米づくりの思わぬ副産物!
料理に、美容に、洗剤に。
米ぬかの活用法

ぬか漬けだけじゃない!
わが家の米ぬか活用法

伊豆下田に移住してから米づくりを始めた津留崎さん一家。
お米を精米したときに出る米ぬかは、漬け物をはじめ
いろいろなことに活用できるといいます。
今回は、米ぬかクッキーのレシピや美容パックの方法など
暮らしのなかで使える米ぬかの活用法をご紹介します。

新米を味わったあとは?
米ぬかの利用法

年目となるわが家の米づくり、
10月に稲刈りと脱穀を無事に終えました。
待ちに待った新米、家族揃ってはじめのひと口を口に運ぶと、
娘の顔がニンマリ「おいしい!」。

昨年の米と比べても、今年のほうが甘みが強く
やさしい味わいに奥行きを感じる。あまりにもおいしいので、
「これ、日本一おいしいお米なんじゃない?」と私も言い出す。
夫も「いや、これは本当においしい!」と
なんとも幸せそうな表情でした。

稲刈りの様子

子どもたちと稲架掛け作業

今年は天候に恵まれ、手植え手刈り天日干しの三拍子が揃いました。お天道様のおかげなのか、友人たちと一生懸命雑草を抜いたからなのか、本当に甘みがありおいしいお米となりました。

田んぼを手伝ってくれた友人や、いつもお世話になっている方々にも
新米をお裾分けしました。すると、やはり評判は上々。
「伊豆で食べた米のなかで一番おいしかった」という感想もいただき、
雑草と戦ったかいがあった……と苦労が報われたような気分になります。

土鍋で炊いた新米

雑草取りの様子

抜いたそばからまた生えてくるしぶといコナギとの戦い。けれど、雑草に取られてしまう養分が稲に行き渡ったからおいしいお米に育ったのかも? 真相はわかりませんが。

紙の米袋に入ったお米

娘と夫がつくった消しゴムハンコをペタッと押して、藁で結ぶのがわが家流です。

以前もこの連載で触れたことがあるのですが、
米づくりをすると米以外にもたくさんの副産物を得ることができます。
藁や籾、そして玄米を精米するとでる米ぬかです。

わが家では米づくりをしている友人のところにお米を持ち込み、
籾摺りの機械を使わせてもらっています。
籾摺りをした状態がいわゆる玄米なのですが、
その玄米を自宅の精米機で少量ずつ精米して食べています。
精米すると玄米の表皮が削り落とされ、白米とぬかになります。

精米した後の白米とぬか

左が白米、手前右がぬか、右奥が精米機。

米ぬかの使い道といえば代表的なのはぬか漬けかですが、
それ以外にもいろんな使い道があります。
今回は、そんな米ぬか利用法をご紹介します。

ぬか床

義母が何十年と続けているぬか床。わが家のぬかを使ってもらっています。

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娘も大好物。米ぬかの甘みたっぷりの漬け物

まずは料理。
精米して出たぬかは生ぬかで、ぬか漬けにこのまま使います。
わが家はいま、ぬか漬けをお休みしているのですが、
近所に住んでいる義母やぬか漬けをしている友人たちに
精米したてのぬかを渡しています。

かぶとにんじんのぬか漬け

義母が漬けてくれるぬか漬けは、塩気も香りもしっかりしていてとてもおいしい。

もうひとつ、ぬかを使った漬け物があります。
6年前くらいからたくあんを漬けているのですが、
田んぼをやる前は知人から米ぬかを分けてもらっていました。
それもいまは米ぬかを自家製でまかなえるように。

ただ、味噌や梅干しと違いうまくいかないことも多々あり。
雨が多い年はどうしてもカビやすく、
半分ダメにしてがっかり、なんてこともありました。
まだまだ修業が足りません、今年も挑戦してみます。

たくあんを漬ける津留崎さんの娘さん

下田に移住してまだ間もない頃、たくあんを漬けてくれる娘。かなり慣れたてつきで手伝ってくれます。

米ぬかが入った桶の中に大根を並べる

自家製の米ぬかと塩を混ぜ、天日に干した大根をつけます。香りづけ用に乾燥させたみかんや柿の皮も一緒に。

出来上がった自家製たくあん

カビから免れたたくあん、米ぬかの甘みを存分に味わえる一品です。娘の大好物。

[ff_assignvar name="nexttext" value="米ぬかクッキーレシピを紹介!"]
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クッキーや味噌汁、洗剤の代用品にも

精米したての生ぬかは甘くていい香りがするのですが、
時間が経つとぬか臭さが感じられるようになります。
そのため、料理やお菓子づくりに活用するときには
煎りぬかにしてから使うようにしています。

生ぬかをフライパンで煎る

生ぬかをこんがりとした茶色に色づくまでフライパンで煎って冷まし、
タッパーに入れて冷蔵庫で保存。
それを利用して、クッキーなどのお菓子をつくっています。

いわゆる一般的な薄力粉のレシピを米ぬか入りにアレンジしてみて、
分量を試行錯誤。米ぬかクッキーは少し硬い仕上がりで
子どもには不評かな? と思いきや、子どもたちにもとても好評です。

米ぬかクッキー

【米ぬかクッキーのレシピ】

◎材料
小麦粉 …… 110g
煎りぬか …… 50g
塩 …… 小さじ1(2.5g)
油 …… 50g
豆乳(もしくは牛乳) …… 50g
はちみつ …… 30g

◎つくり方
 全部の材料をボールで混ぜる。
 オーブンシートの上に出して平らにし、薄く伸ばす。
 包丁で好きな大きさに切り目を入れる。
 160度に予熱したオーブンで20分焼き、その後110度で30分焼く。
(ガスや電気など、各家庭で異なると思うので、焼き加減は試しながら)

