福井で見つけた、海の目の前のリノベ古民家
海まで歩いて50歩。
水着を着たまま家を飛び出して、そのまま家に帰ってこられる。
海の目の前にある築100年を超える古民家のリノベーション住宅。
ここを生活拠点のひとつにしているのは、イラストレーターの松尾たいこさんだ。
「拠点のひとつ」というのは、ここが3つめだからである。
東日本大震災、そしてコロナ禍の影響で、2拠点生活を始める人が増えた。
東京からわりと近い長野、山梨、静岡あたりに移住、
もしくは拠点を構えることが人気だ。
ただ、もうひとつ拠点を増やし、
松尾さんのように3拠点生活をする人はまだそう多くはないだろう。
東京で長く暮らしていた松尾さんは、
まず2011年の東日本大震災後に、軽井沢との2拠点生活を始める。
避難の意味やすべての機能が東京へ集中していることへのリスク分散のためだ。
「当時は、軽井沢ということもあり、
2拠点というより別荘を借りた、くらいに見られていたと思います」
実際には、どちらでも仕事をできるようにして、生活の一部として機能させていた。
どちらも日常だ。

愛犬も一緒に拠点間を移動する。
そして2015年、新拠点として選んだのは福井県だった。
「その頃、絵を描くことに自分のなかで少し行き詰まりを感じていて、
水墨画や日本画をやってみました。
そのひとつで陶芸にも挑戦してみたら、
自分の手でそのまま形をつくることにおもしろさを感じたんです」
こうして陶芸に興味を持ち、周囲にそんな話をしていたところ、
偶然、福井県に窯を持っている友だちがいて、そこへ通うようになった。
そのうちにもっと本格的にやってみたいと思うようになり、
〈越前陶芸村〉のなかに作業場がついた部屋を借りた。
すると、夫でジャーナリストの佐々木俊尚さんも福井に興味を持ち始め、
それならと、ふたりで拠点をつくることになる。
協力してくれたのは
NPO法人〈ふるさと福井サポートセンター〉理事長の北山大志郎さんだ。
美浜町にあり、築100年を超えるがリノベーション済みの古民家を紹介してくれた。
そもそも福井への接点もあった。
2006年頃から夫の佐々木さんが福井の企業などを取材したことがあり、
知り合いもいた。
それをきっかけにカニを食べに行ったり、鯖江にメガネをつくりに行ったり、
年1回程度は訪れるような土地だった。多少なりとも土地勘はあったという。

離れの納屋をリノベーションした仕事部屋。









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