廃校をリノベした小豆島のゲストハウス 〈NOTEL〉が2024年8月に オープンしました!

〈NOTEL〉がついにオープンしました

2024年8月23日、小豆島肥土山(ひとやま)地区に、
廃校になった小学校をリノベーションしたゲストハウス
NOTEL(ノーテル)〉がオープンしました!
肥土山は、私たちHOMEMAKERSが農業の活動拠点とする農村で、
小豆島の真ん中あたりにあります。

昔話に出てきそうな肥土山の秋の風景。NOTELから徒歩5分ほど。奥に見える建物は『肥土山農村歌舞伎舞台』。

昔話に出てきそうな肥土山の秋の風景。NOTELから徒歩5分ほど。奥に見える建物は『肥土山農村歌舞伎舞台』。

この地に、友人や知人、つながりのある人たち、
小豆島を訪れてくれる人たちが泊まれる場所をつくりたい!
その夢がようやく実現し、動き始めました。

2024年8月23日、NOTELオープンの日。真っ青に晴れ渡った夏空とNOTELのロゴが入った建物。

2024年8月23日、NOTELオープンの日。真っ青に晴れ渡った夏空とNOTELのロゴが入った建物。

今回は、NOTELのチェックインから
おすすめの滞在中の過ごし方をご紹介します。

まずはNOTELへのアクセスですが、最寄りの港は、
土庄(とのしょう)港または池田港で、そこからバスまたは車で
15分ほどになります(バスのルートによっては30分ほど)。

バスの場合は、「常盤橋」バス停で下車して徒歩3分ほど。
本数は1日に3〜5本程度ととても少なく、
船との乗り継ぎもあまり良くないので、
事前に旅の行程とあわせて計画が必要です。バスの時刻表はこちら

車でお越しの方は、NOTEL看板がある石柱のところから敷地へ。写真左のグラウンドの方に進んでいきます。

車でお越しの方は、NOTEL看板がある石柱のところから敷地へ。写真左のグラウンドの方に進んでいきます。

NOTEL宿泊受付カウンター。

NOTEL宿泊受付カウンター。

NOTELのチェックインは15〜18時です。
チェックインは、建物1階のHOMEMAKERSカフェにある
NOTEL宿泊受付カウンターへ。
スタッフがお出迎えします。
もし早めに到着された場合は、1階にあるHOMEMAKERSカフェで、
遅めのランチをすることもできますし、お茶休憩もおすすめです。

NOTEL1階にあるHOMEMAKERSカフェ。11時から17時まで開いています。(定休日:水、木曜日)

NOTEL1階にあるHOMEMAKERSカフェ。11時から17時まで開いています。(定休日:水、木曜日)

カフェの営業時間中は、店内でチェックイン手続きをしていただきます。

カフェの営業時間中は、店内でチェックイン手続きをしていただきます。

NOTELにチェックイン時間より早く到着されたら、カフェ前の木陰で休憩もおすすめ。

NOTELにチェックイン時間より早く到着されたら、カフェ前の木陰で休憩もおすすめ。

カフェでランチを食べてから、NOTELにチェックインという流れもおすすめ。

カフェでランチを食べてから、NOTELにチェックインという流れもおすすめ。

伊豆下田〈山田鰹節店〉直伝、 お出汁を用いた絶品料理とは?

後世に残していきたい伝統食、鰹節

伊豆下田のおすすめとして
〈山田鰹節店〉をあげるという津留崎徹花さん。
その場で薄削りにして販売してくれる鰹節に、
紹介した誰もがリピートするようになるのだとか。

そんな山田鰹節店のご家族に、
鰹節やさば節での出汁のとり方を実演してもらい、
これだけで立派な料理の一品になると思えるほど
感動したようです。

今回は、徹花さんが教えてもらった
基本となるだしの取り方や鰹節とさば節の使い分け、
そして出汁を使った家庭料理のレシピを惜しみなく紹介します。

温泉宿の跡地を古民家移築で再生。 自家発電のエネルギーシステムで 新時代のホテルを目指す 〈Onsen & Garden 七菜〉

緑豊かな里山で、地産地消のおいしい食事と温泉が楽しめる
〈Onsen & Garden 七菜〉が、2024年4月にグランドオープン。
金沢市の中心から車で20分、都心の喧騒を離れた場所に、
飛騨から築200年以上の古民家を移築した、心癒されるホテルとなっています。
オーナーである徳山相哲(とくやまそうてつ)さんと菜月(なつき)さん夫妻は、
ともに東京都の出身。前職も中学校の先生と会社員という、
田舎暮らしとも、ホテル業とも、無縁の生活を送っていたふたりでした。
それが都会での生活に息苦しさを感じるようになり、地方移住を考え始めたのだとか。

おふたりの好きな里山の風景を見ながら、テラスではバーベキューが楽しめる。

おふたりの好きな里山の風景を見ながら、テラスではバーベキューが楽しめる。

誰もが「ありのまま【有りの儘】」でいられるリラックスした空間をつくりたかった

「もともとエネルギー問題や自然環境に関心があったのですが、
子どもが生まれたことで、より自分らしく生きられる環境に身を置きたい、
人として無理なく生きられる環境で、職住一体となる場所に移りたい
という思いが強くなりました。

そして、普段都会で生活されている方や近郊で働かれている方たちにも、
同じように自分らしさを取り戻せる場所を提供したいと思うようになり、
ホテルの運営ができる移住先を探すなかで、この温泉地の権利を手放したいという
オーナーの知人と出会えたんです」と菜月さん。
こうして、コンサルティング会社を経営するお父さんの会社の一部門として、
ホテル事業がスタートしました。

あるものをすべて生かすという考えでエネルギーシステムを構築

さらに驚くのは、このホテルのエネルギーが、
夫の相哲さんが構築した自家発電によるものだということ。
ホテルをつくるときに、出来る限り、二酸化炭素を出さない持続可能な
エネルギーシステムにしたいと考え、
太陽光発電と温水施設でほぼ、まかなえる設計となっています。

「この土地のメリットを生かし、熱エネルギーと電気エネルギーをあますところなく
活用するにはどうしたらいいのか、1年ぐらいかけて構築しました。
未経験のなかで、全体が理解できる専門家がいないので、それぞれの分野の
専門家の方に聞きながら、トータルのシステムを考えました」と相哲さん。
現在、ホテルの主な電気は太陽光発電、給湯は温泉廃熱・太陽熱・
地域の間伐材を活用した薪ボイラー、その熱利用での全館床暖房となっているそうです。
また、高温の温泉水や廃熱利用や太陽温熱による給湯、さらに蓄電池、
電気自動車に蓄電した電力を住居、建物にまかなえる仕組みとなっています。
今後は、北陸地域が11月以降、雨と雪の時期が長いこともあり、
山水や融雪システムなどの導入を利用した水力発電も試作していくのだとか。

手入れをほとんどしないのに 多様な草花が芽吹いていった 5年間の記録。『家の庭』を刊行

庭の変化は驚きの連続だった

北海道も夏本番。
強い日差しが照りつけるなかで、庭や畑に出ていたら、真っ黒に日焼けしてしまった。
今年は春からポットに種をまいて野菜やハーブの苗をたくさんつくった。
それを仕事場として借りている一軒家の庭と、
近所の閉校した中学校の敷地にある花壇と畑に、せっせと植えた。
それらがいま大きく成長して収穫に追われている。

仕事場の庭。右は梅干し用に育てているウラベニシソ。左下の赤い実はナンバン。草があふれているので見えにくいが、こうやってところどころに苗を植えている。

仕事場の庭。右は梅干し用に育てているウラベニシソ。左下の赤い実はナンバン。草があふれているので見えにくいが、こうやってところどころに苗を植えている。

仕事場の庭は、5年前に借りた当時、ほとんど何も育たなかった。
もらってきたキュウリやナスの苗を植えたり、
小松菜やほうれん草の種をまいたりしたが、バッタに食べられたりして、
跡形もなく消えてしまっていた。
それが最近、スクスクと育つようになっていて
環境が明らかに変化していると感じられる。
庭の変化は私にとって驚きの連続。その過程を本にまとめておきたいと考えた。

