あの〈Technics〉が 京都にカフェをオープンしたとは 聞き捨てならない話かも。

音楽好きコロンボとカルロスが
リスニングバーを探す巡礼の旅、次なるディストネーションは
京都府京都市。

ハイエンド・オーディオで聴く「プラスティック・ラブ」の衝撃

カルロス(以下カル): 〈Technics〉がカフェをオープンしたとは
聞き捨てならないね。それも京都なんでしょう?

コロンボ(以下コロ): 京都も京都、四条通り沿いのど真ん中。
昨年の12月6日、音楽の日にオープンしたんだ。

カル: 音楽の日?

コロ: エジソンが発明したフォノグラフの録音、再生が
初めて成功した日らしいよ。1877年の出来事。

カル: 世界中のDJが使い続けるターンテーブルの名機、
あの「Technics SL-1200」シリーズが発売されたのが1972年だから、
誕生のほぼ100年前だね。当然、このカフェのタンテもそうなんでしょう?

コロ: DJブースのものはもちろんだけど、
メインとなるオーディオユニットはハイエンドの「SL-1000R」。
より正確でなめらかな回転を追求し、
あらゆる振動を遮断・制御する強靭な構造らしいよ。

カル: 42キロ以上とかなり重いんだってね。
放送局用のユニットとして採用されるものもわかるね。

コロ: このカフェに鎮座する
パナソニックならでは垂涎のオーディオユニットの総額は700万円だってさ。

カル: TOYプレイヤーから始まったボクのレコード人生、
ここまで登り詰められればいいんだけどな(笑)。

コロ: 最近のレコードブームで、
入口はたしかにTOYプレイヤーからなんだけど、
たいがいそれじゃ物足りなくなくて、次のフェーズに向かうんだってね。
まあ、そりゃそうだけど。

カル: 広々としたカフェはガラス張りで天井もやたら高い。
シンプルかつソリッドな空間なんだけど、
これはデザインだけでなく音響への配慮とかもあるのかな?

コロ: すべてに音響的配慮があるそうだよ。
あえてテーブルを置いてなかったり、植栽が吸音の役割を果たしたりとね。
空間設計を担当した関祐介さんもSL-1200シリーズのユーザーで、
「デザインされているけれど主張しないところが」が気に入っているらしい。

カル: まさにその思想が空間設計にリファインされているね。
コーナーに積み上がった〈M&M Furniture〉の椅子を
お客さんがそれぞれ持って来て座るというシステムも新しいね。
そもそもなんで京都につくったのかな?

コロ: 京都の文化と
学生やインバウンドのツーリストが多いのもポイントだったみたい。

カル: 文化庁も京都に移転したしね。
テクニクスといえばグローバルブランドだから外国人にも親和性が高い。

コロ: そのおかげか、シティポップがすこぶる人気なんだ。
インバウンドの人たちのリクエストは
圧倒的かつダントツに竹内まりやさんの「プラスティック・ラブ」らしいよ。

カル: ハイエンド・オーディオどころか、
レコードで聴いたことない日本の若い子も多いだろうしね。
たしかにここで聴くと
山下達郎さんのいかしたギター・カッティングはもちろんのこと、
ストリングスがいかにきれいな鳴りかがよくわかる。ゾクゾクするね。

コロ: だよねー、別次元。
ヴィンテージ・オーティオショップの名店〈ジュピターオーディオ〉で
『クリムゾン・キングの宮殿』を聴いて以来の衝撃。
いままで聴いていた『クリムゾン・キングの宮殿』は
なんだったんだろうって(笑)。

シティポップのアンセム「プラスティック・ラブ」はダントツの人気。ハイエンド・オーディオの鳴りでぜひ!

シティポップのアンセム「プラスティック・ラブ」はダントツの人気。ハイエンド・オーディオの鳴りでぜひ!

writer profile

古谷昭弘 Akihiro Furuya
フルヤ・アキヒロ●編集者
『BRUTUS』『Casa BRUTUS』など雑誌を中心に活動。5年前にまわりにそそのかされて真空管アンプを手に入れて以来、レコードの熱が再燃。リマスターブームにも踊らされ、音楽マーケットではいいカモといえる。

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