そのほか、ちょっとした調味料としても活躍。
たとえばカレーや味噌汁を味見して、
ちょっとコクが足りないな~というときには
大さじ1~3程度(つくっている量による)振り入れます。
すると、不思議と味に奥行きが出るのです。

カレー鍋にぬかを入れる

お菓子に利用したらなんとも香ばしい味わいだったので、これは調味料として使えるのでは? と試しにひとさじ入れてみたのがきっかけ。

キッチンでほかにも役立つ使い道が、食器洗いです。
この利用法は、コロカルの連載
「いとしまシェアハウス」でも紹介されていて、
試しにとやってみたらとてもよく汚れが落ちるので驚きました。
それ以来、わが家のキッチンには米ぬかを常備するようになったのです。

普段、汚れが少ないものは何もつけずに
アクリルのスポンジで洗っているのですが、
ちょっと落ちにくいなというときに米ぬかが登場。
シンクの横に米ぬかを入れた容器を置いておき、
スポンジにささっとかけてしまいます(夏場はとても腐りやすいので
冷蔵庫で保存しておき、使うときに出しています)。

お肉を焼いたあとのフライパンも、いらない紙や布などで拭ったあと、
米ぬかを振りかけて少し置いておき、あとはスポンジでこするだけ。
正直、洗剤より落ちるのではないか? と感じるほどです。
手に匂いが残らないし、肌も荒れにくい。

さらに、洗剤だと口に入るのが嫌なので、
しつこく洗い流すことになります。
けれど、米ぬかなら多少残っていても
まあいいんじゃないかということで、水も時間も節約。

下水道につながっていないわが家の場合はなおさらですが、
いずれにしても排水が海に流れ込むことを考えると
洗剤よりずっと環境にやさしいはずです。

キッチン用スポンジにつけた米ぬか

[ff_assignvar name="nexttext" value="カンタン顔パックの方法を紹介!"]
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米ぬかは美容にも使える?
洗顔、美容パック、石けんまで

食器だけでなく、顔も米ぬかで洗っています。
たとえばメイク落としをするのも米ぬかです。
先に手と顔全体を濡らしておき、米ぬかを手にとって
顔をゴシゴシ(かなり雑なやり方ですが)。
米ぬかの粒々感がメイクと毛穴の汚れも落としてくれて、
洗い上がりもしっとり。

さらに、乾燥する時期には米ぬかとヨーグルト、
蜂蜜を混ぜて顔パックをします。
分量もはからずに適当、垂れてこない程度に調整。
顔に塗ってからラップをしてしばらく放置し、
水で洗い流すと肌がふっくらします。
口に入ってもなんなら食べちゃえばいい、安心美容パックです。

米ぬかを使った美容パック

米ぬかは保湿力が高く、市販の化粧水に利用されているのも
よく目にします。けれど、市販の化粧水や保湿クリームを使うと
かゆくなってしまうことがあり、自家製のぬかなら
経済的だしかゆくなることもありません。

そして、これからの季節のお楽しみが米ぬかゆず風呂です。
昨年、新居を購入したのですが、庭にゆずの木が生えていて、
たくさんの実をつけてくれます。
そのゆずと米ぬかを熱いお風呂に入れると、これが最高なのです。

米ぬかは晒しに入れてひもで縛り、
それを湯船でモミモミするとお湯が白濁していきます。
そこにゆずの香りが加わると、ここは別府温泉か~! 
というくらいの至福感です。

庭の木に実ったゆず

晒しに入れたぬかとゆず

この時期、わが家の米ぬかを楽しみにしてくれている友人もいます。
仕事でもお世話になっているデザイナーの佐久間梓美さんは、
本職のかたわら〈アサクマデザインの手作り石けん〉という屋号で
自家製石けんを販売しています。

普段はハーブやみかんなどの果物を材料として使っているのですが、
新米が出回るこの時期にだけ、わが家の米ぬかを使った石けんを
つくってくれるのです。私たちのお米は無農薬栽培なので、
そのぬかなら安心して石けんに使えるとのこと。

米ぬかせっけんは肌がつっぱることもなく、洗い上がりがしっとり。
購入したお客さんからもご好評いただいているそうですし、
佐久間さん本人も米ぬか石けんを使うのを
楽しみにしているのだそうです。受注生産が可能ということで、
ご興味のある方はFacebookをのぞいてみてください。

石けんの生地に入った米ぬか

石けんの生地にわが家の米ぬかを投入。(写真提供:アサクマデザイン)

完成した米ぬか石けん

型で固めたのち、1か月ほど熟成させたら完成。(写真提供:アサクマデザイン)

自分で米づくりをするまでは、こうした副産物が出ることや、
その活用方法も想像すらしていませんでした。

田んぼに植えた小さな小さな苗が立派な稲に育ち、
熟した実をつけておいしい米となり。
精米して得たぬかが、友人の石けんになったり
3時のおやつになったり入浴剤になったり。
徐々に広がっていくようなそうした流れが不思議な感覚でもあり、
心の奥にほんわかとしたうれしさもわいてきます。

また来年、田んぼをやろう、米をつくろう。

田植え後の田んぼ

稲架掛けされた稲穂

text & photograph

津留崎徹花 Tetsuka Tsurusaki
つるさき・てつか●フォトグラファー。東京生まれ。料理・人物写真を中心に活動。移住先を探した末、伊豆下田で家族3人で暮らし始める。自身のコロカルでの連載『美味しいアルバム』では執筆も担当。

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