小道以外の部分はびっしり草が生えている。写真だとよくわからないけれど、それぞれの植物がすみ分けをしながら生きている。

小道以外の部分はびっしり草が生えている。写真だとよくわからないけれど、それぞれの植物がすみ分けをしながら生きている。

書き始めたのは7月中旬のこと。
A4サイズのコピー用紙を半分に切って、そこに下書きせずに
いきなり文章を鉛筆で書いていった。
書き間違ったら消しゴムで消しつつ、見開きごとに仕上げていった。
まとめやオチなどはあまり気にせず、書きたいと思ったことを
紙にできるだけ出してみようと思った。

原稿。書き直したいと思ったら、消しゴムで消すか、紙を切って貼るか、していった。

原稿。書き直したいと思ったら、消しゴムで消すか、紙を切って貼るか、していった。

この連載の原稿のようにパソコンを使って書く場合は、
何度も修正して文章を整えていくが、文字を手で書くときは、
多少読みにくい言い回しでも、勢いで書いたほうがいい気がしている。
表紙を含めて32ページの原稿を1週間くらいで書き上げた。
それをスキャナーでデータ化し、パソコンで色をつけ、8月初めに印刷に出した。

刷り上がった本。A6サイズで32ページ。

刷り上がった本。A6サイズで32ページ。

全国のブランド米を使った 〈生米パン〉が ふるさと納税品として続々登場

全国のブランド米を活用した「生米パン」構想

農林水産省発表の「食料需給表」によると、2022年度の国民ひとり当たりのお米の
年間消費量は50.9キロ。
ピークだった1962年度の118.3キロの半分以下になっています。

そんな米離れが進む状況下において、米農家をサポートする支援へと動き出したのが、
地域創生を基幹事業とする〈レッドホースコーポレーション〉。
米の活用方法についてさまざまな調査・検討を進めるなかで、
自然派でしかも生米からつくるという珍しくも興味深い商品を製造する
〈ハニーマザー〉と出合いました。
両社がタッグを組んで生まれたのが、全国のブランド米を使った「生米パン構想」です。

青森県鰺ヶ沢町のブランド米「まっしぐら」を使った「生米パン」

生米パン

その第1弾として販売が開始されたのが、青森県鰺ヶ沢町産のブランド米
「まっしぐら」と秋田県男鹿市産のブランド米「あきたこまち」を
使った2種類の〈生米パン〉(最低寄付金額13000円、4個入り)です。

本品の開発はレッドホースコーポレーションの鰺ヶ沢町担当による
「まちの豊富な食材を使って新しい特産品を開発してほしい」
という熱い要望から始まりました。
町からは地元事業者の開拓・底上げを希望され、それを受けて既存の地元事業者の
商品との組み合わせで互いを高め合えるような商品の開発を目指しました。
その結果、青森県内で最も作られているブランド米「まっしぐら」を使った
「生米パン」が商品化されました。

青森県鰺ヶ沢町産まっしぐら使用の生米パン

米づくり、古民家リノベ、 山菜・野いちご・甘夏狩り! 糸島の「暮らし」と「人」を知る 〈いとしまシェアハウス〉お試し移住

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

コロナ禍をきっかけに普及した“テレワーク”のおかげで、
ハードルが高かった地方移住は、だいぶ身近な選択肢になりました。

日本最大級の移住相談窓口〈ふるさと回帰支援センター〉によると、
2023年の地方移住相談件数は5万9276万件。
3年続けて過去最多を記録するほど、関心が高まっています。

一方で、

「移住に興味はあるけれど、いきなり田舎に飛び込むのは抵抗がある」

そんなふうに感じている人は多いのではないでしょうか。

移住生活は、良いことも悪いことも
「暮らしてみないとわからない」ことばかり。
実際に地方移住をした人のなかには、
理想と現実とのギャップに直面し、都市部に戻ってしまう人も少なくありません。

そういった「ミスマッチ」を防ぐためにも、
移住前の事前リサーチや、お試し移住がとても大事だと思っています。

青々とした田んぼで草取りなどの作業をする人々の写真。

そのひとつとしておすすめしたいのが、各自治体が行う移住促進企画の活用です。

〈いとしまシェアハウス〉も去年から、
福岡県主催の移住体験プログラム〈福岡くらしごと体験〉に参加しています。

これは、福岡県への移住や、
我が家の暮らしに興味がある県外の方を対象としたもので、
地域に根づいた「暮らし」と「しごと」に触れることで
一般的な観光では体験できない
魅力やつながりをお試し体感できるプログラムです。

2泊3日〜3泊4日の体験費は無料。
宿泊費やレンタカーの補助も出るので遠方からでも参加しやすく、
田舎暮らしの“リアル”を体感することで
自分にマッチしているかどうか、じっくり考えることができます。
(食費などの実費は自己負担となります)

木をふんだんにつかったワークスペースでPC作業をする人の写真。

テレワークを体験しに来られる方も多いです。

さらに、〈いとしまシェアハウス〉が企画したイベントに参加する場合も
宿泊補助やレンタカー補助は適用されるため、

「いとしまシェアハウスの暮らしに興味はあったけど、
遠方でなかなか行くチャンスがなかった」

という方にもおすすめしたいです。

田舎暮らしに漠然と憧れるよりも、まずは一歩飛び込んでみる。
そんな勇気をくれるプログラムだと思います。

大豆と麹をまぜて、味噌づくりをする人々。

味噌づくりワークショップ。泊まり込みでの参加なら、麹づくりから体験できるかもしれません。

小豆島の農村ゲストハウス 〈NOTEL〉のオープンが、 2024年8月23日に決まりました!

農村ゲストハウス〈NOTEL〉のオープン日が決定!

「宿はいつオープンするの?」
と、これまで何度聞かれたことか。

2022年夏から準備を進めてきたこのプロジェクト。
ようやくオープン日をお知らせできるところまできました。

小豆島肥土山に、農村ゲストハウス〈NOTEL(ノーテル)〉が
2024年8月23日(金)にオープンします!
宿泊予約も始まっています。

廃校を改修したゲストハウスの外観

旧小学校の建物を改修した〈農村ゲストハウス NOTEL

あれ? ゲストハウス? ホテルじゃなかった?
小豆島日記を読んでくださっている方のなかには、
もしかしたらお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。
これまで、小豆島日記で何度かNOTELのことを書いてきましたが、
「農村ホテル」という表記をしていました。

あらためて、この宿泊施設は何ができて、どんな場所なのかを
話し合ったときに、一般的なイメージとしては、
ゲストハウスのほうがしっくりくるねという結論になり、
最終的に「農村ゲストハウス」になりました。

今回は、この農村ゲストハウスNOTELがどんな宿泊施設なのか、
その概要をお伝えさせていただきますね。

田んぼ

NOTELのまわりには田んぼが広がっています。7月は1年のなかで1番、緑が濃くて美しい。

まず、最初にNOTELはどんな場所にあるのか。
小豆島の肥土山(ひとやま)という農村地区にあります。
最寄りの港は、土庄(とのしょう)港で、車で15分ほど、
路線バスも走っていますが1日5便ほどです。池田港からもほぼ同じ距離です。

山々に囲まれた盆地の農村

山の上からみた肥土山地区。山々に囲まれた盆地の農村です。

島にありますが、オーシャンビューの宿泊施設ではありません。
代わりに、全室マウンテン&ファームビューです!
徒歩1分で田んぼです。
農村風景を存分に味わっていただけたらうれしいです。

つぎに、建物のこと。
もともとは小学校だった2階建ての建物。
小学校時代は、1階に1〜6年生の教室があり、
2階は音楽室や理科室などの特別室だったそう。

2005年に小学校が閉校になり、その後、建物を分割、改修工事し、
西側は公民館、東側は介護施設として使用されていたのですが、
介護施設は移転し、2018年頃から分割された東側の建物は空き家状態でした。
NOTELは、小学校だった建物の東側半分です。

田んぼから見たゲストハウス

NOTELのお隣は、地域の公民館。斜め前にはこども園があります。人が集まる地域の中心的な場所。

この建物の2階部分が宿泊者の専用エリアとなり、
トリプル4室、ツイン2室、シングル1室の全部で7つの個室と、
共有の大きなダイニングキッチンを備えています。
元小学校なので、天井が高く、窓が多いのが特徴です。
シンプルで開放感のある部屋になっていると思います。

北海道の夏フェス〈JOIN ALIVE〉に 赤いクマが登場! MAYA MAXXのオブジェが 会場を彩って

夏フェスのアートエリアで作品を発表

北海道もようやく夏らしい日差しが照りつける季節になった。
そんななかで、私の住むまち岩見沢で音楽フェス〈JOIN ALIVE 2024〉が
7月13日、14日に、いわみざわ公園を舞台に開催された。
今年で13回目を迎えるこのフェスには、2日間で66組のアーティストが出演。
THE YELLOW MONKEYやNiziU、氣志團など多彩な顔ぶれが、
5つのステージでパフォーマンスを行った。

