タムタムデザイン vol.9
福岡県北九州市で建築設計事務所を営み、転貸事業や飲食店運営を行う
田村晟一朗(たむら せいいちろう)さんによる連載です。
今回は前回に続き、北九州市八幡西区の黒崎にある商店街の一角
〈寿通り〉のリノベーションがテーマです。
前回は寿通りで生まれた〈寿百家店〉のプロジェクトの概要と
〈株式会社 寿百家店〉の設立までお伝えしました。
シャッターが降りた商店街の区画に、地域の専門店にオープンしてもらい、
それらの2階をシェアハウスにするプロジェクトです。
後編では、仲間集めや資金調達、コロナ禍での挑戦など、
オープンまでのプロセスを通じて、少しずつ変化していく寿通りの裏側をレポートします。
会社設立後、新たな区画のリノベーションへ
2020年5月に株式会社 寿百家店を設立して、
福岡佐知子さん(以後さっちゃん)が会社の代表になりました。
これまではさっちゃんがオセロ展開で寿通りのシャッターを開けてきたのですが、
この頃には寿通り内に自然と美容室や洋服屋さん、ギャラリーが入居してくるようになり、
今までの活動の波及効果が現実に表れてきました。
こうした変化ってほんっとうれしいですよね。

グレーの区画はシャッターが閉じていた、寿通り。2015年にさっちゃんがワインバー〈トランジット〉をオープン。

2020年には緑色の区画に新店舗が次々とオープンしました!
そんな流れのなか、寿百家店が次に目をつけたのは上の図の黄色の3区画。
ここを一気に開けてしまおう! という計画です。
木造2階建ての長屋で、1階は旧洋服店、旧呉服店、旧宝石店の3店舗が入っていました。

既存平面図

ビフォーの外観。手前からピンクのシャッターが旧婦人服店、緑が旧呉服店、水色が旧宝石店。

以前は婦人服店だった、ピンクのシャッター内部の様子。
この3区画を寿百家店のコンセプトに沿ってまちの専門店街にしようと考えました。
旧婦人服店はシャッターが4枚分、旧呉服店はシャッターが5枚分の区画です。
このシャッター1枚の幅は1.2〜1.8メートル程度であり、
まずは旧婦人店と旧呉服店のシャッター1枚ごとに区画を分けて、
合計9つの小さな区画をつくろうという案。
マイクロショップの集積のようなイメージですね。
「店主ひとりひとりが何かをつくれたり、技術を持っていたり、
目利きをしていたりと、個人の表現が発揮できる
小さなお店が集まるとおもしろいんじゃないか」とさっちゃんと想像していました。
そして、大きな通りに面した端の区画については、
さっちゃんと僕とで飲食店を営むことにしました。
平面図でいうとこんな感じです。

シャッター1枚ごとにお店が入っているイメージ。

小さなお店が入ったイメージ写真。
家賃設定は1区画3万〜4.4万円にしました。
坪単価に換算すると1.6~1.8万円なので、黒崎周辺の相場である0.9~1.2万円/坪より
少し高めですが、光熱費込み(条件あり)と小面積であることから、
店子さんはチャレンジしやすい、なおかつ大家としては
事業収支が成立しやすいという価格設定になっています。
両者のイニシャルコストにかかるリスクを軽減することが狙いです。











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