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posted:2024.6.20 from:青森県 genre:アート・デザイン・建築
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
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writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。
あっという間にアートのまちとして有名になった青森県。
現在、同県の5つの美術館・アートセンターでは、各館のキュレーターが協働し、
それぞれの館の特徴を生かした多様なプログラム
〈AOMORI GOKAN アートフェス 2024〉が
9月1日(日)まで開催されています。
青森でのアート体験を通して、県民や観光客の
地域の周遊を喚起するプロジェクト
〈5館が五感を刺激する―AOMORI GOKAN〉の
一環としてスタートしたこのアートフェス。
今回は「つらなりのはらっぱ」をテーマに、
青森県立美術館、青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)、
弘前れんが倉庫美術館、八戸市美術館、十和田市現代美術館の5つの施設が、
それぞれの個性を生かし、同県の多様な文化と魅力を伝えます。
同館を設計した青木淳氏の「原っぱ」論から、
それぞれの展示室を「原っぱ」とし、館内外の至るところで
アートを発見、鑑賞、体験できる場を設置。
美術館全体に大きな「つらなり」を生み出しました。
「かさなりとまじわり」をテーマに、
美術館の各空間が「かさなり」、
作品を通して、青森の自然と人間の「まじわり」、
死んだものと生きているものの「まじわり」、
現代社会の姿とこれから未来を切り拓いていく人たちとの「まじわり」
の諸相を浮かび上がらせていく構成となっています。
information
かさなりとまじわり
期間:開催中〜2024年6月23日(日)、7月6日(土)〜9月29日(日)
開催場所:青森県立美術館 コミュニティギャラリー、エントランスギャラリー、コミュニティホール、ワークショップエリア及び野外
住所:青森県青森市安田近野185
時間:9:30~17:00(最終入館16:30)
休館日:第2・第4月曜および6月24日(月)~7月5日(金)
観覧料:一般900円(700円)、高大生500円(400円)、小中学生100円(80円)
※コレクション展とセット料金
※( )は20名以上の団体料金
※心身に障がいのある方と付添者1名は無料
Web:青森県立美術館 公式サイト
国際芸術センター青森(ACAC)では、現在や海流や気流などの流れを示す「current」と、
水面下の流れや暗示を意味する「undercurrent」をキーワードに、
ある場所とかかわり合いながら表現を行う国内外のアーティストや、
青森にゆかりある表現者たちの作品を展示。
出展作家は同じですが、会期半ばで展示の入れ替えがあり、
前期と後期で2度足を運ぶのもおすすめです。
実験的な表現から、今という時間軸の無限さを感じられることでしょう。
information
currents / undercurrents -いま、めくるめく流れは出会って
期間:開催中〜2024年6月30日(日)、7月13日(土)〜 9月29日(日)
開催場所:青森公立大学 国際芸術センター青森
住所:青森県青森市合子沢字山崎152−6
時間:10:00~18:00
休館日:期間中無休
弘前れんが倉庫美術館での
展覧会「蜷川実花展 with EiM:儚くも煌めく境界 Where Humanity Meets Nature」では、
写真家・映画監督の蜷川実花が、データサイエンティストの宮田裕章、
セットデザイナーのEnzo、クリエイティブディレクターの桑名功らと結成した
クリエイティブチーム〈EiM〉との協働により実現した大規模な作品が登場。
蜷川氏が、弘前で撮影した桜の写真など、
人の手とまなざしに育まれた花や木々を捉えた作品群も展示されています。
展覧会を通じて、人間と自然との関係性や蜷川氏のフィルターを通した
美しい自然の営みを発見することができるのでは。
また、もうひとつのメイン企画である「弘前エクスチェンジ#06『白神覗見考』」は、
青森県南西部に位置し、弘前市を含む津軽平野を流れる
岩木川の源流の地でもある白神山地をテーマに実施する
リサーチ・プロジェクト。
狩野哲郎、佐藤朋子、永沢碧衣、L PACK. の4組のアーティストたちが、
作品展示や、ワークショップ、トークイベントなどを実施します。
古くから人々の生活を支えてきた川の源となる山々に目を向け、
そこに息づく動植物や人々の営みの時間が積み重なる景色に触れることで、
いつもの風景が異なるものに見えてくるきっかけとなることでしょう。
information
蜷川実花展 with EiM:儚くも煌めく境界 Where Humanity Meets Nature
弘前エクスチェンジ#06「白神覗見考」
期間:開催中〜~9月1日(日)
開催場所:弘前れんが倉庫美術館
住所:青森県弘前市吉野町2−1
時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
休館日:火曜 ※8月6日(火)は開館
Web:弘前れんが倉庫美術館 公式サイト
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八戸市美術館では、同館のコンセプトである
「出会いと学びのアートファーム」を体現するプロジェクト
〈エンジョイ! アートファーム!!〉を開催。
磯島未来、漆畑幸男、しばやまいぬ、
蜂屋雄士、東方悠平の5人のアーティストが、
同館を象徴する空間「ジャイアントルーム」で、
作品の鑑賞や絵を描いたり、トークプログラムへの参加など、
来館者と共につくり、楽しむプロジェクトを展開。
その交流から生まれる多様な創造が、
同館ひいては青森のまちをさらに魅力あるものにします。
information
エンジョイ ! アートファーム !!