主催であるマウントアライブの発表によると、2日間の来場者は3万8000人。
岩見沢市の人口の約半分の人々が会場を訪れたことになる。

野外音楽堂キタオンを利用したメインステージ「ROSE STAGE」。

野外音楽堂キタオンを利用したメインステージ「ROSE STAGE」。

すり鉢状の「ROSE STAGE」。スタンディングエリアに加え、奥側には芝生エリアが広がる。

すり鉢状の「ROSE STAGE」。スタンディングエリアに加え、奥側には芝生エリアが広がる。

音楽ステージとともにアートエリアも設けられ、私が代表を務める地域PR団体
「みる・とーぶプロジェクト」が作品展示やワークショップを行った。

参加の経緯は、昨年まで活動拠点としていた近隣の閉校になった中学校が、
改修をするまでイベント開催ができない状況となってしまったことが大きい。
新たな活動の場を探す必要性を感じていたことと、多くの人に活動を知ってもらいたい
という思いから、フェス会場で作品発表を行いたいと主催者に提案。
ここからさまざまな企画が広がっていった。

メインステージを含めて5つのステージが設置。「北海道グリーンランド遊園地」も会場となりアトラクションエリアでもライブが楽しめた。

メインステージを含めて5つのステージが設置。「北海道グリーンランド遊園地」も会場となりアトラクションエリアでもライブが楽しめた。

このフェスは、アミューズメントとともにアートにも力を入れており、
以前は北海道教育大学岩見沢校の学生が中心となって作品制作やライブペイント、
パフォーマンスなどを行っていた。

しかしコロナ禍となった2年間、フェス開催ができない状況が続き、
2023年に再始動したものの、コロナ対策もあって、
アート作品の発表などは大々的に行われなかった。
今年、ようやくコロナ以前の規模で行える目処がつき、
主催者としてもアートを積極的に取り入れたいという思いを持っていた。

作品発表をすることになったのは窪地になったエリア。

作品発表をすることになったのは窪地になったエリア。

「みる・とーぶ」が展開することになったのは、入場ゲート近くの芝生のエリア。
おおよそ50メートルプールほどの広さで、ここにテントを建てて、
来場者がひと息つける場所にもなるようにと設計された。
思った以上に広いスペースで活動できることとなり、みる・とーぶのメンバーであり、
美流渡を拠点に活動する画家のMAYA MAXXさんが新作のアイデアを考えてくれた。

そのひとつが、シンボルとなる塔の制作だった。
昨年、MAYAさんと仲間とで旧美流渡中学校のグラウンドに鳥の顔がついた
10メートルの塔「アイちゃん」を立てた。
これと同じ構造で「今度はクマの顔の塔を立ててみたい」とMAYAさんは語った。
さらに、もうひとつ、隣接するステージとアートエリアをつなぐ
入場門の装飾も行うことになった。
「赤と白のハートで埋めつくしたい」とプランを考えてくれた。

旧美流渡中学校のグラウンドに立つ鳥の塔「アイちゃん」。高さ10メートルの電柱が支柱となっている。

旧美流渡中学校のグラウンドに立つ鳥の塔「アイちゃん」。高さ10メートルの電柱が支柱となっている。

MAYAさんは、このまちのさまざまな場所に赤いクマを描いてきた。同じイメージを描くことで地域がつながっていることが感じられる。これまででいちばん大きな作品は、いわみざわ公園に隣接する食品メーカーの倉庫に描いた直径約10メートルのクマ。(撮影:久保ヒデキ)

MAYAさんは、このまちのさまざまな場所に赤いクマを描いてきた。同じイメージを描くことで地域がつながっていることが感じられる。これまででいちばん大きな作品は、いわみざわ公園に隣接する食品メーカーの倉庫に描いた直径約10メートルのクマ。(撮影:久保ヒデキ)

田んぼクイズ! 「自然栽培の田んぼ」 あなたは見分けられる?

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

今回は、ちょっとしたクイズからスタートしたいと思います。

ここに、「自然栽培の田んぼ」と「一般的な田んぼ」を
上空から撮影した2枚の写真があります。
どちらが「自然栽培の田んぼ」か、わかりますか?

「どちらがうちの田んぼでしょうか」というテキストと2つの田んぼの俯瞰写真が載った、畠山千春さんのSNS画面。

【1】は左の写真を拡大したもの。

【1】と数字が打たれた、曲線を描き、びっしりと稲が植えられた田んぼの俯瞰写真。

【2】は右の写真を拡大したものです。

【2】と数字が打たれた、稲が直線的に植えられている田んぼの俯瞰写真。

ヒントは、

・農薬や肥料を使っていないこと。

・手で苗を植える「手植え」という方法で田植えをしていること。

SNSでこの問いかけをしてみたところ、
反響が大きく、こんなコメントが集まりました。

・不揃いで生命力が強そうなので、【1】が自然栽培

・窒素が濃いと緑が濃くなるので、肥料を入れていないのは色の薄い【2】

・【2】は雑草が生えておらず、人工的に整列されすぎているので【1】

・見れば見るほどわからない……! 

たくさんの回答をいただき、
予想としてはほぼ半々でしたが、
【1】が若干多い結果となりました。

みなさんはどちらだと思いましたか? 

花期を迎えた「ドクダミ」で手づくり! 虫刺され薬・化粧水にもなる ドクダミ蒸留水&チンキの 使用感や効果の違いとは?

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

蚊やブヨに悩まされる季節がやってきました。
虫除け、虫刺されに効果のある「ドクダミ」は、今が収穫どき。

コロカルでも過去に野草の「虫除け&虫刺され薬」
「チンキ&軟膏」のつくり方をご紹介しましたが、
虫刺され薬のつくり方として一番ポピュラーなのが
野草をアルコール漬けにしてエキスを抽出する「チンキ」という方法。
加水したり、保湿効果のあるグリセリンなどを加えることで
美白化粧水としても使えるすぐれものです。

半日蔭に生えたドクダミの写真。

ドクダミは、生葉をすりつぶして虫刺されに擦りつけるだけでかゆみが和らぎます。

ただ、あるときこのレシピを見た友人から
「肌が敏感で、アルコールは刺激が強く肌が荒れてしまう」
と相談されました。

そこで考えついたのが「蒸留」です。
これなら肌への刺激が少なく、いろんな人が使えるのでは……? 
と考え、さっそく実験してみることにしました! 

(蒸留水でも、植物によっては濃度が高く出るものがあるので
注意してご使用ください)

ドクダミを蒸留する

ガラスの蒸留器にセットされたドクダミの花の写真。

蒸留とは、植物を煮出したり蒸したりすることで
植物のエキスや芳香成分が蒸気のなかに溶け込み、
その蒸気を急激に冷却することで液化するという仕組み。

取り出した液体にはさまざまな効能があり、
化粧水やヘアケアなどに活用することができます。

今回は、「梅の花のアロマウォーターづくり」の際にご紹介した
ガラス製の蒸留器と、
家庭用のホーロー鍋を使って蒸留していきます。

(1)ガラス製の蒸留器を使って蒸留してみる

化粧水として使いたかったので、美白効果が高いといわれている
ドクダミの白いお花だけを集めて贅沢に蒸留してみました。

ガラスの蒸留器にセットされたドクダミの花を上から見た写真。

庭に生えているドクダミの花をさっと水洗いして蒸留器へ。熱が加わると一気にかさが減るので、花は多めに入れるくらいでOK。

ビーカーの周りにドクダミの花を敷き詰めて水を入れ
蓋部分に氷をセッティングしたら、
氷を溶けにくくするためにさっと塩をふります。
準備が整ったらスイッチオン!

蒸留器を熱して、ドクダミの花を煮だしている写真。

お湯を沸騰させると、ドクダミのエキスを含んだ蒸気が部屋いっぱいに広がります。

ドクダミの香りというと青臭い印象で嫌われがちですが、
集めた蒸留水は、青臭さがなくなり、
フレッシュで爽やかな香りがしました。
(でも、ドクダミらしさはしっかりと残っているから不思議です!)

