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甲府〈アーバンズキャンプ〉
ジビエと山梨ワインを楽しむ

たびのみ散歩
vol.015

posted:2015.10.28  from:山梨県甲府市  genre:食・グルメ

〈 この連載・企画は… 〉  イラストレーターとして活躍する平尾香が、各地の粋な飲み屋をご紹介。
旅して飲んで、おいしいお酒と肴と人に出会います。

text & illustration

kao.ri hirao

平尾 香

ひらお・かおり●イラストレーター。神戸生まれ、独自の個性を発揮した作風で、世界的ベストセラー「アルケミスト」を始めとする書籍のカバーや、雑誌の挿絵、広告などで活躍。個展も多数開催。現在は、逗子の小山にアトリエを構え、本人の取材やエッセイなど活躍の幅は広い。著書本に「たちのみ散歩」(情報センター出版局)「ソバのみ散歩」(エイ出版社)
http://www.kao-hirao.com/
https://www.facebook.com/Kao.0408.hirao

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横丁でワインとジビエとアウトドア

ちょっと、ぶどうを買いに山梨まで、なんて言うとかっこいいかしら……。
そんなことを考えながら、鈍行列車に揺られて中央本線。
車窓から見える山が近づいてきました。
朝の雨も止んですっかり晴れた頃、甲府駅に到着。
初めてのまち、ゆっくり歩いて日帰り温泉を目指します。
喜久の湯温泉は、住宅街にあって、銭湯の脱衣場もタイルの湯船もレトロな雰囲気。
地元の常連さんたちと明るいうちからのお湯は最高。
さぁ、喉が渇いたよ。

目指した酒場は、シャッターが閉まって、本日休業の様子、がっくり。
雨上がりの夕焼けに包まれてゆくまちをウロウロ。
2軒ほどハシゴ酒して、やっぱり気になった〈甲府ぐるめ横丁〉へ。
オシャレなロゴの看板と赤提灯をくぐって、通路を抜けるとその先は、広い空間。
真ん中は通路ですが、両サイドは、ドアも壁もない店舗が連なった横丁。
テーブルと椅子が並んで、フードコートのよう。
ワイワイやってる空間のテーブル席のひとり呑みは、気後れするなぁと思って、
横を見ると、こちらのお店は、壁で仕切られて、奥に伸びたカウンター。
間口に置かれた看板には、ジビエとアウトドア料理、山梨のワインとあります。
なんだか、楽しそう。

さっそく入って、間口からすぐの席に着席。
帰りの電車までの時間を気にしながら、奥の黒板に書かれた
グラスワインのメニューから選んだ赤ワインは、〈種をまく人〉、
シャトージュンのアートシリーズ、山梨県立美術館所蔵のミレーの絵画が
エチケットと商品名になっています。
ミディアムタイプだけど、後味すっきりで、おいしいワイン。
お調理は写真つきのわかりやすいメニューファイルから、
大好きなイチジクの入った鹿肉のパテを注文。
木のプレートにピクルス、コンソメのジュレもそえられて、オシャレなひと皿。
一口頬張るとジビエらしい風味も強すぎず、
いつも食べてるパテとはやっぱり違うワイルド感。ワインとの相性もいいですね。

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登山ガイドのオーナーさんの思い

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気さくにどこから来たんですか? 
なんて声をかけてくれたお兄さんがふたりで回すカウンター内は、
ダッチオーブンがあったり、肉の焼かれる煙は、ワイルドなアウトドア感。
見渡すとナチュラルな木がふんだんに使われた店内。
カウンターも見事な一枚板。低めの木の椅子に、
ゆったりもたれ掛かれば、深呼吸したくなるような居心地のよさ。

話せば、オーナーさんは、現役の登山ガイドということもあり、
鹿が増えすぎた現在の山の問題を考え、このお店を始めたそう。
山梨県の富士河口湖町と早川町、静岡県伊豆市の3地域より
厳しい基準をクリアして処理された野生の鹿肉を
そんな問題をふまえつつも、気軽にまち中でいただけるのがうれしい。

鹿肉のワイルド感をもっと味わいたいと思ったところで、
タイムアウト! 帰る時間。

最後にキオスクで買ったワンカップのワインを片手に、
電車に揺られて窓に写るのは、ほろ酔い顔。
ちょっと、ぶどう酒を呑みに山梨へ……。

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information


map

urban’s camp 
アーバンズキャンプ

住所:山梨県甲府市中央1-6-4 芳野ビル1F 甲府ぐるめ横丁内

TEL:055-225-5207

営業時間:火~木 18:30~23:30、金・土 18:00~24:00、日 17:00〜22:30

定休日:月曜

http://urbans-camp.com/

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