期間:開催中〜2024年9月1日(日)
開催場所:八戸市美術館 ジャイアントルーム
住所:青森県八戸市番町10−4
時間:10:00~19:00
休館日:火曜、6月26日(水) ※8月13日(火)は開館
Web:八戸市美術館 公式サイト
資本主義などの近代の人間の理性的な営みから
こぼれ落ちた存在や思考に目を向け、
現代の新たな道筋を照らすヒントになるような作品を集めた
十和田市現代美術館の『野良になる』。
集められたアーティストは、
日本とアメリカにルーツがあり、
トランスジェンダー女性としての生き方を彫刻で表現する丹羽海子、
学校教育を離れ、研ぎ澄まされた感性で風景を描く䑓原蓉子(だいはら・ようこ)、
人間と動植物の生が交錯する関係を題材に、
映像や料理作品を手がける永田康祐、
植民地時代以前から伝わるブラジルの伝統から、
植物と人間の関係性を問い直す作品を制作するアナイス・カレニンなど。
多様な視点から自然を捉えるアーティストの表現を紹介します。
国内外の若手作家の新作を中心に、
彫刻や映像、ウールのタペストリー、サウンド、インスタレーション、食など、
多岐にわたる表現形式を用いた国内外の若手作家の作品から、
人と自然の関係の有様を再考することができるでしょう。
information
野良になる
期間:開催中〜2024年11月17日(日)
開催場所:十和田市現代美術館
住所:青森県十和田市西二番町10-9(官庁街通り沿い、消防署となり)
時間:9:00~17:00 (最終入場時間 16:30)
休館日:月曜 祝日の場合はその翌日 ※7月15日(月)、29日(月)、8月5日(月)、13日(火)、9月16日(月)、23日(月)、10月14日(月)、11月4日(月)は開館
Web:十和田市現代美術館 公式サイト
また、本アートフェス後半となる8月から最終日まで、
「境界」をテーマに制作してきた栗林隆による
体験型のアート作品『元気炉』が各館を巡回します。
この作品は、原子炉のような構造物の中で
薬草の香りの蒸気から植物のエネルギーを体感するというもの。
作家がタイ旅行で体験した
ハーブを用いたスチームサウナで
体のエネルギーを取り戻した経験と、
2011年の東日本大震災後に再認識した原発事故から、
人と自然の境界線上に生まれた場所で、
本アートフェスのテーマである「つらなりのはらっぱ」を体現するように、
集った人々がみえざる境界線をまたいで、
世界との新たな関係性を構築する機会を生み出そうという思いがこめられています。
*各館での展示スケジュールは公式サイトにて発表。
そのほかにも、子ども向けに、
鑑賞ツールの用意やサマープログラムなども実施。
ライブやイベントも開催が予定されているようです。
青森県内を周遊する貸切日帰りバスも用意されており、
アートのまち・青森を堪能する絶好のチャンス。
ぜひこの機会に同県へ足を運んでみてください。
information
AOMORI GOKAN アートフェス 2024
会期:開催中〜2024年9月1日(日)
Web:公式Webサイト
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