30分程でドクダミのエキスが集まった蒸留水ができあがりました。

(2)ホーロー鍋と耐熱容器で蒸留してみる

「蒸留してみたいけど、家に蒸留器がない……」
という方もご心配なく。
キッチンにある鍋や蒸しザルでも、簡単に蒸留できます。

こちらでは、ドクダミの葉っぱを原料に
蒸留水をつくってみたいと思います。

ホーロー鍋にドクダミの葉っぱを敷き詰めて水を注いている様子の写真。

煮ている間に耐熱容器がカタカタと揺れて、中心からずれてしまうことも。蒸留水をこぼさないように容器を固定したりと、ちょっとコツが必要です。

鍋の中心に耐熱容器を置き、周りにドクダミの葉を入れます。
耐熱容器の周りに葉っぱがひたひたになるくらいまで水を入れ、
鍋蓋を逆さにして被せ、
その上に氷を置いたら火にかけて、ドクダミを煮出します。
こうすることで、立ち上った蒸気が蒸留水となり
裏返した蓋の取手を伝って、耐熱容器に集まってきます。

ホーロー鍋の蓋を逆さにして、蓋の上に氷を置いている写真。

蒸気を急冷するために氷を使います。なければ保冷剤でもOK。

強火でボコボコ沸騰すると、
鍋のなかで耐熱容器が揺れて割れてしまうことがあるので、
弱火で試してみてください。

耐熱容器が割れるのが不安な方は、
蒸しザルの上に耐熱容器とドクダミの葉を置いて
容器が揺れないようにするなど工夫してみてください。

20分ほど煮出して、無事に蒸留水ができました。

蒸留水を溜めたビーカーの写真。

さて、蒸留して気になったのが香りの変化です。

ドクダミの独特な匂いのもととなる「デカノイルアセトアルデヒド」は
強力な殺菌作用があるといわれており、
お肌のトラブルを解決に導く重要な成分です。
けれど、ドクダミを乾燥させると
独特の匂いと共に殺菌効果が失われるため、
この成分を活用したい場合は生葉を使うことが勧められています。

今回、蒸留でドクダミ特有の青臭さがなくなったことで
「デカノイルアセトアルデヒド」に何か影響があったかも? 
と思い調べてみました。
加熱によって成分が変質する可能性はあるそうですが、定かではない様子。
確実に殺菌効果を高めたい場合は加熱せず、
アルコールに漬け込むチンキのほうが向いているかもしれません。

とはいえ、蒸留してもさまざまな効能は十分残っているはずなので
化粧水としての役割を果たしてくれると期待しています! 

和歌山の料理人・石井佳奈氏が描く、 農が食になるまでを伝える本 『ワンダフル・アグリカルチャー』

農家の代わりに農業の面白さと、生産の現場のリアルな話を伝えたい

滋賀県に生まれ、「生産者の近くで料理がしたい」という想いで2018年に和歌山に移住し、
2020年にケータリング専門〈ozzkitchen〉を岩橋(イワセ)地区に開業した石井佳奈さん。
農家から直接仕入れるオーガニック野菜を中心とした
“身体が喜ぶお料理“を提供しています。

ローカル食品店〈フードセンターイワセ〉

生産者とのつながりを生かして
「一般の方も地元のオーガニック野菜を気軽に買えるお店をつくろう」と
2022年にはローカル食品店〈フードセンターイワセ〉を開店。
そして今回「日々の畑仕事が忙しい農家さんの代わりに、農業の面白さと、
生産の現場のリアルな話を伝えたい」という想いから、新たに本の出版を予定しています。

農家の方は、作物をつくることで消費者の食を支え、私たちの身体をつくっています。
さらに地域の伝統や風習を受け継ぎ守っていくことで、
その土地の景観を保つことまでもが仕事です。
自然が相手の農業は、同じ作業をしていても、毎年同じようにはいかないことばかり。
そのため農家の方は日々研究と努力を重ね、おいしい作物をつくる工夫を惜しみません。
農家の方々が集まると、自分の畑をアップデートするため、情報を交換し、
いつまでも農業の話がつきません。
しかし、一般家庭までその努力が伝わっているかというと、そうではない。

ケータリング専門〈ozzkitchen〉

当たり前のように、年中おいしい野菜が手軽に手に取れる時代。
スーパーで野菜が「商品」になったとき、誰もその農家の方の努力や、
店頭に並ぶまでの苦労や工夫、喜びなどは伝えていません。

その上、市場の需要と供給のバランスによって末端価格は激しく変動し、
数十円の値上がりでも野菜は高いと文句を言われることもあります。

農家から直接仕入れるオーガニック野菜を中心とした“身体が喜ぶお料理“

「私たち消費者はもっと自分たちが食べるものがどうやってできているのか、
誰のおかげで毎日おいしい野菜が食べられるのかを知るべきだ」と石井さんは考えました。

農家の方は日々の畑仕事が忙しく、発信する時間が取れない。
消費者も仕事や家事に忙しく、畑に話を聞きに行けない。
「それなら、代わりに農業の面白さと、生産の現場のリアルな話を伝えたい」と
石井さんは本の出版を決意しました。

〈Kazemachi SHIMODA -風まち下田-〉 空き物件を再生し、子どもの居場所、 そして交流、共創、挑戦の場に!

〈Kazemachi SHIMODA -風まち下田-〉スタート!

移住8年目で大きな変化があった津留崎鎮生さん。
下田の中心市街地へとつながる橋のたもとにある4階建ての空き物件を、
地域内外の人が集う「交流・共創・挑戦」の拠点、
そして「地域の子どもの居場所」となる複合施設として再生させ、
運営していくという事業をはじめます。
その名も〈Kazemachi SHIMODA -風まち下田-〉。
現在は開業に向けて準備中とのこと。
どのような思いでこの事業をはじめようと思ったのか、
その背景を語ってくれます。

新しい〈HOMEMAKERS CAFE〉 ついにオープン! 廃校をリノベ、再び人の集まる場所へ

新生HOMEMAKERS CAFEが誕生しました

2024年6月22日(土)に新しいHOMEMAKERS CAFEがオープンしました。
ようやくこの日を迎えることができ、ひとまずほっとしています。ほっ。
今回は、そのオープン日のこと、これからのことを書きます。

おしゃれなカフェの外観

オープン初日。お客さんが来てくれるかドキドキの朝。

木製のカウンターがあるカフェ。大テーブルには、花が飾られている

カフェ真ん中の大テーブルには、畑で咲いていた、にんじんの花を飾りました。

カフェづくりに着手したのは2024年の年明け頃。
中古の厨房器具の掃除や窓枠の塗装など、
まずは自分たちでできるところから作業を進めていきました。

本格的に工事が始まったのは4月頃。
水道やガス、電気などの設備工事からスタートし、
大工工事や家具の製作、天井や壁の塗装など、
毎日たくさんの職人さんたちが来てくださり、
ひとつひとつ工事が進んでいきました。
工事の様子は、前回の小豆島日記vol.334で書きましたので、
気になる方はぜひご覧くださいね。

2023年12月末にこれまでのHOMEMAKERS CAFEの営業を終え、
2024年3月末頃には新しい場所で移転オープンとして開けたいなと
思っていたのですが、その頃にはオープンできる気配など1ミリもなく、
もう焦らずにできるタイミングでオープンしようと
気持ちを切り替え粛々と作業を進めてきました。

木材がたくさん並ぶ

厚さ10センチほどある巨大な松の一枚板が、カフェの大テーブルになりました。運搬だけでもとても大変でした。

大きな壁を漆喰で塗る作業

大きな壁をこの土地の赤土を混ぜた漆喰で塗りました。大きな壁をふたりの女性が赤土色の漆喰で塗り上げていく後ろ姿がとてもかっこよかった。

「おいしいビールを届ける」まちづくり 和歌山県有田川町にある 国際色豊かな〈Nomcraft Brewing〉

300種類以上のビールをつくりだしてきた

海が近く、年中温かくて雨が少ない和歌山県有田川町は古くから続くみかんの名産地。
見渡す限りのみかん畑の中に佇む〈Nomcraft Brewing〉は
2019年に誕生したクラフトビールの醸造所だ。

〈Nomcraft Brewing〉が入居するのは、元保育園をリノベーションした複合施設〈THE LIVING ROOM〉。

〈Nomcraft Brewing〉が入居するのは、元保育園をリノベーションした複合施設〈THE LIVING ROOM〉。

メンバーは「シセロン」というビールソムリエの国際認定資格を持つ
シカゴ出身の醸造長アダムさん、
有田川に移住して18年のイギリス人ギャレスさん、
ドイツの醸造・精麦マイスターの資格を持つドイツ人のマークさん、
イギリスで研鑽を積んだジュンヤさん、
そして海外生活のなかでクラフトビールに出合い
〈Nomcraft Brewing〉の創設に関わることになった金子巧さん。
実に国際色豊かな顔ぶれであることに加えて、全員が移住者だ。

