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posted:2024.5.20 from:東京都中央区・千代田区 genre:アート・デザイン・建築
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writer profile
Mana Saito
齊藤真菜
さいとう・まな●神奈川県横浜市出身・在住。「Arcade Books & Films」として、西区・藤棚商店街のシェアカフェ「藤棚デパートメント」内で本の販売や映画上映会を企画。地域メディアの指針を考えるためのワークショップカード「ローカルメディアコンパス」開発メンバー。
普段はなかなか見ることができない建物の内部を一般公開し
建築そのものを楽しむ大規模イベントが、いよいよ東京でも
2024年5月25日(土)・26日(日)に初開催。
中央区と千代田区の都心を中心としたエリアの
30軒を超える新旧の建物が参加します。
その見どころや立ち上げの思いを
大阪公立大学教授で東京建築祭実行委員長の倉方俊輔さんに聞きました。
ロンドンやシカゴなど、海外各地の都市で以前から開催されてきた
建築の公開イベント。
日本でも福岡や広島で10年以上前から始まり、
倉方さんは2014年にスタートした
〈生きた建築ミュージアム大阪(イケフェス大阪)〉、
2022年開始の〈京都モダン建築祭〉、
翌2023年からの〈神戸モダン建築祭〉
などに立ち上げから携わっています。
これらの関西のイベントと〈東京建築祭〉の大きな違いは、
行政も都内の既存の団体も関わらず
まったくインディペンデントであるということ。
「東京は大きすぎて、既存の組織や大学がつながりづらいまち。
そのなかのどこかが主催になると、その色が強くなってしまう。
洋館・レトロ建築が好きな人も、現代建築が好きな人も、
高度成長期のちょっと渋いビルが好きだというような人も
自分たちのイベントだと思える、
そんな枠組みをまずはつくることに専念しました」
と倉方さん。
「どの建築も東京を知る大きな手がかりです。
東京ってこんなにおもしろいんだ、
東京といってもエリアごとにこんなに違うんだということを
建築を通して知ることができるお祭りをつくりたいんです」
と語ります。
特別公開は基本的に申込不要で無料、
ガイドツアーは有料のものがほとんどとなっていますが、
その料金の差は安全装備や食事代など実費によるもので、
基本的な値段は同じです。
インディペンデントといっても
利益を追求するものではなく、
運営にかかる必要最低限のコストを
参加費やクラウドファンディング、スポンサーからの支援、
アーツカウンシル東京の助成金で賄っています。
関わる人たちそれぞれの思いが積み重なって実現したイベントなのです。
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ラインナップは戦前から残る百貨店建築から関東大震災後の看板建築、
完成前の新しい施設まで、さまざまな年代や建築様式のものが集まります。
「東京のなかで古くもあり新しくもあり、
戦災や震災から復興してきたエネルギーがありありと感じられる
歩いて行ける範囲で一番多様なエリアから始めることにしました。
また、今回実現したGinza Sony Parkの工事中の段階のガイドツアーは、
通常ならまずあり得ないもの。
お施主さんのものだけどまだ建設会社が管理している状態で、
内容すら発表していないですから。
参加施設にはお金を払っているわけではないし、
ただでさえ直接的なメリットはないなか、
今までにないことをやるという広い意味でのブランディングとして
納得いただきました。
巨大な企業だから新しいことができないのではなくて、
むしろ柔軟にオープンするという行為を通して
最先端の形、東京のすごさを見せていくということですね」
ツアーでガイドしてくれるのは、
基本的には設計者や入居企業の社員など
その建物に携わる・使っている人。
これは〈イケフェス大阪〉と共通する方針で、
今回〈東京建築祭〉では初めてガイドのプロフィールも掲載しました。
建築自体を観るだけでなく、
今までは可視化されていなかった
建築を取り巻く人間が浮かび上がることが
建築を公開する醍醐味だと倉方さんは言います。
「普段の社会では先生と生徒、売る人と買う人、企業と消費者といった
何かの役割を帯びた付き合いしかなかなかできませんが、
建築祭のような機会はそうではない人との出会い方があります。
企業の中っていろんな個性の人がいるんだなとか、
建築家もふつうの人間なんだなとか、
こんな人も建築が好きなんだとか。
すごく詳しい人も、なんとなく普段通りかかる場所で気になったという人も、
アニメの舞台になっているから観に来たという人も、
どんなきっかけでも平等です。
いろんな人と出会うことで、
人の多様な見方を自分の楽しみにしていく機会にしてほしいですね」
今後も規模・エリアを拡大し継続していく予定の〈東京建築祭〉。
まずは今回どの建物を見に行くか、計画を立ててみませんか。
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東京建築祭
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