てるのに3年、真珠が巻くまでに3年と、
6年の月日をかけてつくられます。
琵琶湖の水のなかで、幾重にも層を重ねて生まれる
真珠のやわらかな照りと個性的な形、淡い色彩は、
ペルシャ湾の天然真珠にも似ているとアメリカやヨーロッパなどで人気を集め、
1950年代には、年間6トンもの生産量があったと言います。
ところが環境の悪化とびわ湖の水質汚染により
貝が十分に育たない時代が長く続き、その存在は国内に広がることのないまま、
次第に人々の記憶から失われていってしまいました。
しかしその間にも、養殖家たちは母貝の改良や
環境の改善に取り組み、貝の命をつないでいくことを諦めませんでした。
おかげで、今も僅かながら真珠がつくられ続けているのです。
そんなストーリーや背景に感銘を受けた渡邉さんは、
2018年に開催した展示〈Lake of Grace 〜Pearls of Lake Biwa〜〉の中で、
KIKOFと神保真珠商店のコラボレーションとして
オリジナルデザインの真珠と専用プレートを制作、発表しました。
そして今年、「びわ湖真珠の魅力をより伝えるために、本をつくってみましょうか」
という話から生まれたのが絵本『しんじゅのこ』でした。
今回の展示では、OFS galleryに神保真珠商店が登場するイベントも。
12月7日(土)・8日(日)には、神保真珠商店が
限定版に封入された真珠のアクセサリー加工のオーダーを受ける
〈神保真珠商店 出張真珠加工会〉が開催されます。
この機会に出かけてみてはいかがでしょうか?
information
絵本『しんじゅのこ』刊行記念展示
会期:2019年11月28日(木)〜12月25日 (水)
定休日:月・火曜日(祝日を除く)
時間:12:00〜19:00 ※最終日は17:00まで
会場:OFS gallery (OURFAVOURITE SHOP内)
住所:東京都港区白金5-12-21
『しんじゅのこ』刊行記念展 http://ofs.tokyo/shinjunoko
「しんじゅのこ」特設サイトhttp://www.littlemore.co.jp/shinjunoko
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