左から右に、代表の金子巧さん、有田川町に移住して18年のギャレスさん、醸造長のアダムさん、醸造・精麦マイスターの資格を持つマークさん。

左から右に、代表の金子巧さん、有田川町に移住して18年のギャレスさん、醸造長のアダムさん、醸造・精麦マイスターの資格を持つマークさん。

〈Nomcraft Brewing〉のクラフトビールは
ホップにフォーカスしたアロマ豊かなアメリカンスタイルの味わいが特徴。
また、和歌山県が都道府県別・国内生産量1位を誇る有田みかんや、
同じく国内生産量1位を誇るぶどう山椒といった
和歌山・有田川町ならではの農作物を使用した香り高いビールなど、
創業以来300種類のビールを生み出してきた。

 (写真左)軽快な飲み心地の「Nomcraft Lager」。(写真右)ホップとアロマの苦味をしっかりと堪能できる「Nomcraft IPA」。

(写真左)軽快な飲み心地の「Nomcraft Lager」。(写真右)ホップとアロマの苦味をしっかりと堪能できる「Nomcraft IPA」。

醸造に欠かせない水は、世界遺産高野山と同じ水系に属す伏流水を使用。
「プレーンな水は、あらゆるスタイルのビールの可能性を
最大限に引き出す麦汁へとデザインすることができます。
それに和歌山のいろんなフルーツやスパイスの風味をきれいに
引き出すことができるんです」と金子さんは言う。

ヨモギの若芽はとびきりおいしい。 草いっぱいの庭でも元気に育って

草がうっそうと茂る庭。そこに生えてくる植物を見る

春だというのに、今年は肌寒い日が続いている。
つい1週間ほど前も朝晩冷え込み、ストーブをつけてしまった。

けれど、良いこともある。
北海道の春は秒速で過ぎていく。
桜の花は普段なら3日ほどで散ってしまうが、
今年はほんの少し盛りが長く続いてくれた。

北海道の桜

北海道で桜が咲くのはゴールデンウィーク頃から。よく見かけるのは山桜。ソメイヨシノほど花をたくさんつけないが、山の木々と調和して美しい。

約半年、雪に覆われているこの地域。
黒々とした地面が少しずつ現れるのは4月に入ってから。
やがて、白鳥が北へと渡り、フキノトウやチャイブの芽がポツポツと見えてくると、
気持ちがソワソワとしてくる。
わたしの仕事場の前にある庭で、今年はどんな植物や虫が見られるだろうかと思う。

雪が早く解けるようとまいたコーヒー豆のカスや米ヌカ

庭は屋根から落ちる雪もあって2メートル以上、雪が溜まってしまうことも。雪が早く解けるようにとコーヒー豆のカスや米ヌカをまいている。

雪の間から植物が顔を出す

雪の間から顔をのぞかせたのは、チャイブ(アサツキやネギの仲間)とチューリップ。いよいよ春!

この庭はほかの人が見たら、ただの草むらと思うだろう。
春も中盤になるとフキ、ヨモギ、ドクダミ、ミツバなどが勢いよく伸びてくる。
手入れはほとんどしないが、雪が解けたら、庭につけた小道を何十回も往復する。
すると土が踏み固められて、そこには大きな植物が生えてこなくなる。
また、踏みしめた土の脇だけにタンポポやアワダチソウ、稲科の植物などが生えてくる。
それぞれの植物がきちんと棲み分けをしながら生きている。

廃校をリノベして新たにオープンする 〈HOMEMAKERSカフェ〉。 壁や天井に土地の色を取り入れる

新たな〈HOMEMAKERSカフェ〉を工事中

2023年12月をもってこれまでの場所での営業を終えた
〈HOMEMAKERSカフェ〉。現在(2024年5月)、
新しい場所での移転オープンを目指して工事の真っ最中です!
だいぶかたちが見えてきたので、今日はどんなふうに
カフェの工事をしているかお伝えしよう思います。

これまでのHOMEMAKERSカフェは、
農村民家を改修した自宅の一部をカフェとして開いてきました。
週に1日、土曜日のみオープンしていて、
全席14席ほどの小さなお店でした。

もうその場所でカフェを開くことはないんだなぁと思うと
なんだかちょっとさみしいですが、今はHOMEMAKERSスタッフが
お茶休憩したり、お昼ごはんを食べたりする場所として使っています。

新しいHOMEMAKERSカフェは、現在工事中の
宿泊施設〈NOTEL(ノーテル)〉の1階にオープンします。
2024年6月末のオープンを目指して、工事を進めています。
もうすぐです(汗)。

窓枠を塗装するために、窓を外して掃除。この建物が小学校だった頃からあるレンガ壁が、とてもいい雰囲気。

窓枠を塗装するために、窓を外して掃除。この建物が小学校だった頃からあるレンガ壁が、とてもいい雰囲気。

カフェのエントランス工事。既存のアルミサッシの引き戸を外して、新しく木製の大きな扉をつくります。

カフェのエントランス工事。既存のアルミサッシの引き戸を外して、新しく木製の大きな扉をつくります。

この建物は、もともと小学校だった建物。
2005年に閉校し、その後、建物を分割、改修工事し、
公民館および介護施設として使用されていたのですが、介護施設は移転し、
2018年頃から分割された半分の建物は空き家状態でした。

建物全体は小学校の雰囲気を残しつつも、一時的に介護施設として
使われていたので、エレベーターがついていたり、
大きな介護用の浴室があったり、病院みたいな雰囲気の
引き戸や壁紙が使われていたりします。
まずは不要なものを取り外し、元の古い小学校だった頃に
戻していくような作業から始まりました。

HOMEMAKERSカフェとなるスペース。工事が始まった当初の様子。

HOMEMAKERSカフェとなるスペース。工事が始まった当初の様子。

新しい扉が取りつけられ、天井や窓枠の塗装が進み、だいぶいい雰囲気になってきました。

新しい扉が取りつけられ、天井や窓枠の塗装が進み、だいぶいい雰囲気になってきました。

シルクスクリーン印刷の蛇腹絵本 『LOVEってなに』は どうやって生まれたの?

直感に導かれるように新しい本づくりが始まって

本づくりはいつも思いがけないところからやってくる。
昨年の12月、私のささやかな出版活動〈森の出版社ミチクル〉から
『LOVEってなに』という本が発売となった。
シルクスクリーンという版画の技法で印刷された蛇腹状の絵本。
今回は、なぜこの絵本が生まれたのかを書いてみたい。

はじまりは2022年秋。
近隣にある閉校になった中学校を舞台に、私と仲間とで開催していた
『みる・とーぶ展』に、札幌から〈俊カフェ〉の店主・古川奈央さん、
イラストレーターであり絵本作家の橘春香さん、
ライターであり編集者の佐藤優子さんがやってきたことからだった。

橘さんは、東京で私が雑誌の編集長をしていたときに、
イラストレーターとして誌面に登場してもらったことがあった。
また、佐藤さんは私と同業者で、ある雑誌で一緒に古川さんを取材したこともあった。
今回は『みる・とーぶ展』を見学しつつ、橘さんから出版の相談があるということで、
わざわざ美流渡へやってきてくれたのだった。

札幌にある俊カフェ

刊行を記念したトークショーを2024年1月に札幌の俊カフェで開催。写真は左から古川さん、私、橘さん。俊カフェは、詩人の谷川俊太郎さん公認のカフェで、谷川さんの詩集やエッセイ、絵本、翻訳本、雑誌などが置かれた私設記念館のような場所。(画像提供:北海道書店ナビ)

橘さんは『盲目のサロルンカムイ』という舞台の脚本や美術を
手がけたことがあり、この物語をもとにした絵本も制作していた。
これらの脚本や絵本を1冊にまとめ、私が運営している
〈森の出版社ミチクル〉から刊行したいという希望があった。

