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posted:2019.11.14 from:京都府京都市 genre:旅行
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
心ときめく言葉が空間いっぱい広がる。
“詩に泊まる”そんな夢の世界にタイムスリップするような体験ができるホテルが
この冬より期間限定で京都に登場しました。
場所はJR京都駅・八条口から南へ徒歩10分ほどのところにある〈HOTEL SHE, KYOTO〉。
“最果ての地のオアシス”をコンセプトに今年の3月にリニューアルオープンしており、
どこかノスタルジックでゆったりとしたムードが漂います。
そんな〈HOTEL SHE, KYOTO〉内に、今回言葉を散りばめたのは詩人・最果タヒさん。
ご存知の方も多い通り、中原中也賞、現代詩花椿賞などを受賞し、
詩集はもちろん、エッセイの刊行や、広告、美術館での展覧会など精力的に活動する、
今注目の詩人です。
今回は“最果”つながりで抜擢されることに。まさに奇跡の最強タッグですね。
ホテル内には、そんなタヒさんが今回のプロジェクトのためだけに書き下ろした
珠玉の言葉たちが広がります。いったいどんな空間になっているのでしょう。
ちなみにホテルの部屋はダブルとツインの2タイプがあるのだそう。
ぜひ恋人や家族、友人と一緒に、泊まりに行ってみてください。
また、今回のプロジェクトに合わせてオリジナルグッズも登場。
これまでタヒさんの書籍デザインを手掛けてきた佐々木俊さんがデザイナーとして入り、
タヒさんの詩のレコード『こちら99等星』がリトルモアから発売。
朗読は青柳いづみさんが担当されており、数量限定販売となっています。
ホテルでも購入できるほか、予約時に購入することも可能。
ファンならぜひ手に入れて。
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今回のプロジェクトに際し、タヒさんはこんな言葉を寄せています。
「帰るということが、大人になるたびに難しくなる。
家の鍵を持ったって、帰り道を覚えたって、鍵も持たなかった、
道もわからなかった子どもの頃よりずっと、『帰る』ことがわからない。
自分で選んだ家具や家電で部屋を作っていったところで、
どうしてか、そこに収まるだけが「帰る」ではないように思う。
自分が、ちょうどよく作った場所が、
私の本当の「ちょうどいい場所」ではないのかもしれないと思うたび、
すこし、遠出がしたくなります。
詩のホテルを、HOTEL SHE,さん、佐々木俊さんとともにつくることになりました。
佐々木さんが最初にツイッターにあげてくれた「詩のホテル」というアイデアが、
こんなにも早く実現するとは夢のようです!
詩は、その人の暮らしや、息遣いに溶け込んでいくような、
その人自身の言葉として溢れてきたようなものであってほしいと思います。
それは、もしかしたらこうした『部屋』としての詩のあり方に、
つながっていくのかもしれません。
自分の部屋にいても、ちゃんと帰れていない気がする。
そこから逃れて、ホテルの部屋に飛び込んでみる。
そこが本当の帰るべき場所だった、なんてことは思えないけれど、
でも、『今はどこにも帰る必要がないのだ』ということだけは確かに思うことができる。
帰れていなくても、『ちょうどいい場所』をつくり出せなくても、
わたしはずっとずっと、自分の暮らしをそれなりにやっていたんじゃないかなあ。
生きてはいるのだって、そんな風にそんなふうに思うとき、天井に見える言葉を書いています。
ぜひ」
〈HOTEL SHE, KYOTO〉でぜひ、タヒさんの揺らめく
美しい言葉を堪能しましょう。
土日は徐々に予約が埋まりつつあるようです。
気になる方は急いで!
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