秋田の「まち」を「森」に見立てる
秋田市で、美術作家・臼井仁美さんによる展覧会
『やまは蔵、まちの原木、ケズリカケの木々』が開催されています。
主に「木」を作品の素材とし、
「人間の自然への眼差し」に焦点を当てた制作を行っている臼井さん。
本展覧会では、秋田の「まち」を「森」に見立て、
まちなかの蔵や家屋から借りられる(採集できる)家具や道具を探すところから
滞在制作はスタートしました。

明治創業の〈高砂堂 本店〉では、かつてお菓子を入れるために使用していた木箱「番重」を採集。もろこし型とともに展示されています。店舗は大正時代建設で、国の登録有形文化財でもあります。
「森」に見立てたまちから採集された家具や道具は、言わば「原木」。
展示されている作品には、これら「原木」に、
臼井さんによる「ケズリカケ」が施されています。

〈08COFFEE〉で使用されているブックスタンドに施された「ケズリカケ」。この原木の生い立ちも展示のキャプションを読むと知ることができます。
木の肌を、薄く細長く削り垂らす「ケズリカケ(削り掛け)」は、古く祭具などに施されてきたもので、
展示によれば、アイヌの祭具「イナウ」、彼岸花として供えられる「削り花」、
ドイツの工芸品「シュパンバウム」はじめ、台湾、ラオス、ハンガリー、フィンランドなど、
世界中に存在しているものなのだそう。
秋田という「森」から採集した木製品にケズリカケを施すことで、
家具や道具という役割の下にある立木であった時の姿が浮かび上がってきます。

〈交点〉のマスターの祖父母が暮らした家屋に残されていたというコテアイロンの柄に施されたケズリカケ。モノの物語を店主に聞いてみることも楽しみのひとつです。
こうした作品がひとつの場所ではなく、〈秋田市文化創造館〉、
〈交点〉、〈ココラボラトリー〉、〈高砂堂 本店〉、〈08COFFEE〉、〈PLAY+TOYS のはらむら〉と、
まちのあちこちに展示されているのが、本展覧会の魅力。
まるで森を歩き、立ち上がる木々を巡るようにまちを回遊する楽しさがあります。
カフェやギャラリー、和菓子店、おもちゃと遊びの専門店など、
展示場所のジャンルはさまざまですが、
それぞれの場所に息づいてきた原木の物語を体感しながらスポットを巡れば、
訪れたことのある場所にも新しい風景が見えてくるはずです。

〈PLAY+TOYS のはらむら〉では、店主から提供された曲げわっぱの部材に「ケズリカケ」が施されたモビールが展示されています。

ケズリカケのおかっぱを被り、人間に化けたおもちゃ「どんぐりころころ」も探してみてください。

会場ごとに絵柄が異なるスタンプを押せるスタンプラリーも開催しているので、押印をお忘れなく。写真右下のスタンプは秋田市文化創造館で押印できる絵柄。
























































