舞台『盲目のサロルンカムイ』のパンフレットと脚本から派生した絵本

『盲目のサロルンカムイ』のパンフレットと脚本から派生した絵本。劇場での配布だけでなく、広くみなさんが手にとれる本をつくりたいと思ったそう。

この日、出版の可能性について話し合ったが、方向性はつかめなかった。
けれど、このとき私が刊行した他の出版物を見るなかで、
橘さんはシルクスクリーン印刷の蛇腹絵本『Like a Bird』に
“ひと目惚れ”してくれたという。
この絵本は、イタドリという繁殖力が旺盛で畑では厄介者とされる
植物をテーマにしていて、小樽にあるシルクスクリーンのプリント工房
〈Aobato〉が制作してくれたもの。
版画の技法でもあるシルクスクリーンはインクの発色が鮮やかで力強いのが特徴だ。

『Like a Bird』という絵本

『Like a Bird』(絵と文・來嶋路子)/ジャマ者扱いされるけれど、本当は人気者? イタドリという植物についての物語。

絵本

Aobatoの提案により、本物のイタドリの葉が貼られたページも。

私の蛇腹絵本を見て古川さんが、
「春香さんもつくってみたらいいんじゃない?」と語った。
このとき橘さんは、それなら古川さんに文章を書いてもらい、
絵をつけたいと直感的に思ったそうだ。
また、蛇腹という構造から、それぞれの面から物語が始まって、
ひとつに帰着するようなイメージが浮かんだという。

語り合うふたり。

絵本の原画を見ながら語り合う橘さんと古川さん。橘さんは、イラストレーターであり絵本や童話も制作している。横浜市出身で東京を拠点に活動していたが、2011年の東日本大震災をきっかけに札幌へ移住。絵本原画展なども多数開催。

沖縄でハワイを感じる小さなホテル。 移住者夫婦がセルフビルドで完成させた 〈The Guava Shack〉

「何もしない豊かさ」を楽しむ場所

沖縄本島のほぼ中央、サンセットが美しい西海岸に位置する恩納村。
ダイビングスポット〈青の洞窟〉やビュースポット〈万座毛〉で知られる、
旅行者に人気の地域だ。

リゾートホテルが立ち並ぶ海岸沿いから離れて、高台の静かなエリアへ。
坂道の先に、青空に映える真っ白なフラットハウスが立っている。
〈The Guava Shack〉は、1日1組限定の貸し切り型ホテルだ。

植物に包まれたプライベートガーデンと屋根のあるテラス。

道路から見えない位置にある、植物に包まれたプライベートガーデンと屋根のあるテラス。鳥の声と風に癒されながらくつろいでいると、時間の流れも忘れてしまう。

室内にはリビングとベッドルーム、バスルーム、キッチンやランドリーも揃い、
長期滞在するゲストが多い。
敷地の奥に広がるのは、ココヤシにバナナ、ハイビスカスといった
南国植物にぐるりと彩られたプライベートガーデン。
沖縄の太陽と風の下、誰の目も気にせず、自宅のようにリラックスできる。

予定を詰め込んであちこち観光するのではなく、
「ここで過ごして、“何もしない豊かさ”を感じられる場所を目指しました」と、
オーナーの望月亮さん、真希さん夫妻は話す。

庭を眺められる大きな窓際にあるキッチン。

庭を眺めて料理ができるキッチンは朝日が気持ちいい。庭のテーブルで食事を楽しむゲストも。

白を基調に、ハワイの雑貨やオブジェをディスプレイしたベッドルーム。

ベッドルームは白を基調に、ハワイの雑貨やオブジェをディスプレイ。エキストラベッドを使って最大4人が宿泊可能。

外部が見えないように、バナナリーフやココヤシ、マダガスカルジャスミンなどハワイでも沖縄でも育つ植物に囲まれたガーデン。

バナナリーフやココヤシ、マダガスカルジャスミンなどハワイでも沖縄でも育つ植物に囲まれたガーデンは、外部が見えない非日常空間。

日差しから守られる屋根つきテラスでビールを飲んだり、
地元商店で買ってきた食材で料理をしたり。
徒歩圏内のビーチで泳いで帰ったら、テラスで昼寝が気持ちいい。
小さな子どもがいるファミリーなら、庭のプールで思う存分遊ぶのも最高だ。

いつもの暮らしも沖縄の太陽と風のなかで過ごすと非日常で、
土地の魅力がじんわり伝わってくる。

ハワイ特有の建築様式ラナイ(屋根のあるテラス)を踏襲したオープンエアの空間にハンギングチェアが揺れる。

ハワイ特有の建築様式ラナイ(屋根のあるテラス)を踏襲したオープンエアの空間にハンギングチェアが揺れる。

庭にはオーナーみずから製作したプールとテーブル。

庭にはオーナーみずから製作したプールとテーブル。海に出かけなくても楽しめる。

農村ホテル〈NOTEL〉オープン準備。 小豆島の農村から山まで、 トレッキングルートをつくろう!

農村ホテル、オープン準備中です

2024年春、今わたしたちは、廃校になった小学校を改修して、
農村ホテル〈NOTEL(ノーテル)〉としてオープンすべく準備を進めています。
建物の工事、webサイトの制作、備品の調達、スタッフの調整など
いろいろなことが同時に進行中。
2024年7月上旬にはプレオープンというかたちで開きたいと思っています。

満開の桜と工事中のNOTEL。

4月上旬、満開の桜と工事中のNOTEL。

NOTELに宿泊する人に楽しんでもらいたいことのひとつが、
トレッキング(山歩き)です。
NOTELは山に囲まれた肥土山(ひとやま)という農村にあり、
ホテルから徒歩1分で田んぼ、徒歩10分で山の中という立地なので、
ぜひこの農村の小道や山の中を歩くことを楽しんでもらいたい。
どんなルートを楽しむことができるのか、実際に自分たちで歩いて
おすすめルートをつくろう! というわけで、さっそく春のある1日に
「NOTEL出発トレッキングルート開拓!」の第1弾をしてきました。

人と校舎

宿泊者の気持ちで、NOTELから出発!

農業用のため池

今回のトレッキングの目的地は「蛙子池(かえるごいけ)」。蛙子池は農業用のため池で、私たちの畑にもこの蛙小池の水が流れてきています。

その日はちょうど桜が見頃の日だったので、
「蛙子池の桜を見に行こう!」をテーマにルートを設定しました。

蛙子池は、私たちが暮らす集落の北東の山の上にある農業用のため池です。
さかのぼること今から約350年前の江戸時代、
この地域の水不足を解消するために、肥土山村の庄屋であった
太田伊左衛門典徳さんが、農業用のため池の工事を始めました。

こんな山の上に大きな穴を掘って水を貯めて、
それが山の下の集落まで流れてくるように水路をつくる、
それも人力で! そりゃ、工事は難航しますよ。
ようやくようやく完成し、待望の池水が肥土山まで流れてきたことを喜んで、
ここで暮らす人たちがお祝いの芝居をしたのが、今も続く伝統行事である
「肥土山農村歌舞伎」の始まりといわれています。

蛙子池まで歩いて行くのは今回が初めて。
NOTELに宿泊する人と同じ気持ちで、ワクワクしながら、いざ蛙子池へ出発!

「典徳翁墓地」の案内表示。

NOTELから出発してすぐにある「典徳翁墓地」の案内表示。目的地である蛙子池をつくった太田典徳さんのお墓が肥土山の集落の中にあります。

桃の花が満開。その手前を人が歩く。

この日は桃の花が満開。季節の花を楽しめるのもトレッキングの魅力。

千葉の森で 「ガスなし&雨水」で豊かに暮らす 〈パーマカルチャーと平和道場〉 ソーヤー海さん・訪問レポート

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

先日、友人であり〈東京アーバンパーマカルチャー〉創始者・ソーヤー海くん、
〈NPOグリーンズ〉代表・鈴木菜央さん、
元研修生の中島美紗子さんが運営する
千葉県いすみ市の〈パーマカルチャーと平和道場〉に行ってきました! 

ここは、築150年の母屋と2700坪の森や畑を舞台にした、
持続可能な暮らしと社会をつくる人を育てる学校です。

道場が目指すのは、「消費者」から「文化の創造者」を増やすこと。
コンポストで生ゴミを堆肥化し、野菜をつくったり、
廃材を使って小屋づくりをしたり。
循環する暮らしを体験しながら
これからの時代を生き抜く技術を学ぶ場所でもあります。

エココミュニティ運営者のギャザリングの様子。大人や子どもがソーヤーさんを囲み、話をしている写真。

古民家改修のためのクラウドファンディングでは485人が支援する大プロジェクトとなり、これまでに1000人以上が訪れました。

今回の私たちが訪れた目的は、
道場で開催されたエココミュニティ運営者のギャザリング。

長く続けるのが難しいエココミュニティを、
数十年、数百年と続く場に育てるには何が必要なのか? 
メンバー同士でノウハウを交換したり、抱える課題を解決するべく話し合ったりと、
とても濃厚な学びの時間でした。

会場となった道場で実践されていることは
〈いとしまシェアハウス〉の理念と共通することもたくさんあり、
刺激を受けた部分もたくさんあったので、
今日はその一部をみなさんとシェアできたらと思います! 

雨のなか、森の中を歩いている写真。

駅から徒歩約10分とは思えないほどのジャングル感!

土地に根ざした持続可能な農業を。 島原半島で種を守り継ぐ 〈竹田かたつむり農園〉

ミネラル豊富で、肥沃な土地に根ざす伝統野菜

その土地になじんで育ってきた野菜の種を採りながら、
長い歳月をかけて、守り継がれてきた伝統野菜。

種を蒔き、収穫し、種を採って……と繰り返しながら、
人々が種をつないでいくことで、
風土や気候を記憶し、ひとつひとつ個性ある色や形、
異なる味わいや風味を持った、エネルギーに満ちている。

長崎県雲仙市・国見町で〈竹田かたつむり農園〉を営む、
種採り農家の竹田竜太さんは、雲仙普賢岳のふもと、
島原半島の温暖な気候と、火山灰でできた黒ボク土という
肥沃な土地で育った伝統野菜、そして種を守り継いでいる。

〈竹田かたつむり農園〉竹田竜太さん・真理さん夫婦。畑のある有明町は、豊かな土壌を裏づけるように、農業生産額は県内トップクラスを誇る。

〈竹田かたつむり農園〉竹田竜太さん・真理さん夫婦。畑のある有明町は、豊かな土壌を裏づけるように、農業生産額は県内トップクラスを誇る。

竹田かたつむり農園の畑を訪れた3月下旬は、「端境期(はざかいき)」と呼ばれる、新しい芽吹きや野菜の成長を待つ時季。畑には竹田さんが育てる「雲仙こぶ高菜」が花を咲かせていた。

竹田かたつむり農園の畑を訪れた3月下旬は、「端境期(はざかいき)」と呼ばれる、新しい芽吹きや野菜の成長を待つ時季。畑には竹田さんが育てる「雲仙こぶ高菜」が花を咲かせていた。

農家になる前は、特別支援学校の教員として、10年間働いていた竹田さん。
学校では露地野菜を育てる活動に携わり、そのうちの2年は、
青年海外協力隊の野菜隊員、サモアの高校の農業教師として、
現地で野菜栽培の指導を行うなかで、
「持続可能な農業こそが主流となるべきだ」と考えるようになった。

実家のある雲仙市国見町では、父親がイチゴやメロンなどの
ハウス栽培をしており、竹田さんもその跡を継ぐかたちで一度は就農。

転機となったのは、新婚旅行中に雲仙の種採り農家・岩﨑政利さんの
「黒田五寸人参の種を採り続けて30年」という記事を、
たまたま見つけたことだった。

「こんなにすばらしい取り組みをしている方が地元にいたなんて」と、
感銘を受け、帰省してすぐに岩﨑さんの勉強会に参加。
それから2年が経過し、2016年に種採り農家として再スタートした。

竹田かたつむり農園では「在来種・固定種」の野菜を中心に年間約60品目以上を栽培している

竹田かたつむり農園では、農薬や化学肥料を利用せず、
種が採れる「在来種・固定種」の野菜を中心に、西洋野菜、
黒米や種じゃがいもなど、年間約60品目以上を栽培している。
そのうちの9割で種採りを行っており、
雲仙こぶ高菜、黒田五寸人参、九条ネギ、
イギリスの在来種・アーリースプリング パープルブロッコリーなど、
初めて見聞きするような伝統野菜も多く扱っている。

採れた種は乾燥剤とともに瓶やプラスチック容器に保存し、冷蔵庫の中で5℃以下に保つ。そうすることで発芽率を保てるそうだ。

採れた種は乾燥剤とともに瓶やプラスチック容器に保存し、冷蔵庫の中で5℃以下に保つ。そうすることで発芽率を保てるそうだ。

竹田かたつむり農園で栽培されている、長崎県大村市が発祥の「黒田五寸人参」。

竹田かたつむり農園で栽培されている、長崎県大村市が発祥の「黒田五寸人参」。

「種を採るには人参の場合、100本ほどの母本を選定します。
色や形を見るために、その人参を土から一度引き抜き、植え替えて、
花が完熟するまで待ち、そこから種を採ります」

黒田五寸人参の種には細かな毛がびっしりと生えているが、
これは種を守るとともに、発芽時に水分を吸い寄せる役割も担っている。

竹田さんがひとつひとつ手作業で毛を取り除いた「黒田五寸人参」の種。毛があると播種機を使って、均一に蒔くうまく蒔くことができないため、1粒ずつ取り除く作業を行う。

竹田さんがひとつひとつ手作業で毛を取り除いた「黒田五寸人参」の種。毛があると播種機を使って、均一に蒔くうまく蒔くことができないため、1粒ずつ取り除く作業を行う。

竹田かたつむり農園で育てた野菜は、
オンラインショップでの販売を行っている。

「こうして自家採種をして栽培する伝統野菜は、
同じ品種でも育ち方や成長スピードが異なります。

だからどうしても安定した収穫、流通を行うのは難しいのですが、
農園の名前にある『かたつむり』のように、
ゆっくりでも続けることが野菜を、この種を、
未来につなぐことにつながると信じている。
かたつむりの渦の形に、持続可能な農業を重ねています」

竹田かたつむり農園

そのまっすぐな思いは確実に広がりをみせており、
国見町のイタリアンレストラン〈villa del nido (ヴィッラ デル ニード)〉
をはじめ、地元の飲食店などでの取り扱いも少しずつ増えている。
また、地元第一を掲げると同時に、
「保育園や学校など、子どもたちにも伝統野菜を伝えていきたい」と、
次世代を見据えた取り組みを続けてきた。

旧美流渡中学校の活用に暗雲が! 新たな場所を探し、 まちなかで展覧会開催

3年間続けてきた校舎での活動に転機が訪れて

ここ数日の暖かさで、北海道でも雪解けが一気に進んだ。
4か月ぶりに土を踏みしめて歩く喜びは何ものにも代えがたい。
この時期は野山に出かけて春を満喫したいところだけれど、
なかなかそうもいかず、忙しない日々が続いている。

MAYA MAXXさんが仲間と建てた鳥の塔がある旧美流渡中学校のグラウンドもようやく雪解け!

MAYA MAXXさんが仲間と建てた鳥の塔がある旧美流渡中学校のグラウンドもようやく雪解け!

先月の連載では、私が代表を務める地域PR団体「みる・とーぶプロジェクト」が、
岩見沢の無印良品で展覧会を開催したことを紹介した。
この展覧会が終了したのは3月31日。
そこからわずか1か月半で、次なる展覧会が控えており、その準備が佳境となっている。

会場は岩見沢のまちなかにある阿弥陀寺というお寺で、
ゴールデンウィークの5月3、4、5日の開催を計画中だ。
お寺で開催は今回初。ここで展覧会を行うことになった経緯をまずは書いておきたい。

2021年から、私たちは近隣にある旧美流渡中学校で、
地域のつくり手の作品を紹介する『みる・とーぶ展』と、
美流渡在住の画家・MAYA MAXXさんの絵画を展示する
『みんなとMAYA MAXX展』を開催してきた。
今年も旧美流渡中学校で展覧会が開催できるものと思っていたのだが、
思いがけない展開が待っていた。

校舎の教室を利用して開催された『みる・とーぶ展』。家具や器など手仕事の作品が並ぶ。

校舎の教室を利用して開催された『みる・とーぶ展』。家具や器など手仕事の作品が並ぶ。

この3年間、私たちの団体は、岩見沢市の教育委員会から、この校舎を試験的に活用し、
その実績をまとめ、活用のアイデアを提案するという業務を受託してきた。
展覧会開催のほか月1回のワークショップデイを設けるなど、
3年間の来場者数合計は1万人を超えた。

取り組みの輪をさらに広げていきたいと考えていた矢先の昨年10月、
岩見沢地区消防事務組合消防本部から、市側に指導が入った。
現状は、校舎は建築基準法上の用途が「学校」であるが、
校舎では作品の物販もしていることから用途を「店舗」へ
体育館は子どもの遊び場となっていることから用途を「集会場」へ、
変更する必要があるとのことだった。

3階の教室でMAYAさんは毎回新作を発表してきた。

3階の教室でMAYAさんは毎回新作を発表してきた。

教育委員会の担当者によると、試験活用を十分に行ってから建物の用途を決め、
いずれ改修をしていこうという方向性が検討されていたという。
しかし、今回、消防の指導をきっかけに、早急な対応を迫られることとなった。
おおよその改修費を調査したところ、現在のようなイベントを実施するための
基準を満たす用途変更には、おそらく1億円以上かかることがわかってきた。
この金額では改修を実現させるのは難しいのではないか。
市や教育委員会のなかでは、そんな声も上がっているようで、
校舎の活用を部分的にするなどで改修費を抑えつつ、
みる・とーぶプロジェクトの意見も踏まえながら現実的な道をこの1年で探ることになった。

旧美流渡中学校でのMAYAさんによるワークショップ。道内全域、ときには道外からも来場者が訪れるようになっていた。

旧美流渡中学校でのMAYAさんによるワークショップ。道内全域、ときには道外からも来場者が訪れるようになっていた。

1200種を超える、日本の風土が生んだ 多彩な「古来種野菜」の世界。 〈warmerwarmer〉高橋一也

種をつないできた、果てしない時間軸と多様性

種を蒔き、芽が出て花が咲き、種を採り、そしてまたその種を再び蒔く。
長い歳月をかけて、何世代も受け継ぎ、
地域の豊かな風土や自然のなかで生まれた「古来種野菜」を届ける八百屋
〈warmerwarmer〉を営む、高橋一也さん。

その始まりは、2011年3月の東日本大震災から数日がたった頃。
福島県浪江町で先祖代々農家を営んでいる、
種採り農家からの1本の電話だった。

「受け継いだ種を子どもたちに引き継ごうとしていたのに、
福島第一原発の事故で、畑も種もなくなってしまった」と。

その土地に、家族に寄り添うように、受け継がれてきた種。

そこで種を補償してもらえないかと相談をしたら、
電力会社に「たかが種でしょ」と言われてしまったと聞いて、
世の中にとって種の重要性はまったく理解されていない。
このままではマズイと身震いしたという。

その土地に、家族に寄り添うように、受け継がれてきた種。
また震災や災害によって、種が途絶えてしまったら……。

高橋さんはこの現状と向き合い、その年に会社を辞め、
日本に昔からあるこの野菜の多様性を、そして種の大切さを、
語り継ぐ八百屋として、次代へつなげていくと決めた。

〈warmerwarmer〉高橋一也さん(写真右)、船久保琴恵さん。

〈warmerwarmer〉高橋一也さん(写真右)、船久保琴恵さん。

現在スーパーマーケットなどに流通している野菜の99%はF1種。
一代限りだが、大きさや味が均一、日持ちもするなど、
大量生産に適しているため、現在の市場で大半を占める。

それに対して、品種改良されず、
代々受け継がれてきた種から育つ「古来種野菜」。
成長した野菜の種を採り、その種を蒔いて育て、また種を採る。
こうして何十年、何百年もくり返されながら、
その土地の風土に合った野菜へと定着していく。

品種改良されず、代々受け継がれてきた種から育つ「古来種野菜」。

その数は1200種を超えるといわれるほど、多種多様だ。
しかし、極めて収穫量が少なく、
流通するには効率的でないという理由で、
現在は市場に1%しか存在しておらず、認識されていない。

「それでも、こうして代々種が受け継がれてきたのは、
自然の摂理に寄り添った農法でつくられ、風土に馴染む
種の生命力と、先人たちの思いがあったからこそ。

一般的には固定種、在来種、伝統野菜などと呼ばれ、
生産者などのつくる側、国や自治体などの守る側によっても、
その定義はさまざまです」

一般的には固定種、在来種、伝統野菜などと呼ばれ、その定義はさまざま

warmerwarmerでは、それらすべての種、
そしてその思いを総称したものを「古来種野菜」と呼んでいる。

「現在は流通が発達し、種の交換会も開催されていることから、
この定義を一言では言い表せないのも現状です。
そこで、私たちは“古来からずっと続いている”ということに
定義をしぼり、『古来種』という造語で呼びはじめました」

30代のカヌーガイドふたり、 写真家で弟子屈町在住。 「自然の感じ方」と幸福感に惹かれて

(photo:Tomoki Kokubun)

國分さんが感じる13の瞬間

3月下旬、朝の気温は相変わらず氷点下だけど、
雪面を照らす春の光が、たまらなく美しい。

「雪が解けて、当たり前に春がやってくる」

2月に行われたイベント「ボクらの阿寒摩周国立公園」というトークショーで、
「季節が変わってただ過ぎていくのがとても美しい。
ここで暮らしていて本当に幸運だなって思うんです」
と語ってくれたカヌーガイドがいる。
弟子屈町・屈斜路湖畔に居を構える國分知貴さんだ。

「自分らしい写真を1枚!」とのリクエストに送られてきた、ナイスショット。愛犬・KAIと一緒に昼寝の図。(写真提供:Tomoki Kokubun)

「自分らしい写真を1枚!」とのリクエストに送られてきた、ナイスショット。愛犬・KAIと一緒に昼寝の図。(写真提供:Tomoki Kokubun)

トークショーのテーマは、今年指定90周年を迎える〈阿寒摩周国立公園〉。
その魅力を尋ねたら、國分さんは13枚の写真を用意してくれた。

「身の回りに起きた出来事をどんどん撮っている」

そんななかからセレクトされた、13回もの美しい瞬間。
そのうちの数枚を紹介させてもらおう。

凍った屈斜路湖の上で遊ぶ、放課後の子供たち。(写真提供:Tomoki Kokubun)

凍った屈斜路湖の上で遊ぶ、放課後の子供たち。(写真提供:Tomoki Kokubun)

まずは、イベント開催と同時期、2月に撮影された写真だった。

「先日友人から電話がかかってきて、『スケートしません?』って。
行ってみたら、近所の家族がスケート靴を履いて野球しているんです。
そこに夕日が沈んでいく感じとか、めちゃくちゃすてきで、
自然の中で幸せに暮らすってこういうことだよな、と思って撮りました」

國分さんはガイドのかたわら、写真家としても活躍している。

家の周りに自生する“食べ頃”のコゴミ。(写真提供:Tomoki Kokubun)

家の周りに自生する“食べ頃”のコゴミ。(写真提供:Tomoki Kokubun)

次の写真は春ならではのひとコマ。

「屈斜路に暮らしていると、市街地が離れているので、買い物が億劫なんです。
だからこの時期は、『野菜ないな』って思ったら、コゴミを探す。
雪が解けて春が来て、その辺に食べられるものがあるなんて、幸せです」

7月中旬に撮影された、ウグイの群れ。カヌーガイドの拠点である釧路川にて。(写真提供:Tomoki Kokubun)

7月中旬に撮影された、ウグイの群れ。カヌーガイドの拠点である釧路川にて。(写真提供:Tomoki Kokubun)

「夏になると、たくさんのウグイが遡上する。毎年、必ず来る! 
これってすごいと同時に、異変があったらこういうところから影響が出るのでは、
と気になるんです」

その後、夏と秋の風景が続き、季節外れのイソツツジの花の写真へ。

本来は6月中旬〜7月上旬に花を咲かせるイソツツジを、10月に撮影。(写真提供:Tomoki Kokubun)

本来は6月中旬〜7月上旬に花を咲かせるイソツツジを、10月に撮影。(写真提供:Tomoki Kokubun)

「去年は夏が暑くて、秋になってもまだ暑い日があって、
そしたら10月だというのにイソツツジの花が咲いて、そこに霜が降りていた。
こんなこと、今後も続いてしまうのか……、
わからないけど記録しておくべきだと思って」

そして季節は巡り、また冬へ。
最後の1枚は初雪の日。

奥さんと愛犬と家路につく。國分さんの幸せが詰まった一枚。(写真提供:Tomoki Kokubun)

奥さんと愛犬と家路につく。國分さんの幸せが詰まった一枚。(写真提供:Tomoki Kokubun)

「12月、初めて雪が降った日の帰り道。
初雪ってやっぱりうれしいし、幸せな気分になるし、
そんなときに家族が家に向かっていく姿が愛おしくて」

そう言って、「こういう1年間って、
なんてすばらしいんだろう、って感じているんです」と締め括った。